83 / 188
学園編 2章
第83話 新たな・・・
しおりを挟むさて、さらに色々とありながらも入学して二ヶ月半も経った。
入学の次の日から色々と注目され、一ヶ月後には第二皇子派から誘いを受け、二日後には第一皇子派の奴からも誘いを受け、それを断り。
逆にブルボン派と呼ばれるものを拡大してきた今日この頃。
ブルボン派は言わば中立貴族、特に地方の大貴族達の子息を中心に構成されている。
もちろんトップはこの僕!
着々と僕の預かり知らぬ所で、どうやらアルスとレーナ、ナータリが動いているらしい。
特にナータリの行動は凄まじく、ブルボン派の中でもナータリに誘われた人たちのナータリ派が勢いをましている。
本人に問いただすと、彼女自身は自分の保身のため必死にやっているらしい。
自分の行動で実家に迷惑をかけたことで肩身が狭く、挽回するためにどうにかして僕の派閥を大きくして何かの貢献になれば良いとしか考えていないらしい。
まあ、ナータリ派も大きな動きは無いし、ナータリのお陰で少しは派閥も大きくなった。
だから、評価は少し改めるか。
とりあえず、今の段階においてブルボン派は第一第二皇子派が無視できるような存在じゃなくなりつつある。
たまに勧誘の手紙を受け取るが、全て無視をしている。
ではブルボン派とはどういうものか?実際は僕も知らない。
どうやらブルボン派というのは通称で、普通は中立派と呼ばれているらしい。
ここ最近で次期皇帝争いが激化する中で中立を表明しているのはとても危険。
脅されたりして無理やり派閥に入れられる。
だから今まで中立派というものはできなかったらしい。
そこで、アルスたちは僕とブルボン家の名のもとにそういう人たちを庇護者として勧誘をしていったらしい。
皇室でも手を出しにくいブルボン公爵家、その他大貴族の子息が加わりより安全になった。
その安全地帯を求めて争いに巻き込まれたくない貴族たちがくる。
だから今勢いがある。
と言っても、派閥を管理しているのはアルスとレーナ、ナータリの三人。
なんなら、僕は最近までそんな派閥があるのを知らなかった。
そのことをアルスに問い詰めたら、ひらりと誤魔化された。
「ルイ兄様は堂々としてればいいのです!」
そう言われたが・・・腑に落ちん。
もしかすると裏切られるのか?いや、無いな。
あのアルスの目は完全に、自分に任せればうまく行く!と言っている気がした。
ここ最近はそれぐらいの変化だ。
リリスへの対策のことだが・・・思ってたよりも苦戦している。
やはり隠蔽されている情報のため、中々資料が出てこない。
何より腹立たしいのが、調べていることを誰にも知られないために偽造工作をしなければいけないことだ。
もし精霊術のことを調べていると知られたら色々面倒なのだ。
あくまで僕が図書室に出入りするのは世界の歴史を調べるため。
そのレポートを一ヶ月に一度出して、上手い具合に誤魔化している。
図書室を管理する司書に賄賂を渡し、借りた文献を上手く誤魔化してもらったりなどなど。
それだけやっている割に、あまり成果が無い。
リリスの初めての契約相手の精霊の名前が、クロノスだったのは思い出したがあまり文献には載っていなかったから手がかりを掴めず。
時を操るには何らかのものを繋げることが重要。
重力を操るには何らかのものを制御する必要。
それまでは分かったが、それ以上に進展がない。
何か載ってそうな文献も少なくなりつつあり、他の観点から見なければいけない。
途方もなく時間がかかる。
ああ、もうめんどくさい!!!
そんなこんなで、最近は喜ばしいことだったりストレスが溜まることだったりがある。
ちなみにリリス達だが・・・あまり大きな変化はない。
隅っこの方で四人仲良く談笑しているが、特に変わったことは起こっていない。
時たまに、リリスが貴族の女子生徒から水をかけられたり物を隠されたりといったいじめを受けているのは目撃したことがある。
もちろん無視だ。
どうせ主人公なのだから乗り越えるだろうし。
まあ、このまま潰れるのも面白いが―――いや、潰すのは僕の役目だ。
さて、後夏休みまでもう一ヶ月を切ったというある日。
いつものように運動服を着た僕らはあるところへと連れてかれる。
ちなみに今日の時間割が全て実戦となっている。
校舎から歩いて数分の本校舎。
本校舎は職員室やら研究室やらがある、大きな場所で学校の中心。
その中へと入った僕らSクラス。
更に入った後も、曲がったり降りたりして、とある広々とした部屋に連れてこられる。
その広々とした、と言っても入れるのは百人程度のその場所は本校舎の地下室。
入口を入ってすぐした所の地面に、大きな白い魔法陣が描かれていた。
ラオスとイルナ指示によりそこを踏まないように部屋へと全員が入る。
全員が入り終えた所でラオスが口を開く。
「それではこれより、特別授業を行っていく。この授業はこれからも定期的に行うが、とても危険なことであり、舐めてかかってはいけない!」
大きな、力強い声が広場にこだまする。
「何の授業か皆んな予想はできているだろう」
まあ、あれしか無いだろうな。
「では、これより特別授業、ダンジョン探索を始める!」
31
あなたにおすすめの小説
エリクサーは不老不死の薬ではありません。~完成したエリクサーのせいで追放されましたが、隣国で色々助けてたら聖人に……ただの草使いですよ~
シロ鼬
ファンタジー
エリクサー……それは生命あるものすべてを癒し、治す薬――そう、それだけだ。
主人公、リッツはスキル『草』と持ち前の知識でついにエリクサーを完成させるが、なぜか王様に偽物と判断されてしまう。
追放され行く当てもなくなったリッツは、とりあえず大好きな草を集めていると怪我をした神獣の子に出会う。
さらには倒れた少女と出会い、疫病が発生したという隣国へ向かった。
疫病? これ飲めば治りますよ?
これは自前の薬とエリクサーを使い、聖人と呼ばれてしまった男の物語。
レベル1の時から育ててきたパーティメンバーに裏切られて捨てられたが、俺はソロの方が本気出せるので問題はない
あつ犬
ファンタジー
王国最強のパーティメンバーを鍛え上げた、アサシンのアルマ・アルザラットはある日追放され、貯蓄もすべて奪われてしまう。 そんな折り、とある剣士の少女に助けを請われる。「パーティメンバーを助けてくれ」! 彼の人生が、動き出す。
詠唱? それ、気合を入れるためのおまじないですよね? ~勘違い貴族の規格外魔法譚~
Gaku
ファンタジー
「次の人生は、自由に走り回れる丈夫な体が欲しい」
病室で短い生涯を終えた僕、ガクの切実な願いは、神様のちょっとした(?)サービスで、とんでもなく盛大な形で叶えられた。
気がつけば、そこは剣と魔法が息づく異世界。貴族の三男として、念願の健康な体と、ついでに規格外の魔力を手に入れていた!
これでようやく、平和で自堕落なスローライフが送れる――はずだった。
だが、僕には一つ、致命的な欠点があった。それは、この世界の魔法に関する常識が、綺麗さっぱりゼロだったこと。
皆が必死に唱える「詠唱」を、僕は「気合を入れるためのおまじない」だと勘違い。僕の魔法理論は、いつだって「体内のエネルギーを、ぐわーっと集めて、どーん!」。
その結果、
うっかり放った火の玉で、屋敷の壁に風穴を開けてしまう。
慌てて土魔法で修復すれば、なぜか元の壁より遥かに豪華絢爛な『匠の壁』が爆誕し、屋敷の新たな観光名所に。
「友達が欲しいな」と軽い気持ちで召喚魔法を使えば、天変地異の末に伝説の魔獣フェンリル(ただし、手のひらサイズの超絶可愛い子犬)を呼び出してしまう始末。
僕はただ、健康な体でのんびり暮らしたいだけなのに!
行く先々で無自覚に「やりすぎ」てしまい、気づけば周囲からは「無詠唱の暴君」「歩く災害」など、実に不名誉なあだ名で呼ばれるようになっていた……。
そんな僕が、ついに魔法学園へ入学!
当然のように入学試験では的を“消滅”させて試験官を絶句させ、「関わってはいけないヤバい奴」として輝かしい孤立生活をスタート!
しかし、そんな規格外な僕に興味を持つ、二人の変わり者が現れた。
魔法の真理を探求する理論オタクの「レオ」と、強者との戦いを求める猪突猛進な武闘派女子の「アンナ」。
この二人との出会いが、モノクロだった僕の世界を、一気に鮮やかな色に変えていく――!
勘違いと無自覚チートで、知らず知らずのうちに世界を震撼させる!
腹筋崩壊のドタバタコメディを軸に、個性的な仲間たちとの友情、そして、世界の謎に迫る大冒険が、今、始まる!
『急所』を突いてドロップ率100%。魔物から奪ったSSRスキルと最強装備で、俺だけが規格外の冒険者になる
仙道
ファンタジー
気がつくと、俺は森の中に立っていた。目の前には実体化した女神がいて、ここがステータスやスキルの存在する異世界だと告げてくる。女神は俺に特典として【鑑定】と、魔物の『ドロップ急所』が見える眼を与えて消えた。 この世界では、魔物は倒した際に稀にアイテムやスキルを落とす。俺の眼には、魔物の体に赤い光の点が見えた。そこを攻撃して倒せば、【鑑定】で表示されたレアアイテムが確実に手に入るのだ。 俺は実験のために、森でオークに襲われているエルフの少女を見つける。オークのドロップリストには『剛力の腕輪(攻撃力+500)』があった。俺はエルフを助けるというよりも、その腕輪が欲しくてオークの急所を剣で貫く。 オークは光となって消え、俺の手には強力な腕輪が残った。 腰を抜かしていたエルフの少女、リーナは俺の圧倒的な一撃と、伝説級の装備を平然と手に入れる姿を見て、俺に同行を申し出る。 俺は効率よく強くなるために、彼女を前衛の盾役として採用した。 こうして、欲しいドロップ品を狙って魔物を狩り続ける、俺の異世界冒険が始まる。
12/23 HOT男性向け1位
悪役令息、前世の記憶により悪評が嵩んで死ぬことを悟り教会に出家しに行った結果、最強の聖騎士になり伝説になる
竜頭蛇
ファンタジー
ある日、前世の記憶を思い出したシド・カマッセイはこの世界がギャルゲー「ヒロイックキングダム」の世界であり、自分がギャルゲの悪役令息であると理解する。
評判が悪すぎて破滅する運命にあるが父親が毒親でシドの悪評を広げたり、関係を作ったものには危害を加えるので現状では何をやっても悪評に繋がるを悟り、家との関係を断って出家をすることを決意する。
身を寄せた教会で働くうちに評判が上がりすぎて、聖女や信者から崇められたり、女神から一目置かれ、やがて最強の聖騎士となり、伝説となる物語。
元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~
おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。
どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。
そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。
その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。
その結果、様々な女性に迫られることになる。
元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。
「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」
今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。
無限に進化を続けて最強に至る
お寿司食べたい
ファンタジー
突然、居眠り運転をしているトラックに轢かれて異世界に転生した春風 宝。そこで女神からもらった特典は「倒したモンスターの力を奪って無限に強くなる」だった。
※よくある転生ものです。良ければ読んでください。 不定期更新 初作 小説家になろうでも投稿してます。 文章力がないので悪しからず。優しくアドバイスしてください。
改稿したので、しばらくしたら消します
異世界へ転生した俺が最強のコピペ野郎になる件
おおりく
ファンタジー
高校生の桜木 悠人は、不慮の事故で命を落とすが、神のミスにより異世界『テラ・ルクス』で第二の生を得る。彼に与えられたスキルは、他者の能力を模倣する『コピーキャット』。
最初は最弱だった悠人だが、光・闇・炎・氷の属性と、防御・知識・物理の能力を次々とコピーし、誰も成し得なかった多重複合スキルを使いこなす究極のチートへと進化する!
しかし、その異常な強さは、悠人を巡る三人の美少女たちの激しい争奪戦を引き起こすことになる。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる