時計の魔女の追憶

結月彩夜

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1章

5.

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『ほぁ…?いいけど…?』
「「え…?!」」
 報告に来た隊員と副隊長の声が見事に揃った。
「え、ちょ、まっ」
「え?え?えええ!?」
 2人が混乱している隙に私は唱えた。
「『時計の魔女ルー・ルー』と水の魔物“アメフラシ”は、契約を結ぶっ」
『《アメフラシ リィーン・ウィー》は、『時計の魔女ルー・ルー』をあるじとしてけいやくを結ぶっ』
 ”アメフラシ”いや、リィーン・ウィーと私の契約は世界に認められた。

 リィーン・ウィーと私が確かにのがわかった。

「よろしくね。リィーン…リィ。」

 そうして私は、契約を結んだのだ。 

「『時計の魔女ルー・ルー』っ!君は何をしているっ!?」
「あ、隊長。避難完了したようでよかったですー。」
「よかったですー。っじゃないだろうっ!?」
 ………?
 何が駄目だったのだろう…?
「君は、災害級の魔物と契約しただろうっ!?」
 しましたね。
「はい。何が問題ありましたでしょうか。」
「「「問題しかねーよっ(ないですっ)!」」」
『………?なんか間違えた…?』
「契約方法も合ってたはずだよね…?」
『うん。』
 じゃあ、なにが問題だったのだろう…?
「そもそも、災害級の魔物と契約したことが問題なのですよ…。」
………たしかに、そうかも…?


「あー。マジで?」
「マジです。魔法師団所属の魔女が災害級の魔物と契約したそうです。」
「どーすっかなあ…。とりま話だけでも聞くか。」
「了解いたしました。陛下」

なんか、リィの件で呼び出し食らいました。
団長のとこかな…?
行きたくないなあ…。
だって、偉いヒトだよ?
まあ、先生も偉い人だったらしいけど、先生に会うのと上司に会うのって全っ然話が違うよね。


なんで、どうして、
こうなったあああああああっ!!
なんで私、の御前にいるのかな!?
王の御前でひざまずきながら私は心の中で絶叫していた。
「魔法師団第2隊解析班所属の魔女、『時計の魔女ルー・ルー』と申します。お初おめもじつかまつります。」

いった。言えた。
良かったかんでない。
心臓バックバク。
リィと契約しただけでこんなことになるとは思ってもみなかった。
「面を上げよ。」
王の声が静かに降ってくる。
クアール王国の現国王はまだ年若く、精悍な顔つきに金の髪に青の目を持つさわやかな青年王であった。
「早速ではあるが、そなたが災害級の魔物、それも我が国の同盟国である隣国のサイラン王国を沈めた魔物だとか。事実か?」
「はい。事実でございます。」
「・・・。マジか…。」
ん…?
言葉遣いがものすんごい庶民的…?
え?どーゆーことなの…?
これ、あれかな?
あれなのかな?!
気にしちゃいけないってやつっだったりするのかな?!
よーし。
へーじょーしん、へーじょーしん。
私は、空気を読めるこっ!
「…。はあ。陛下。言葉遣いに気をつけてくださいとあれほど…。完全に困っているじゃありませんか。必死に平常心を保とうとして失敗してるじゃないですか…。何といいますか。目がぐるぐると回りかけてますよこの子…。」
え?!顔に出ちゃってた?!
どうしよう・・・。
これって、アウトかな?アウトだよね?!
どうしよおおおおっ?!
「んあ?わりい、わりい。でもさあ、こっちの方が楽なんだよ。いやーおまえもびっくりさせて、悪かったな。」
「え?あ、いや、あの、ちょっとっ?!勘弁してくださいっ!一介の職員にあやまんないでくださいいいいっ!こっちの寿命が縮むのでっどーかど-かおやめくださいいいいいいっ!」
王族という者は基本的に謝ってはならないものであるはずなのだ。
国王ともなれば、なおさらのことである。
だというのに、この王様はそれはもうあっさりと、謝ってくださった。
悪気はないのであろうということはわかる。
それだけれども、どうかやめていただきたい行いだ。
「本当にすみませんね…。このバッ…。失礼。この国王が…。悪気はない方なので…。」
宰相閣下ああああっ?!
今あなた、現王陛下のことを”このバカ”って言いかけなかった?!
きのせいだよね…。とういか、どうかそうであってほしいと私は思っている。
「話が、大幅にずれてしまいましたね。話を戻しましょうか。
話を戻す。つまりはリィのことだ。
たしかに、話、本題とは関係なかったな…。
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