虹色の約束。時を越えて~

yume

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羨まし過ぎるポジティブ男、

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柚月「ねぇ、廉?」

廉 「俺に聞くな。疲れた・・・。」


一触即発の状態を維持したまま、何とか学校が終わったあたしは、疲労と怒りのバロメーターが未だに振り切ったまま。


大地「廉君、お弁当美味しかった?」

廉 「・・・えぇ、まぁ。」

大地「明日は何かリクエスト、ある?」

廉 「いや、今日だけで胸が胃もたれおこしてます。もう結構です。」

柚月「廉っ、明日はあたしがお弁当作る!!」

廉 「お前が?そもそも、お前料理出来んの?」

柚月「た、タコさんウインナーとかっ!!」

大地「ぶはっ(笑)タコみてぇな顔してタコさんウインナー作るの?主張強過ぎ!冗談は顔だけにしてー!!」


とりあえず。

何故にこいつが一緒にいるのかが不思議で仕方がない。

廉はあたしと大地君の板挟みとなり疲労困憊。

大地君はメンタルが余程タフなのか、昼間よりも更にパワーアップしていた。


柚月「あのさ、どうしてここに大地君がいるの?」

大地「あのさ、どうしてここにどブスがいるの?」

廉 「待て待て。えーっと・・・、お前の名前何だっけ?」

大地「大ちゃん!!」

柚月「うっわ。鳥肌立った。」

廉 「あぁ、大ちゃん。あのね、柚月は俺の彼女なのね。それは理解してる?」

大地「うん。不服だけどね。」

廉 「俺は二人きりになりたいの。」

大地「・・・二人きりに?どうして?」

廉 「すんごく好きだから。」


別な意味で鳥肌が立った。

まさか、廉がこんなストレートにあたしを好きと言ってくれるだなんて予想外。

素直に嬉しいし、恥ずかしいし。

「誰かさん」がいなければ、とても良い雰囲気。


ここまで言われれば、流石の大地君も・・・。


大地「うん、分かった。ごめんね。」

廉 「いや、分かってくれたならそれでいいです。それじゃぁ、またあし・・・」

大地「ちょっとブス!!聞いてた!?」

柚月「何が!?今の会話なら聞いてたけど!?」

大地「廉君、「大ちゃんと」二人きりになりたいんだってよ!!」

廉 「お前じゃねぇーっ!!」

柚月「すんごいポジティブ・・・。」

大地「なんかよく分かんないけど、怒ってる廉君も素敵っ!!」

廉 「頭いてぇ・・・。もうほっといて行こうぜ。」

大地「うん!あ、ブスはここまで。じゃぁねー!!」

廉 「いや、違うんだけどさ・・・、そうだね。行こう、行こうね。」


普段は「冷静沈着、自分のペース保持者」の廉。

その廉が突如として現れた新参者によって、ものの見事にペースを崩されまくっている。

可哀想にも思えるが・・・遊園地同様、何だか可愛くも感じてしまう自分がいた。

大地君に関しては、分刻みで苦手度が増すばかりだけど、今回ばかりは暫く「取り合い合戦」が続きそう・・・。


柚月「ライバルが男って・・・女よりもたちが悪い。」



そうこうしている間に時は過ぎ・・・。

始業式からはや二ヶ月。

憂鬱な梅雨が訪れる六月へと季節は変わろうとしていた。

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