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学園編 3章
第93話 帝都で買い物
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ダンジョンでの特別授業では色々とありながらも無事に終わった。
それからも三回ほど行われ、スムーズに六階まで行けるようになった。
あれからゴーレムなどの強い魔物には出くわさず、僕にとっては退屈な日々が過ぎていた。
そして、今日一学期が終わった。
前世と同じ三学期制で、明日からは一ヶ月半の夏休み。
大抵の生徒は帰郷することになり、無論僕らも帰ることになる。
だが、帰ると言ってもそのまま帰る訳にもいかない。
何せ妹のアンナへのお土産がまだだからな!
そこで僕らは終業式後、買い物へ行くことになった。
「んで、何で私も付いて行かなきゃいけないのよ!」
後ろを歩くナータリが叫ぶ。
僕は後ろを振り返り、的確なことを言う。
「だってお前、家に帰りづらいのだろ?」
「うぐっ!」
図星を突かれて顔を顰めた。
「何だったら家に来てもいいのだぞ」
「な、何を言っているの!貴方、それどういう意味か分かって言っているの?」
「?どういう意味も何も、家に居づらいなら家に来ていいという、そのままの意味だが?」
理由が分からず首を傾げる。
すると、アルスとレーナがやれやれと言った感じで首を振る。
「・・・貴方はそういう人だったわね。でも、お断りするわ」
「何でだ?」
「当たり前でしょ!貴方の家に行ったらそれこそ家に帰りづらくなるわよ」
チッ、分かっているか。
「まあ、いいや。とりあえず今日は僕の妹のお土産選びにとことん付き合ってもらうから」
「はぁ~~~、何でこうなったの・・・」
自業自得だ。
僕らが歩いているのは学園から程近い高級商店街。
宝石店や洋服店はもちろんのこと、異国の珍しいものまで何でも取り揃えられている。
「さて、女の子には何がいいんだ?」
僕は女子二人に聞く。
「アンナ様は生き物がお好きなので、無難にぬいぐるみなどはいかがでしょうか?」
「どんな子か知らないけど、貴族の子は普通はアクセサリーや洋服が欲しいわよね」
近くで見てきたレーナと貴族の令嬢としてのナータリの意見は違う。
と言うより、レーナって完全に自分が数年前まで伯爵令嬢だったこと忘れていない?
まあ、僕としては都合が良いけど。
「アクセサリーか・・・う~ん」
「宝石系は止めておいた方がいいと思います」
ここでアルスが口を挟む。
「どうしてだ?」
「アンナは宝石が嫌いではありませんが、ここらで売っているような高いものを好まないと思います。それよりも、洋服やぬいぐるみの方が良いかと」
「・・・何故言い切れる?」
「アンナとはよく遊んでおりましたので」
こいつ、僕の目を盗んで!!!
「それじゃあ、行きましょうか」
僕の怒りを知らず・・・いや分かっていながら、レーナは急かすように言う。
僕も渋々歩き始めた。
最初に入った洋服店では、女性陣が選ぶことになった。
帝都でしか買えないものを選んで、三着ほど購入した。
もちろん、一括払いで。
次はぬいぐるみを買うために玩具店へ。
ぬいぐるみはアルスが選ぶことになった。
数体選んで、一括払いをした。
「ふぅ~~~、疲れた!」
「貴方何もしていないでしょ!」
休むために入ったカフェの席で伸びをする僕にツッコミを入れるナータリ。
「私とレーナ、アルスが選んで荷物も私達が持つ。貴方、ただ歩いていただけでしょ!」
何を言う?それは当たり前のことではないか?
「まあまあ、お二人とも、頼むものを選んでください」
アルスが割って入る。
「貴方は不満が無いの?」
「・・・さあどうでしょう?」
「おい!アルス!」
こいつ、まさか謀反でも―
「とりあえず選んでください、三人とも」
一番の年長者であるレーナがピシャリと言う。
渋々メニューを見た。
そこには見覚えのあるメニューがいくつかあった。
「バターとはちみつのパンケーキ、ショートケーキ、カステラ」
「これらは全て、南方のドルト王国で最近流行りのスイーツなのですよ」
突然店員が寄ってきて説明をしだす。
俺たち金づるだと思われたのか?
「ドルト王国で?」
「はい。とある貴族様が創作されたらしく。今では、ドルト王国で食べたことのない人はいない、と言われるぐらいです」
「なるほど・・・・頼んでみるか」
「!ありがとうございます!」
そう店員は言うと、すぐさま厨房へと消えていった。
十数分後、できたてホヤホヤなホットケーキと生クリームたっぷりのショートケーキ、一口サイズのカステラが出てきた。
味は前世に比べて劣りはするものの、どれも美味しかった。
久しぶりに、前世が恋しくなった。
それからも三回ほど行われ、スムーズに六階まで行けるようになった。
あれからゴーレムなどの強い魔物には出くわさず、僕にとっては退屈な日々が過ぎていた。
そして、今日一学期が終わった。
前世と同じ三学期制で、明日からは一ヶ月半の夏休み。
大抵の生徒は帰郷することになり、無論僕らも帰ることになる。
だが、帰ると言ってもそのまま帰る訳にもいかない。
何せ妹のアンナへのお土産がまだだからな!
そこで僕らは終業式後、買い物へ行くことになった。
「んで、何で私も付いて行かなきゃいけないのよ!」
後ろを歩くナータリが叫ぶ。
僕は後ろを振り返り、的確なことを言う。
「だってお前、家に帰りづらいのだろ?」
「うぐっ!」
図星を突かれて顔を顰めた。
「何だったら家に来てもいいのだぞ」
「な、何を言っているの!貴方、それどういう意味か分かって言っているの?」
「?どういう意味も何も、家に居づらいなら家に来ていいという、そのままの意味だが?」
理由が分からず首を傾げる。
すると、アルスとレーナがやれやれと言った感じで首を振る。
「・・・貴方はそういう人だったわね。でも、お断りするわ」
「何でだ?」
「当たり前でしょ!貴方の家に行ったらそれこそ家に帰りづらくなるわよ」
チッ、分かっているか。
「まあ、いいや。とりあえず今日は僕の妹のお土産選びにとことん付き合ってもらうから」
「はぁ~~~、何でこうなったの・・・」
自業自得だ。
僕らが歩いているのは学園から程近い高級商店街。
宝石店や洋服店はもちろんのこと、異国の珍しいものまで何でも取り揃えられている。
「さて、女の子には何がいいんだ?」
僕は女子二人に聞く。
「アンナ様は生き物がお好きなので、無難にぬいぐるみなどはいかがでしょうか?」
「どんな子か知らないけど、貴族の子は普通はアクセサリーや洋服が欲しいわよね」
近くで見てきたレーナと貴族の令嬢としてのナータリの意見は違う。
と言うより、レーナって完全に自分が数年前まで伯爵令嬢だったこと忘れていない?
まあ、僕としては都合が良いけど。
「アクセサリーか・・・う~ん」
「宝石系は止めておいた方がいいと思います」
ここでアルスが口を挟む。
「どうしてだ?」
「アンナは宝石が嫌いではありませんが、ここらで売っているような高いものを好まないと思います。それよりも、洋服やぬいぐるみの方が良いかと」
「・・・何故言い切れる?」
「アンナとはよく遊んでおりましたので」
こいつ、僕の目を盗んで!!!
「それじゃあ、行きましょうか」
僕の怒りを知らず・・・いや分かっていながら、レーナは急かすように言う。
僕も渋々歩き始めた。
最初に入った洋服店では、女性陣が選ぶことになった。
帝都でしか買えないものを選んで、三着ほど購入した。
もちろん、一括払いで。
次はぬいぐるみを買うために玩具店へ。
ぬいぐるみはアルスが選ぶことになった。
数体選んで、一括払いをした。
「ふぅ~~~、疲れた!」
「貴方何もしていないでしょ!」
休むために入ったカフェの席で伸びをする僕にツッコミを入れるナータリ。
「私とレーナ、アルスが選んで荷物も私達が持つ。貴方、ただ歩いていただけでしょ!」
何を言う?それは当たり前のことではないか?
「まあまあ、お二人とも、頼むものを選んでください」
アルスが割って入る。
「貴方は不満が無いの?」
「・・・さあどうでしょう?」
「おい!アルス!」
こいつ、まさか謀反でも―
「とりあえず選んでください、三人とも」
一番の年長者であるレーナがピシャリと言う。
渋々メニューを見た。
そこには見覚えのあるメニューがいくつかあった。
「バターとはちみつのパンケーキ、ショートケーキ、カステラ」
「これらは全て、南方のドルト王国で最近流行りのスイーツなのですよ」
突然店員が寄ってきて説明をしだす。
俺たち金づるだと思われたのか?
「ドルト王国で?」
「はい。とある貴族様が創作されたらしく。今では、ドルト王国で食べたことのない人はいない、と言われるぐらいです」
「なるほど・・・・頼んでみるか」
「!ありがとうございます!」
そう店員は言うと、すぐさま厨房へと消えていった。
十数分後、できたてホヤホヤなホットケーキと生クリームたっぷりのショートケーキ、一口サイズのカステラが出てきた。
味は前世に比べて劣りはするものの、どれも美味しかった。
久しぶりに、前世が恋しくなった。
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