55 / 111
罠
しおりを挟む
りか「最高!!(笑)ねぇ、もしかして土下座、初体験!?」
柚月「これで満足した?」
りか「した。まさか、本当にここまでしてくれるとは思わなかったもんね。」
柚月「じゃぁ、さっきの約束守るってここで誓って。」
りか「・・・わかった。誓うよ。」
りかにしては、あまりにも呆気ない。
どことなく違和感を抱えながら、りかから差し出された手に一瞬戸惑ったが、あたしは素直にその手を掴み、立ち上がった。
りか「ごめんね、柚月。」
柚月「もういいから。」
りか「ずっと羨ましかったの、柚月の事が。」
柚月「・・・羨ましい?」
りか「可愛くて女の子らしくて。かっこいい彼氏がいてさ。でも・・・、こんなの良くないよね。本当にごめんなさい。」
柚月「りか・・・。」
見抜けなかった。
予想を遥かに超えて、あたしはまだまだ子供だった。
りか「本当、ごめん。度が過ぎてたね。」
柚月「ううん、分かってくれたならもういいから。」
りか「本当に最低だよね、あたし。陣内さんや廉君にも謝らなきゃ。」
柚月「まこと廉には、あたしから話しておくよ。」
りか「・・・ねぇ柚月。こんな酷い事したあたしだけど、これからは友達として仲良くしてくれるかな?」
「人はそう簡単には変われない」
ううん、そうじゃない。
「変わろうとしない人」だっているのに・・・。
柚月「・・・別に構わないけど・・・。」
りか「本当っ!?ありがとう!!」
「怖い」という自分が発信したSOSを、無視してしまっていた。
話があまりにも上手く行き過ぎていた事に気付いていたはずなのに・・・。
柚月「とりあえず、ここから出ない?」
りか「柚月、あたし達『友達』だよね?」
柚月「う、うん・・・。」
詰めがまだまだ甘かった。
考えが浅はかだった。
あたしは、りかの「罠」にまんまと掛かってしまっていた事に、気付く事が出来なかった。
柚月「これで満足した?」
りか「した。まさか、本当にここまでしてくれるとは思わなかったもんね。」
柚月「じゃぁ、さっきの約束守るってここで誓って。」
りか「・・・わかった。誓うよ。」
りかにしては、あまりにも呆気ない。
どことなく違和感を抱えながら、りかから差し出された手に一瞬戸惑ったが、あたしは素直にその手を掴み、立ち上がった。
りか「ごめんね、柚月。」
柚月「もういいから。」
りか「ずっと羨ましかったの、柚月の事が。」
柚月「・・・羨ましい?」
りか「可愛くて女の子らしくて。かっこいい彼氏がいてさ。でも・・・、こんなの良くないよね。本当にごめんなさい。」
柚月「りか・・・。」
見抜けなかった。
予想を遥かに超えて、あたしはまだまだ子供だった。
りか「本当、ごめん。度が過ぎてたね。」
柚月「ううん、分かってくれたならもういいから。」
りか「本当に最低だよね、あたし。陣内さんや廉君にも謝らなきゃ。」
柚月「まこと廉には、あたしから話しておくよ。」
りか「・・・ねぇ柚月。こんな酷い事したあたしだけど、これからは友達として仲良くしてくれるかな?」
「人はそう簡単には変われない」
ううん、そうじゃない。
「変わろうとしない人」だっているのに・・・。
柚月「・・・別に構わないけど・・・。」
りか「本当っ!?ありがとう!!」
「怖い」という自分が発信したSOSを、無視してしまっていた。
話があまりにも上手く行き過ぎていた事に気付いていたはずなのに・・・。
柚月「とりあえず、ここから出ない?」
りか「柚月、あたし達『友達』だよね?」
柚月「う、うん・・・。」
詰めがまだまだ甘かった。
考えが浅はかだった。
あたしは、りかの「罠」にまんまと掛かってしまっていた事に、気付く事が出来なかった。
0
お気に入りに追加
7
あなたにおすすめの小説
夫の色のドレスを着るのをやめた結果、夫が我慢をやめてしまいました
氷雨そら
恋愛
夫の色のドレスは私には似合わない。
ある夜会、夫と一緒にいたのは夫の愛人だという噂が流れている令嬢だった。彼女は夫の瞳の色のドレスを私とは違い完璧に着こなしていた。噂が事実なのだと確信した私は、もう夫の色のドレスは着ないことに決めた。
小説家になろう様にも掲載中です
今、夫と私の浮気相手の二人に侵されている
ヘロディア
恋愛
浮気がバレた主人公。
夫の提案で、主人公、夫、浮気相手の三人で面会することとなる。
そこで主人公は男同士の自分の取り合いを目の当たりにし、最後に男たちが選んだのは、先に主人公を絶頂に導いたものの勝ち、という道だった。
主人公は絶望的な状況で喘ぎ始め…
夫が寵姫に夢中ですので、私は離宮で気ままに暮らします
希猫 ゆうみ
恋愛
王妃フランチェスカは見切りをつけた。
国王である夫ゴドウィンは踊り子上がりの寵姫マルベルに夢中で、先に男児を産ませて寵姫の子を王太子にするとまで嘯いている。
隣国王女であったフランチェスカの莫大な持参金と、結婚による同盟が国を支えてるというのに、恩知らずも甚だしい。
「勝手にやってください。私は離宮で気ままに暮らしますので」
忘れられた妻
毛蟹葵葉
恋愛
結婚初夜、チネロは夫になったセインに抱かれることはなかった。
セインは彼女に積もり積もった怒りをぶつけた。
「浅ましいお前の母のわがままで、私は愛する者を伴侶にできなかった。それを止めなかったお前は罪人だ。顔を見るだけで吐き気がする」
セインは婚約者だった時とは別人のような冷たい目で、チネロを睨みつけて吐き捨てた。
「3年間、白い結婚が認められたらお前を自由にしてやる。私の妻になったのだから飢えない程度には生活の面倒は見てやるが、それ以上は求めるな」
セインはそれだけ言い残してチネロの前からいなくなった。
そして、チネロは、誰もいない別邸へと連れて行かれた。
三人称の練習で書いています。違和感があるかもしれません
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる