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学園編 3章
第99話 発見
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次の日。
僕らは村長に案内され森を抜けていく。
道を案内しながら村長は話し出す。
「この森も昔はこんなに生い茂ってはいなかったそうじゃ。伝承の戦い以降、何故か木々が何かを覆い隠すように生えてきたと伝わっている」
ふ~ん、そんなことがあるんだな。
僕は興味もなく話を聞く。
「つまり前まではここは平原だったのですか?」
アルスが熱心に質問する。
その問いに村長は首を振った。
「いいや、どうもそうではないらしい。元々は小さな森、始まりの森があったらしい。そこで戦いが行われたそうじゃ。まあ、古い話ゆえ確かめようはないがな」
どんな伝承もそうであろう。
僕は周囲を見渡す。
木々はひしめき合うように生え伸び、まるでジャングルのようだ。
木の根っこは地面にまで顔を出してお互いが絡み合う。
今は日中のためギリギリ足元が見えるぐらいの明るさはある。
だが、ここを夜歩くことはおそらく無理だろう。
「ちなみに村長、この道以外には行けないんですか?」
オールドが質問する。
「いや、無理じゃ。罠がそこら中に仕掛けてあり、何より木の魔物、トレントがそこら中におる」
「この道を通れば大丈夫だと」
「ああ、何故かな。それ故、これから行く伝承の地には何かがあるとされている」
冒険心がくすぐられるのだろう、オールドは嬉々とした表情を浮かべる。
「もう一つ、質問してもよろしいでしょうか?」
今度はレーナが手を挙げる。
「何じゃ?」
「精霊についてどうお考えですか?」
凄いぶっこんだ質問をするな。
「そうじゃな、ここだけの話、わしは精霊は存在すると思うとる」
村長は声を殺しながら言う。
「何よりわしの曽祖父が見たそうなんだ」
「ほ、本当ですか!!!」
レーナが食いつく。
何だ、こいつ、僕よりも熱心ではないか。
「小さい頃、無断でこの森に入ったが迷ってしまった。そんな時に突如七色の光が寄って来たそうだ。そして曽祖父の周りを旋回したかと思うとどこかへ飛んでいったのだ。もしかしたらと思ってついていったら村へ帰れた。そう、曽祖父が話していた」
そんな話、何処にでもありそうな老人の迷信話だ。
僕は冷めた様子で聞いていたが、レーナもアルスも興味津々だ。
そんな真逆の反応を見せる彼らを見て、オールドは苦笑いを浮かべるのだった。
色々と話をしているうちに、急に登り坂になった。
「そろそろ、はぁ、着くぞ、はぁ」
息を荒くさせる村長。
見かねたオールドが村長におんぶを促し、そのまま登る。
最後に階段のようなモノを登った所で、急に視界が開けた場所に出た。
その真ん中には、ぽつんと一個の建石がある。
その場所は決して大きく開けている訳ではなく、縦横大体十メートルほど。
周囲を高い木々に囲まれているため、ここが小さな丘になっているとは、遠目では分からない。
でも、本当に何も無い。
「あまり面白い場所でもない。わしも昔は伝承の地として語られるなら凄い場所に違いないと思っておった。だが、いざ来てみたら意外にも何も無い場所だった。子供心に、わしは結構ショックだったのを覚えておるぞ」
村長が何やら一人語りをしているが、無視だ無視。
それよりも僕は周囲を歩いてみる。が、これといった変化もない。
「う~~~ん何なんだろう。何かある気が・・・!!!まさか」
僕は一つの可能性に気づき、試しに魔法を発動してみる。
が、やはり思っていた通り全く発動しない。
「レーナ、ここ、魔法が発動しないぞ!」
「え!・・・本当ですね!」
僅かに周囲の魔力に違和感を感じる。
僕はある事を思い出して、建石に近寄って行く。
「ルイ兄様、何をされるのですか?」
僕は小説のとある一文を思い出す。
『リリスはそれを引っこ抜き、穴へと手を入れた』
「村長、ここで狼藉を働いた貴族って、どうなった?」
「さあな、その後、忽然と姿を眩ませたのじゃ」
恐らく違う。何者かに殺された。
僕は建石に手を掛けると勢いよく引っこ抜いた。
「な、何をするんじゃ!!!」
村長が慌てたように声を上げる。
思った以上に簡単に抜けた建石を傍にどけ、今度はできた穴へと手を突っ込む。
「おお、これか」
手に何やらレバーのようなモノの感触が伝わる。
それを引くと、轟音を立てて地面が動き出す。
しばらくすると、来た道の反対側に突如として小さな部屋が現れた。
やはりな。
ここがリリスの最終敵。
物語のボスがいる場所だ。
僕らは村長に案内され森を抜けていく。
道を案内しながら村長は話し出す。
「この森も昔はこんなに生い茂ってはいなかったそうじゃ。伝承の戦い以降、何故か木々が何かを覆い隠すように生えてきたと伝わっている」
ふ~ん、そんなことがあるんだな。
僕は興味もなく話を聞く。
「つまり前まではここは平原だったのですか?」
アルスが熱心に質問する。
その問いに村長は首を振った。
「いいや、どうもそうではないらしい。元々は小さな森、始まりの森があったらしい。そこで戦いが行われたそうじゃ。まあ、古い話ゆえ確かめようはないがな」
どんな伝承もそうであろう。
僕は周囲を見渡す。
木々はひしめき合うように生え伸び、まるでジャングルのようだ。
木の根っこは地面にまで顔を出してお互いが絡み合う。
今は日中のためギリギリ足元が見えるぐらいの明るさはある。
だが、ここを夜歩くことはおそらく無理だろう。
「ちなみに村長、この道以外には行けないんですか?」
オールドが質問する。
「いや、無理じゃ。罠がそこら中に仕掛けてあり、何より木の魔物、トレントがそこら中におる」
「この道を通れば大丈夫だと」
「ああ、何故かな。それ故、これから行く伝承の地には何かがあるとされている」
冒険心がくすぐられるのだろう、オールドは嬉々とした表情を浮かべる。
「もう一つ、質問してもよろしいでしょうか?」
今度はレーナが手を挙げる。
「何じゃ?」
「精霊についてどうお考えですか?」
凄いぶっこんだ質問をするな。
「そうじゃな、ここだけの話、わしは精霊は存在すると思うとる」
村長は声を殺しながら言う。
「何よりわしの曽祖父が見たそうなんだ」
「ほ、本当ですか!!!」
レーナが食いつく。
何だ、こいつ、僕よりも熱心ではないか。
「小さい頃、無断でこの森に入ったが迷ってしまった。そんな時に突如七色の光が寄って来たそうだ。そして曽祖父の周りを旋回したかと思うとどこかへ飛んでいったのだ。もしかしたらと思ってついていったら村へ帰れた。そう、曽祖父が話していた」
そんな話、何処にでもありそうな老人の迷信話だ。
僕は冷めた様子で聞いていたが、レーナもアルスも興味津々だ。
そんな真逆の反応を見せる彼らを見て、オールドは苦笑いを浮かべるのだった。
色々と話をしているうちに、急に登り坂になった。
「そろそろ、はぁ、着くぞ、はぁ」
息を荒くさせる村長。
見かねたオールドが村長におんぶを促し、そのまま登る。
最後に階段のようなモノを登った所で、急に視界が開けた場所に出た。
その真ん中には、ぽつんと一個の建石がある。
その場所は決して大きく開けている訳ではなく、縦横大体十メートルほど。
周囲を高い木々に囲まれているため、ここが小さな丘になっているとは、遠目では分からない。
でも、本当に何も無い。
「あまり面白い場所でもない。わしも昔は伝承の地として語られるなら凄い場所に違いないと思っておった。だが、いざ来てみたら意外にも何も無い場所だった。子供心に、わしは結構ショックだったのを覚えておるぞ」
村長が何やら一人語りをしているが、無視だ無視。
それよりも僕は周囲を歩いてみる。が、これといった変化もない。
「う~~~ん何なんだろう。何かある気が・・・!!!まさか」
僕は一つの可能性に気づき、試しに魔法を発動してみる。
が、やはり思っていた通り全く発動しない。
「レーナ、ここ、魔法が発動しないぞ!」
「え!・・・本当ですね!」
僅かに周囲の魔力に違和感を感じる。
僕はある事を思い出して、建石に近寄って行く。
「ルイ兄様、何をされるのですか?」
僕は小説のとある一文を思い出す。
『リリスはそれを引っこ抜き、穴へと手を入れた』
「村長、ここで狼藉を働いた貴族って、どうなった?」
「さあな、その後、忽然と姿を眩ませたのじゃ」
恐らく違う。何者かに殺された。
僕は建石に手を掛けると勢いよく引っこ抜いた。
「な、何をするんじゃ!!!」
村長が慌てたように声を上げる。
思った以上に簡単に抜けた建石を傍にどけ、今度はできた穴へと手を突っ込む。
「おお、これか」
手に何やらレバーのようなモノの感触が伝わる。
それを引くと、轟音を立てて地面が動き出す。
しばらくすると、来た道の反対側に突如として小さな部屋が現れた。
やはりな。
ここがリリスの最終敵。
物語のボスがいる場所だ。
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