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第4章 生贄
第5話
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「本当に、この先に何かあるのか?」
バラの模様をさわりながら蛍さんにそう聞かれる
「多分…なんでとか理由を聞かれても困るんですけど。多分何かあると思うんです」
「珠姫がそういうなら、きっと何かあるはずだ」
蛍さんがしゃがみながら、バラの模様を指で撫でた。
「白薔薇姫の直感がそう言うんだからきっと何かがあるんだろうな」
鳳先生もバラの模様を手のひらで撫でた。
「力が目覚めていないだけど、珠姫には白薔薇の血が流れてるのは確かだし、何か感じることがあっても不思議じゃないよな」
蓮さんもバラの模様を指でなぞる。
「なんでみんなバラの模様触ってんの?そんなにいいさわり心地なの?」
「戒さんも触ってみれば?」
「なんでだよ。倫が触ればいいだろ」
「え?もしかして怖いの?だっさぁ!」
「うるせぇ!こんなもんが怖いわけねーだろうが!」
倫の挑発に乗った戒さんもバラの模様に触れた。
「え…?」
4人が触ったバラの模様が光った。
あまりのまぶしさに何も見えない。
「なんだこれ!蛍!何これ!」
「オレも分からない…」
「オレ達四霊が触ってから光り出す…やっぱりこの扉の向こうに何かあるのかもしれない」
「先生なんだから知っておいてよこれくらい!でもなんだろう不思議」
「どうしたんだろう、急に光って…まぶしくて何がどうなってるか分からないし
珠姫、目は大丈夫?」
「大丈夫…バラの模様が光っている見たい」
「見えるの?」
「うん」
光出した時は何が起こっているか分からなかったけど
今ははっきりと見える。
引き寄せられるように扉に近づき
戒さんと蛍さんの間に無理やり体をねじ込んで
取っ手も思い切り引っ張った。
「開いた」
扉が開くと同時に光が消えた.
みんなで扉の中をのぞくと階段が見えた。
「地下があんのか?」
「そうみたいだな…」
「なんでさっきまで開かなかった扉が急に開いたんだ?」
「これは予測だが、オレ達四霊の力と白薔薇姫の力が合わさって初めて開くのかもしれないな」
「マジか…すげぇな」
「ねえみんな!驚いているのは分かるけど中に入ってみようよ!珠姫が言うとおり何かあるかもしれないし!」
倫が蛍さんの腕を引っ張って立たせる。
それに続いてみんなも立ち上がり
戒さんを先頭に地下へと降りて行った。
地下は洞窟のようになっていて真っ暗だった。
足元は石畳のようになっていて少しひんやりしている。
暗くて見えないからみんなは携帯をだして
その光を頼りに前に進んで行く。
「わっ!」
キョロキョロして歩いていたら石畳の隙間に足を引っ掛けた
よろけたせいで戒さんの背中に軽くぶつかってしまった。
「どうした?」
「躓いちゃって、ごめんなさい」
「どんくせぇな」
「暗いんだから仕方ないじゃないですか!」
「かわいくねぇな」
ほら、と戒さんが手を出しだした。
その行動の意味が分からなくて黙っていると
手を掴まれた。
「な、何…?」
「転んだりしたら危ねぇから」
え、それって手をつないで歩くってこと?
恥ずかしい!
「大丈夫です!もう躓きません!」
「いいから黙って繋がれておけ。転ばれたら迷惑だ」
「で、でも…」
「いいから!」
手を離そうとしても戒さんの力のほうが強くてびくともしない。
ここで立ち止まるのは時間の無駄だし
仕方ないと自分を納得させて
戒さんに手を引かれながら先に進んだ。
手、大きいし温かい。
そういえば男の人と手をつないだのはこれが初めてかもしれない。
それに気づいてしまったらもう最後
恥ずかしさで顔が熱くなっていく。
暗くてよかった。きっと顔が真っ赤になっているはずだ。
あぁ、もう
普段は優しくないくせに
ふいに優しくなんかしないでほしいな…
心臓がどきどきしている。
みんなに聞こえていないといいんだけど。
特に戒さんには聞こえないでいてほしい。
バラの模様をさわりながら蛍さんにそう聞かれる
「多分…なんでとか理由を聞かれても困るんですけど。多分何かあると思うんです」
「珠姫がそういうなら、きっと何かあるはずだ」
蛍さんがしゃがみながら、バラの模様を指で撫でた。
「白薔薇姫の直感がそう言うんだからきっと何かがあるんだろうな」
鳳先生もバラの模様を手のひらで撫でた。
「力が目覚めていないだけど、珠姫には白薔薇の血が流れてるのは確かだし、何か感じることがあっても不思議じゃないよな」
蓮さんもバラの模様を指でなぞる。
「なんでみんなバラの模様触ってんの?そんなにいいさわり心地なの?」
「戒さんも触ってみれば?」
「なんでだよ。倫が触ればいいだろ」
「え?もしかして怖いの?だっさぁ!」
「うるせぇ!こんなもんが怖いわけねーだろうが!」
倫の挑発に乗った戒さんもバラの模様に触れた。
「え…?」
4人が触ったバラの模様が光った。
あまりのまぶしさに何も見えない。
「なんだこれ!蛍!何これ!」
「オレも分からない…」
「オレ達四霊が触ってから光り出す…やっぱりこの扉の向こうに何かあるのかもしれない」
「先生なんだから知っておいてよこれくらい!でもなんだろう不思議」
「どうしたんだろう、急に光って…まぶしくて何がどうなってるか分からないし
珠姫、目は大丈夫?」
「大丈夫…バラの模様が光っている見たい」
「見えるの?」
「うん」
光出した時は何が起こっているか分からなかったけど
今ははっきりと見える。
引き寄せられるように扉に近づき
戒さんと蛍さんの間に無理やり体をねじ込んで
取っ手も思い切り引っ張った。
「開いた」
扉が開くと同時に光が消えた.
みんなで扉の中をのぞくと階段が見えた。
「地下があんのか?」
「そうみたいだな…」
「なんでさっきまで開かなかった扉が急に開いたんだ?」
「これは予測だが、オレ達四霊の力と白薔薇姫の力が合わさって初めて開くのかもしれないな」
「マジか…すげぇな」
「ねえみんな!驚いているのは分かるけど中に入ってみようよ!珠姫が言うとおり何かあるかもしれないし!」
倫が蛍さんの腕を引っ張って立たせる。
それに続いてみんなも立ち上がり
戒さんを先頭に地下へと降りて行った。
地下は洞窟のようになっていて真っ暗だった。
足元は石畳のようになっていて少しひんやりしている。
暗くて見えないからみんなは携帯をだして
その光を頼りに前に進んで行く。
「わっ!」
キョロキョロして歩いていたら石畳の隙間に足を引っ掛けた
よろけたせいで戒さんの背中に軽くぶつかってしまった。
「どうした?」
「躓いちゃって、ごめんなさい」
「どんくせぇな」
「暗いんだから仕方ないじゃないですか!」
「かわいくねぇな」
ほら、と戒さんが手を出しだした。
その行動の意味が分からなくて黙っていると
手を掴まれた。
「な、何…?」
「転んだりしたら危ねぇから」
え、それって手をつないで歩くってこと?
恥ずかしい!
「大丈夫です!もう躓きません!」
「いいから黙って繋がれておけ。転ばれたら迷惑だ」
「で、でも…」
「いいから!」
手を離そうとしても戒さんの力のほうが強くてびくともしない。
ここで立ち止まるのは時間の無駄だし
仕方ないと自分を納得させて
戒さんに手を引かれながら先に進んだ。
手、大きいし温かい。
そういえば男の人と手をつないだのはこれが初めてかもしれない。
それに気づいてしまったらもう最後
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あぁ、もう
普段は優しくないくせに
ふいに優しくなんかしないでほしいな…
心臓がどきどきしている。
みんなに聞こえていないといいんだけど。
特に戒さんには聞こえないでいてほしい。
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