1 / 6
ミルクティー
しおりを挟む
「悪い。俺、もう耐えられない……」
私、中島はるか
現在26歳
20時14分
留守番電話にてフラれる
今日は忙しかった。ううん、今日だけじゃない。
昨日もその前も、仕事を始めたその日からずっと忙しい。
土、日、祝日の休みはちゃんとあるけど
仕事でつぶれた日も多い。
うん、だから
彼を放っておいたっていう事実はあるし
それは、悪いと思っている。
だけどね?
それでもいいよ、仕事をしているはるかが好きだよって言ってくれたのは…
「どこのどいつだ!コノヤロー!!」
「ええい!窓から叫ぶな恥ずかしい奴!」
フラれたっていう悔しさ(?)とはちょっとちがうけど
なんだか飲まないとやってられなくて
中学時代からの友達である三井ゆりを巻き込んで
自宅で買い込んだビールを浴びるように飲んでいた。
けど、それだけじゃ気分が収まらなくて
窓を全開にして叫んでみる。
中学時代からの親友である「ゆり」はやめろって言うけどさ
大声出すのってストレス発散にすっごくいいんだから!
そこは分かってよ。
「そんなことばっかりしてるからフラれるんだと思うんだけど」
「だって、仕事が忙しくてもいいって言ったのはあっちのほうだもん」
取引先で知り合った前の彼氏。
顔もなかなかで優しくて
まあ、仕事での一つの楽しみだったわけよ、彼に会いに行くのは
私はそれだけだった。
だけど、5回目にその会社を訪ねた帰りに
「食事でもどうですか?」って誘われて
まあ、食事だけならってOKして
話も合うし、一緒にいて楽しかったし
私も仕事で疲れていたし
いい一日だったわけよ。
で、その日に
「付き合って欲しい」って言われた。
私はね、最初に言っておいたんだよ?
仕事忙しくて、あんまり連絡取れないかもしれないし
会うことも難しいかもしれないって。
だけど
それでもいいよって言うから。
私もフリーだったし
この人と一緒にいて楽しかったし!
それなのに
何が耐えられないだよ!ふざけんな!!
こうなることは覚悟しておけっていうんだよ!
「あのさぁ、はるか」
「なによ?」
「あんた、なんでそんなにやさぐれてるの?フラれたから?」
「うーん…フラれたってことがショックじゃなくて、耐えられないって言われたのがショックだったというか…なんだか自分を否定されたみたいで悲しいというか…」
「はあ、これだもん」
ゆりは大きなため息をついて
やれやれって、ちょっとオーバー気味に手を挙げた。
なに?なんなのよ。
ゆりがこんなジェスチャーをするときは
絶対変なことを言われるとき。
長年の付き合いで分かっている
ヤバい、逃げたい。
「いいか、よく聞け!この恋愛下手が!」
「はい!?」
やれやれのポーズから一転
私の前に仁王立ちをする。
それから人差し指を思いっきり私の前にさして
仁王のごとく私をにらみつける。
はい、正直怖いです。
中学からの付き合いだからこの先の展開は嫌と言うほど分かっている。
これでもかと言うほどの毒舌を私はこれから浴びることになるんだ。
あぁ、やっぱり一人で飲めばよかった…
「あんたさ、相手が悪いってばっかりいうけど、悪いのは全部あんた!ええ、そう全部あんた!仕事が忙しくてもいいって言ったのは本当かもしれない。だけどね、本当に連絡一切しない!電話にもでない!メールもしない!絶えられなくて当たり前!あんたが悪い!」
そんな早口言葉で捲くし立てないでよ、怖いよ。
仕事でヘロヘロになって
しかもフラれて、それも留守電で
その上、友達にもこんなに怒られて
疲れたし、何よりもつらい!
「留守電でフラれるのだって、あんたが忙しくて会えないからでしょ!」
追い討ちやめて!その通りだけど!
いいや、今日はもう寝よう。
明日も仕事だし、寝れば全てを忘れるかもしれないし。
「今日、泊まって行くからね!女の子の夜道一人歩きは危険だし」
「何が女の子?26歳にもなって」
「うるさい!」
ゆりが薙げたクッションが私の顔面に直撃する。
さらなる追い打ちをかけないでよ!バカぁ!
あぁでも…憂さ晴らしにはなった気がするから
ゆりがいてくれてよかったかも。
ごめんね、さっきは一人で飲めばよかったなんて思って。
頭、痛い…
飲みすぎた。
バカだ、いつもこうなんだ。
フラれるたびに自棄酒して、二日酔い。
でもまだ救いがあるよね、今日は外回りないし。
「中島さんおはようございます!あれ?なんか顔色悪いですよ?大丈夫ですか?」
「……!!」
後ろから多きな声で叫ぶな!話しかけるな!響く!!
振り返ると、今年入ったばかりの新人である酒井くんが心配そうな顔で私を見ている。
元気はあるんだけど、仕事はいまいち
まあ、やる気のない顔ばっかりいじってる新人よりはいいんだけど。
でも仕事を覚えるのが遅くて要領も悪いから
なんだか面倒なんだよね。
正直、彼にやってもらうよりも自分でやったほうが早いし。
でもそれじゃあダメなことも知ってる。
なんだかうまく行かないことばかりで嫌になっちゃう。」
「おはよう、大丈夫。それより、今日締め切りのアレできてるの?」
「あぁっ!まだです!今すぐ作ります!」
ほら、これだもん
今日も彼は残業かな?あ、でも締め切り今日だから残業までもって行かれたら困るけど。
でも、心配してくれた人に
あの返し方はよくないよね。
嫌だな、自分でも分かってる
こんなんだからフラれるってことは重々承知している。
だけど、やめられないんだなぁ。
「分かってるなら、さっさと仕事人間なんかやめて!恋に生きればいいじゃない!」
「恋ねぇ…できるもんならしてみたいもんじゃよ」
「じゃよって、あんた」
今日もゆりとお酒を飲んでいる。
場所はちがうけど
家だとつい飲み過ぎちゃうし。
話は戻って「恋」ねぇ…
そりゃ、私もう26歳だし
いろいろと考えなきゃいけない年だとは思うよ?
しかも、彼氏もいない仕事しかない寂しい女ですよ。
でも、恋をしろって言われても、恋をしたいような人もいない。
あの日以来…好きな人がいない
私の初恋。
中学のときに好きだった人
結局告白もしないで終わった恋。
すっごく好きだったけど
何もできなかった。
今の私からは想像もつかない乙女だったな…
甘い、甘いミルクティーみたいな恋だった。
あぁ、あんな恋
もうできないのかな。
「あんたさぁ、まだ真崎のこと忘れられないわけ?」
「え!な、何を言うのかな?ゆりちゃん!」
「いきなりチャン付けするな!気持ち悪い」
鋭い、鋭いぜゆり!
さすが付き合いが長いだけあって、わかってらっしゃる。
「真崎がいい男だったことは認めるよ?だけどね?もう11年も前なんだよ?いい加減真崎だって彼女くらいいて、へたしたらもう結婚してるかもよ?」
それは、そうかもしれない。
真崎くんだっていい年なんだし、彼女くらいいるだろうし、結婚もして子供がいるかもしれない
だけど、今のところ私が一番好きになったのは真崎くんしかいなくて
それ以上の人がいない。
見つけることもしなかったからだけど
あの人以上の人はいない。
「思い出って、美化されるからね」
「それは、そうかもしれないけど」
「あ、でも、真崎もあんたを美化してるかもしれないよね。あんた顔はかわいかったからさ」
「それって、今はかわいくないみたいなかんじじゃんか!」
「そうは言ってないでしょ!今だってきれいだよ?外に出るときは、でも、今のあんたの格好はどうなの?あ、家の中ってことよ?」
私の格好…
言われて、普段の自分の姿を思い出す。
最悪だ!
長く伸びた髪は、一本にまとめてるだけ、しかも手グシだからぼさぼさ
高校時代から愛用しているスウェット上下、しかもちょっとしみつき
めがねをかけて、背中はちょっと猫背気味
ひ…ひどいかも、女子力?何それおいしいの?
こんな女、私が男だったら絶対に嫌だ!
「そんな、あんたに朗報!」
「なにが?どうせ私はやさぐれOLですよ…ビール片手にするめをかじるのがお似合いなおろか者ですよ…」
「うざったいなぁ。いいから人の話は聞け!…なんと、中学校のときの同窓会を開きます!行こう!ってか来い!」
「強制!?っていつ?…え?平日じゃん!無理無理、仕事忙しいし!」
気分転換に同窓会に行くのもいいけどさ。
平日でしょ?仕事忙しいもん。
ここ最近、定時に仕事終わることないし、無理だよ!
でも、そんな気持ちがゆりに通じるわけもなく。
「私が来いって言ってるんだから大人しく来い!ね?」
襟をつかまれて上に持ち上げられる。
そういやこの子中学の頃ヤンチャだった。
自然に首がしまってものすごく苦しい、逆らえない、殺されるぅ!!
「行かせていただきます…」
「よろしい」
半ば強制的に参加することになった同窓会。
はあ、忙しいのに
面倒だな。
私、中島はるか
現在26歳
20時14分
留守番電話にてフラれる
今日は忙しかった。ううん、今日だけじゃない。
昨日もその前も、仕事を始めたその日からずっと忙しい。
土、日、祝日の休みはちゃんとあるけど
仕事でつぶれた日も多い。
うん、だから
彼を放っておいたっていう事実はあるし
それは、悪いと思っている。
だけどね?
それでもいいよ、仕事をしているはるかが好きだよって言ってくれたのは…
「どこのどいつだ!コノヤロー!!」
「ええい!窓から叫ぶな恥ずかしい奴!」
フラれたっていう悔しさ(?)とはちょっとちがうけど
なんだか飲まないとやってられなくて
中学時代からの友達である三井ゆりを巻き込んで
自宅で買い込んだビールを浴びるように飲んでいた。
けど、それだけじゃ気分が収まらなくて
窓を全開にして叫んでみる。
中学時代からの親友である「ゆり」はやめろって言うけどさ
大声出すのってストレス発散にすっごくいいんだから!
そこは分かってよ。
「そんなことばっかりしてるからフラれるんだと思うんだけど」
「だって、仕事が忙しくてもいいって言ったのはあっちのほうだもん」
取引先で知り合った前の彼氏。
顔もなかなかで優しくて
まあ、仕事での一つの楽しみだったわけよ、彼に会いに行くのは
私はそれだけだった。
だけど、5回目にその会社を訪ねた帰りに
「食事でもどうですか?」って誘われて
まあ、食事だけならってOKして
話も合うし、一緒にいて楽しかったし
私も仕事で疲れていたし
いい一日だったわけよ。
で、その日に
「付き合って欲しい」って言われた。
私はね、最初に言っておいたんだよ?
仕事忙しくて、あんまり連絡取れないかもしれないし
会うことも難しいかもしれないって。
だけど
それでもいいよって言うから。
私もフリーだったし
この人と一緒にいて楽しかったし!
それなのに
何が耐えられないだよ!ふざけんな!!
こうなることは覚悟しておけっていうんだよ!
「あのさぁ、はるか」
「なによ?」
「あんた、なんでそんなにやさぐれてるの?フラれたから?」
「うーん…フラれたってことがショックじゃなくて、耐えられないって言われたのがショックだったというか…なんだか自分を否定されたみたいで悲しいというか…」
「はあ、これだもん」
ゆりは大きなため息をついて
やれやれって、ちょっとオーバー気味に手を挙げた。
なに?なんなのよ。
ゆりがこんなジェスチャーをするときは
絶対変なことを言われるとき。
長年の付き合いで分かっている
ヤバい、逃げたい。
「いいか、よく聞け!この恋愛下手が!」
「はい!?」
やれやれのポーズから一転
私の前に仁王立ちをする。
それから人差し指を思いっきり私の前にさして
仁王のごとく私をにらみつける。
はい、正直怖いです。
中学からの付き合いだからこの先の展開は嫌と言うほど分かっている。
これでもかと言うほどの毒舌を私はこれから浴びることになるんだ。
あぁ、やっぱり一人で飲めばよかった…
「あんたさ、相手が悪いってばっかりいうけど、悪いのは全部あんた!ええ、そう全部あんた!仕事が忙しくてもいいって言ったのは本当かもしれない。だけどね、本当に連絡一切しない!電話にもでない!メールもしない!絶えられなくて当たり前!あんたが悪い!」
そんな早口言葉で捲くし立てないでよ、怖いよ。
仕事でヘロヘロになって
しかもフラれて、それも留守電で
その上、友達にもこんなに怒られて
疲れたし、何よりもつらい!
「留守電でフラれるのだって、あんたが忙しくて会えないからでしょ!」
追い討ちやめて!その通りだけど!
いいや、今日はもう寝よう。
明日も仕事だし、寝れば全てを忘れるかもしれないし。
「今日、泊まって行くからね!女の子の夜道一人歩きは危険だし」
「何が女の子?26歳にもなって」
「うるさい!」
ゆりが薙げたクッションが私の顔面に直撃する。
さらなる追い打ちをかけないでよ!バカぁ!
あぁでも…憂さ晴らしにはなった気がするから
ゆりがいてくれてよかったかも。
ごめんね、さっきは一人で飲めばよかったなんて思って。
頭、痛い…
飲みすぎた。
バカだ、いつもこうなんだ。
フラれるたびに自棄酒して、二日酔い。
でもまだ救いがあるよね、今日は外回りないし。
「中島さんおはようございます!あれ?なんか顔色悪いですよ?大丈夫ですか?」
「……!!」
後ろから多きな声で叫ぶな!話しかけるな!響く!!
振り返ると、今年入ったばかりの新人である酒井くんが心配そうな顔で私を見ている。
元気はあるんだけど、仕事はいまいち
まあ、やる気のない顔ばっかりいじってる新人よりはいいんだけど。
でも仕事を覚えるのが遅くて要領も悪いから
なんだか面倒なんだよね。
正直、彼にやってもらうよりも自分でやったほうが早いし。
でもそれじゃあダメなことも知ってる。
なんだかうまく行かないことばかりで嫌になっちゃう。」
「おはよう、大丈夫。それより、今日締め切りのアレできてるの?」
「あぁっ!まだです!今すぐ作ります!」
ほら、これだもん
今日も彼は残業かな?あ、でも締め切り今日だから残業までもって行かれたら困るけど。
でも、心配してくれた人に
あの返し方はよくないよね。
嫌だな、自分でも分かってる
こんなんだからフラれるってことは重々承知している。
だけど、やめられないんだなぁ。
「分かってるなら、さっさと仕事人間なんかやめて!恋に生きればいいじゃない!」
「恋ねぇ…できるもんならしてみたいもんじゃよ」
「じゃよって、あんた」
今日もゆりとお酒を飲んでいる。
場所はちがうけど
家だとつい飲み過ぎちゃうし。
話は戻って「恋」ねぇ…
そりゃ、私もう26歳だし
いろいろと考えなきゃいけない年だとは思うよ?
しかも、彼氏もいない仕事しかない寂しい女ですよ。
でも、恋をしろって言われても、恋をしたいような人もいない。
あの日以来…好きな人がいない
私の初恋。
中学のときに好きだった人
結局告白もしないで終わった恋。
すっごく好きだったけど
何もできなかった。
今の私からは想像もつかない乙女だったな…
甘い、甘いミルクティーみたいな恋だった。
あぁ、あんな恋
もうできないのかな。
「あんたさぁ、まだ真崎のこと忘れられないわけ?」
「え!な、何を言うのかな?ゆりちゃん!」
「いきなりチャン付けするな!気持ち悪い」
鋭い、鋭いぜゆり!
さすが付き合いが長いだけあって、わかってらっしゃる。
「真崎がいい男だったことは認めるよ?だけどね?もう11年も前なんだよ?いい加減真崎だって彼女くらいいて、へたしたらもう結婚してるかもよ?」
それは、そうかもしれない。
真崎くんだっていい年なんだし、彼女くらいいるだろうし、結婚もして子供がいるかもしれない
だけど、今のところ私が一番好きになったのは真崎くんしかいなくて
それ以上の人がいない。
見つけることもしなかったからだけど
あの人以上の人はいない。
「思い出って、美化されるからね」
「それは、そうかもしれないけど」
「あ、でも、真崎もあんたを美化してるかもしれないよね。あんた顔はかわいかったからさ」
「それって、今はかわいくないみたいなかんじじゃんか!」
「そうは言ってないでしょ!今だってきれいだよ?外に出るときは、でも、今のあんたの格好はどうなの?あ、家の中ってことよ?」
私の格好…
言われて、普段の自分の姿を思い出す。
最悪だ!
長く伸びた髪は、一本にまとめてるだけ、しかも手グシだからぼさぼさ
高校時代から愛用しているスウェット上下、しかもちょっとしみつき
めがねをかけて、背中はちょっと猫背気味
ひ…ひどいかも、女子力?何それおいしいの?
こんな女、私が男だったら絶対に嫌だ!
「そんな、あんたに朗報!」
「なにが?どうせ私はやさぐれOLですよ…ビール片手にするめをかじるのがお似合いなおろか者ですよ…」
「うざったいなぁ。いいから人の話は聞け!…なんと、中学校のときの同窓会を開きます!行こう!ってか来い!」
「強制!?っていつ?…え?平日じゃん!無理無理、仕事忙しいし!」
気分転換に同窓会に行くのもいいけどさ。
平日でしょ?仕事忙しいもん。
ここ最近、定時に仕事終わることないし、無理だよ!
でも、そんな気持ちがゆりに通じるわけもなく。
「私が来いって言ってるんだから大人しく来い!ね?」
襟をつかまれて上に持ち上げられる。
そういやこの子中学の頃ヤンチャだった。
自然に首がしまってものすごく苦しい、逆らえない、殺されるぅ!!
「行かせていただきます…」
「よろしい」
半ば強制的に参加することになった同窓会。
はあ、忙しいのに
面倒だな。
0
お気に入りに追加
7
あなたにおすすめの小説
先生!放課後の隣の教室から女子の喘ぎ声が聴こえました…
ヘロディア
恋愛
居残りを余儀なくされた高校生の主人公。
しかし、隣の部屋からかすかに女子の喘ぎ声が聴こえてくるのであった。
気になって覗いてみた主人公は、衝撃的な光景を目の当たりにする…
お嬢様、お仕置の時間です。
moa
恋愛
私は御門 凛(みかど りん)、御門財閥の長女として産まれた。
両親は跡継ぎの息子が欲しかったようで女として産まれた私のことをよく思っていなかった。
私の世話は執事とメイド達がしてくれていた。
私が2歳になったとき、弟の御門 新(みかど あらた)が産まれた。
両親は念願の息子が産まれたことで私を執事とメイド達に渡し、新を連れて家を出ていってしまった。
新しい屋敷を建ててそこで暮らしているそうだが、必要な費用を送ってくれている以外は何も教えてくれてくれなかった。
私が小さい頃から執事としてずっと一緒にいる氷川 海(ひかわ かい)が身の回りの世話や勉強など色々してくれていた。
海は普段は優しくなんでもこなしてしまう完璧な執事。
しかし厳しいときは厳しくて怒らせるとすごく怖い。
海は執事としてずっと一緒にいると思っていたのにある日、私の中で何か特別な感情がある事に気付く。
しかし、愛を知らずに育ってきた私が愛と知るのは、まだ先の話。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる