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少年編 3章
第28話 罰
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さて、アルマー侯爵家の一件はスムーズに終わった。
アルマー家は二つ位落ちの男爵となり、多額の罰金と領地替えとなった。
一方でブルボン家は不正の摘発の功により、アルマー家の持っていた領地の一部を引き継ぐ事になった。
そしてあの事件から数日後、僕は父から呼び出しを受けた。
父の書斎の前に着くと、僕はドアをノックする。
「入れ」
「失礼します」
中から許可が出たため入室する。
傍に控えていたアルスは待つように命じたが、父はアルスも入るよう言ってきた。
入った僕は父の机の前に置かれた椅子に座り前を向く。
「ルイ。何故呼ばれたか分かるか」
突然問われて首を傾げる。
はて?何かやらかしたか?
「特に思い当たる節がありませんが・・・」
そう返答すると父は深いため息を吐く。
「はぁ~。まあ、叱るわけじゃない。ただ・・・やりすぎだ、と言いたかったんだ」
やり過ぎ?僕が?
「どの点ですか?」
「自覚なしか。本当にお前は自意識高いな」
「それほどでもありません」
「褒めていない!」
直ぐ様ツッコまれる。
「いいか、公爵家どもあろう者が侯爵家を潰そうとするなど普通じゃ考えられない行動だ。地位が高い人は下のことを気にしないと駄目だ。安易に潰そうなどとしては品位に関わる」
「ですが僕の奴隷にちょっかいをかけてきたんですよ」
「面目が立たない無いんだよ。それぐらい理解できるだろう」
「・・・はい」
頭では家を潰そうとすることは大人気ないことだ。
ただ、
「それでも僕は間違ったことをしたとは思っていません」
「・・・意固地だな」
中身が大人なのに子供っぽいことを言っているのは理解している。
だが、自分の物を奪おうとするする奴、身分の低い奴を徹底的に潰すという考え方は曲げない。
「まあ、叱るつもりもないからこれ以上は追求しない。私としても家にちょっかいをかけてくるやつは許せないしな。ただ、」
「ただ?」
「罰を一応与えなくてはならない」
・・・・・え!?
「ちょ、ま、待ってください父上。何故僕が」
「屋敷を燃やしたりとお前はやり過ぎた。だから私から罰を与える」
「そんな・・・」
糞、屋敷を燃やさせたのはまずかったか。
「・・・セバスが受けるんじゃないんですか」
「セバスにはもう罰を与えた」
もう逃げられないか。
「それで、僕の罰とは?」
「シンプルだ。うちが貰った元アルマー家領の運営を一年やってもらう」
「僕が内政を?」
「そうだ。いずれ公爵家を継ぐ身。今から領地経営を学んでおいて損はないだろうと考えた」
「僕はまだ九歳ですよ?」
「お前は見た目通りの子供ではないじゃないか。口も考え方も大人っぽいし・・・発育が良すぎる。だから問題ないだろうと感じた」
うっ、否定できない。
アルスやレーナと話していて気づいていなかったが、同年代としては僕は異常なんだった。
あいつら二人は元主人公と元ヒロインか知らないが、同年代より大人びている。
だから喋っていてあまり違和感を感じなかった。
「ああ、ちなみにセバスとオールド、それに数人の私の部下をお前に託す。しっかりと経営しろよ」
「部下を貸してもらえるなら問題ありません」
適当に経営して、遊ぼう。
「それでは―」
「ああ、待て待て。もう一つ話が」
「?」
父は僕らを呼び止めて、アルスに向かって話し始める。
「アルスよ。今まで私の立場や妻の機嫌などあって中々話す機会がなかったな。そのことは謝る。お前は今までよく耐えてきたしルイに尽くしてきた。だから、褒美・・と言って良いのか分からないが、改めてお前をブルボン公爵家に迎えたい」
「自分を、ですか」
「ああ。庶子という立場だが、改めてブルボンの名を与える」
「そ、そんな、う、嬉しいです」
アルスは嗚咽をしながら答えた。
涙を流し、嬉しそうな表情を見せる。
「ルイもそれでいいか?」
「ええ。特に反対はありません」
僕の地位が侵されることは・・・無いはず。
「ルイ兄様!」
「これからも僕に仕えてくれるか?」
「はい!もちろん!」
だったらよし。
「お前ら、仲良くしろよ」
「はい!」
「はい」
何だかんだあって僕は領地経営をすることになり、ついでに改めて弟ができた。
アルマー家は二つ位落ちの男爵となり、多額の罰金と領地替えとなった。
一方でブルボン家は不正の摘発の功により、アルマー家の持っていた領地の一部を引き継ぐ事になった。
そしてあの事件から数日後、僕は父から呼び出しを受けた。
父の書斎の前に着くと、僕はドアをノックする。
「入れ」
「失礼します」
中から許可が出たため入室する。
傍に控えていたアルスは待つように命じたが、父はアルスも入るよう言ってきた。
入った僕は父の机の前に置かれた椅子に座り前を向く。
「ルイ。何故呼ばれたか分かるか」
突然問われて首を傾げる。
はて?何かやらかしたか?
「特に思い当たる節がありませんが・・・」
そう返答すると父は深いため息を吐く。
「はぁ~。まあ、叱るわけじゃない。ただ・・・やりすぎだ、と言いたかったんだ」
やり過ぎ?僕が?
「どの点ですか?」
「自覚なしか。本当にお前は自意識高いな」
「それほどでもありません」
「褒めていない!」
直ぐ様ツッコまれる。
「いいか、公爵家どもあろう者が侯爵家を潰そうとするなど普通じゃ考えられない行動だ。地位が高い人は下のことを気にしないと駄目だ。安易に潰そうなどとしては品位に関わる」
「ですが僕の奴隷にちょっかいをかけてきたんですよ」
「面目が立たない無いんだよ。それぐらい理解できるだろう」
「・・・はい」
頭では家を潰そうとすることは大人気ないことだ。
ただ、
「それでも僕は間違ったことをしたとは思っていません」
「・・・意固地だな」
中身が大人なのに子供っぽいことを言っているのは理解している。
だが、自分の物を奪おうとするする奴、身分の低い奴を徹底的に潰すという考え方は曲げない。
「まあ、叱るつもりもないからこれ以上は追求しない。私としても家にちょっかいをかけてくるやつは許せないしな。ただ、」
「ただ?」
「罰を一応与えなくてはならない」
・・・・・え!?
「ちょ、ま、待ってください父上。何故僕が」
「屋敷を燃やしたりとお前はやり過ぎた。だから私から罰を与える」
「そんな・・・」
糞、屋敷を燃やさせたのはまずかったか。
「・・・セバスが受けるんじゃないんですか」
「セバスにはもう罰を与えた」
もう逃げられないか。
「それで、僕の罰とは?」
「シンプルだ。うちが貰った元アルマー家領の運営を一年やってもらう」
「僕が内政を?」
「そうだ。いずれ公爵家を継ぐ身。今から領地経営を学んでおいて損はないだろうと考えた」
「僕はまだ九歳ですよ?」
「お前は見た目通りの子供ではないじゃないか。口も考え方も大人っぽいし・・・発育が良すぎる。だから問題ないだろうと感じた」
うっ、否定できない。
アルスやレーナと話していて気づいていなかったが、同年代としては僕は異常なんだった。
あいつら二人は元主人公と元ヒロインか知らないが、同年代より大人びている。
だから喋っていてあまり違和感を感じなかった。
「ああ、ちなみにセバスとオールド、それに数人の私の部下をお前に託す。しっかりと経営しろよ」
「部下を貸してもらえるなら問題ありません」
適当に経営して、遊ぼう。
「それでは―」
「ああ、待て待て。もう一つ話が」
「?」
父は僕らを呼び止めて、アルスに向かって話し始める。
「アルスよ。今まで私の立場や妻の機嫌などあって中々話す機会がなかったな。そのことは謝る。お前は今までよく耐えてきたしルイに尽くしてきた。だから、褒美・・と言って良いのか分からないが、改めてお前をブルボン公爵家に迎えたい」
「自分を、ですか」
「ああ。庶子という立場だが、改めてブルボンの名を与える」
「そ、そんな、う、嬉しいです」
アルスは嗚咽をしながら答えた。
涙を流し、嬉しそうな表情を見せる。
「ルイもそれでいいか?」
「ええ。特に反対はありません」
僕の地位が侵されることは・・・無いはず。
「ルイ兄様!」
「これからも僕に仕えてくれるか?」
「はい!もちろん!」
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「お前ら、仲良くしろよ」
「はい!」
「はい」
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