異世界貴族は家柄と共に! 〜悪役貴族に転生したので、成り上がり共を潰します〜

スクールH

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留学編 3.5章

第188話 主人公④ (リリス視点)

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アレックスくんが誰と付き合っても私は文句を言えない。

それは本人が決めたことであり、口を出す権利はない。

でも、何故か心が苦しい。

その隣にいる存在を恨んでしまう。


アレックスくんとマリーが付き合い始めたという噂は直ぐに広まった。

何故?どうして?

そんな言葉が生徒間で話された。

でも、納得する人たちもいた。

マリーの実力に惹かれたに違いない、と。

しかも、マリーには私と違って華もある。

明るく、気品があり、どこか男心をくすぐる部分がある。

一方、私はそこまで明るくなく、気品もない。

恋愛には疎く、昔、自由奔放すぎる、と師匠に言われたこともある。

そう。私は自己肯定感が低く、誰かと恋をしたり、馴れ合ったりできない、いやするべきではない人間なんだと思ってきた。

でも、この学園では全てが許された。

他とは異なる私、身分の低い私、嘘つきの私だけど、

最初に、そんな私を肯定してくれたのがアレックスくんだった。

皇子という立場にありながら私と友達になってくれた。

一緒にご飯を食べ、一緒に帰り、一緒に鍛え合った。

最近は彼の立場もあり距離を置かれているが、私の事を気にはかけてくれている。

だから・・・マリーとの関係に私は憤ってしまった。

もちろん、二人の関係に口出しするのは傲慢だし、自分勝手だし、押し付けがましいことは承知している。

それでも、自分が嫌いな人とアレックスくんが一緒にいるのは許せないし、なんだか裏切られた気分になる。

私はこれからどう接していけばいいんだろう・・・

何を話せばいいんだろう・・・

あの時、アレックスくんの表情を見てその場から去ってしまった。

逃げてしまった。

どうすれば・・・・


そんな悩みを抱え込んでいたある日のこと。

いつものようにアレックスくんと距離を取るように席についた時。

「リリス、ちょっといいか?」

ハンネスくんとフレッドくんが遠慮気味に近づいてきた。

「・・・何?」

思ったよりも冷たい声が出てしまった。

もう少し優しく言えばよかったと後悔する。

「ちょっと来てくれ!」

そう手招きをされた。

無視してもよかったけれど、何か重要なことだと思い二人に付いて行った。

そして人気のないところに連れてこられた途端、二人は急に私に頭を下げた。

「「どうか殿下を嫌わないでください!」」

ん?

深々と頭を下げる。

「・・・どういうこと?」

本気で分からない。

何で二人が私に頭を下げているのか。

「殿下は君が苦しむようなことは本意ではない」
「じゃあ、何でマリーアと付き合っているの?マリーは、私を苦しめた元妹なのに」
「それは・・・・脅されているからだ」

脅されている?

「ボクも殿下もフレッドも。君と話をしているのがバレたら終わりなんだ」

何の理由で?そんな隠すことでも三人にはあるのか?

「これは話していいのか・・フレッドはどう思う?」
「情けねえ話だよ。でも、殿下を救えるのはリリスぐらいだ」

私が殿下を救える?どういうこと?

「実は・・・殿下は君が精霊術士ということを知っている。そしてボクたちも」

ドキッとした。

でも、よく考えればそれは納得がいくものだった。

なぜなら、王族が精霊術士という存在を知っていても不思議じゃないし、私が魔法を使っていないことも知られている。

それらを繋ぎ合わせれば、私という存在を導き出せる。

ルイくんみたいに。

「つまり、マリーが私の正体をバラすとでも脅したの?」

二人はコクリと頷く。

私が精霊術士だと知られれば迫害されるのは明らかだ。

魔法は使えないが異端の術を使う人間として。

「何で三人は私を庇ってくれるの?」

つまり、アレックスくんは私のために嫌々マリーと付き合っているということ?

私のせいで?

「ボクはただ友人を守ろうとしているだけです」
「おれもそうだ」
「殿下は?」

二人が顔を見合わせて答える。

「「本人に聞けばいいよ」」

・・・・私はどうすればいいのだろうか?


―――

間章終
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感想 13

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みんなの感想(13件)

いわ
2024.05.31 いわ

レーナが何故そんな顔をしたのか、、
次回?が楽しみです🥹🤍
新しく奴隷も購入するのかも気になりますね。

解除
いわ
2024.04.30 いわ

『最後の行事』ってなんでだー!!笑
気になって仕方がないです🥹
待ち遠しい、、!

2024.05.01 スクールH

ぜひ、楽しみにしてほしいです!

解除
いわ
2024.04.29 いわ

4話連続嬉しいです🥹

2024.04.30 スクールH

ありがとうございます😊

解除

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