お願いです!ワンナイトのつもりでした!

郁律華

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本編のおまけ編(エピローグ直後)

【おまけ~夜の話5~】2人の心と本音の一部(※R18)

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転がり堕ちることは簡単だった。
それを今まで許してこなかったのは私の強がりと昔傷つけられた尊厳のせいだ。
しかし、これでまた裏切られたらと思うと恐怖が甦る。
琢磨はそれを十分に理解していた。
だから時間をかけた。
そして、あの日を境に私に残されていた逃げ道も断たれた。
代わりに手を差しのべられる。甘えろと。
それができるほど私はできた女ではない。
人を心から信じきれる勇気なんてこれっぽっちもない。
でも、もう降参だ。この男に、堕ちよう。



琢磨は抱きついてきた清香をベッドに押し倒してその頬を撫でる。
欲に塗れた清香の顔が自分の腕のなかにある事実がゾクリと仄暗い高揚感を高める。
清香の目は琢磨に向けられている。
ああ、ようやくこの女が手に入ったと思った。
意地っ張りで頑固なのに、誇り高くしなやか。
元来の体の弱さのせいで体力が追い付かない癖に、一人で立つために強く生きようとする。
誰にも完全に甘えることができない、この不器用で優しく愛しい女。
たぶん、昔の傷が根深すぎて全て信じることをまだしてくれないだろう。
それでもいい。
信じるまでいつだって言葉にして手を取ろう。
でも、横からかっ攫われるのだけは許さない。
腕の中に囲うのに何年かけたと思うのか。
自分の中に好きや愛の一言ではまとまりきれないほどの激情があるが、それを全てに表に出すつもりはないのも事実だ。
無防備なその顔を見せてくれるだけで今は許す。
これからは理性も何もかもドロドロに溶かしてやるのだ。
いつか自ら甘えて、自分の腕の中で安心して笑ってくれたら、本当の意味でこの女に対する渇きがおさまるかもしれない。
それまでは、この不器用で優しい女を守るために手段は選ばない。



琢磨が満足そうに笑って私の頬を撫でる。
それが心地よくて、安心できる。
私も何か返したくて琢磨の頬に触れた。
一瞬、驚いた顔をされるが、琢磨の顔に触れている手を私の頬に触れている手とは反対の手で包み込まれる。
そして、泣きそうな、それでいて満ち足りつつも色気に溢れた顔で微笑まれる。
「やっとだ…でも、まだだ…」
「え?」
琢磨の呟きを私は聞き取れなかった。

「いや…それよりも、ほら、手はここ。」
琢磨の頬にあてていた手をそのまま琢磨の首元に回すよう持っていかれる。
さらに、私の頬を撫でていた手を胸元に持っていき、もう片方は下腹部へとのびていく。
「ああ、やっぱり…」
ショーツの上から割れ目をなぞられるとしっとりと濡れていることに気付かれた。
ゆっくりとショーツの上から割れ目を撫でられて、少し落ち着いてきたはずの快感が呼び起こされる。
「ふっ……はあ……」
ゆっくりと割れ目の上から下、下から上に撫でられるのを繰り返され、もどかしくなってくる。
やがて、秘芽の部分をショーツ越しにトントンと触られるとそのリズムに合わせて頭が痺れる。
「琢磨……直接、触って……」
「イイコ、よく言えました。」
軽いキスを唇に受け、ショーツを脱がされる。
そのままゴムの箱も近くに置いたようだ。

「ちょっと、ごめん。」
琢磨が体をずらして私の下半身へと移動すると、秘芽の部分を舌先で嬲り始めた。
逃れられない快感で悲鳴めいた声を上げてしまう。
「ひゃ…あああ……あっ…あっ!いや!いや!」
「いやじゃないでしょ?忘れた?ほら、イイコだから。」
イイコ、そうだ……。
「あっ…イイ…ふっ…イイのぉ……気持ち、イイの!」
その反応を見て琢磨が満足気に笑う。
そして、色っぽい声で誉められる。
「そう、イイコ。」
その言葉と刺激で限界だった。
「あああああ!イくううう!イっちゃううう!」
腰がガクガクとなり、目の裏がスパークした。
「ああ、かわいい。」
そのままナカに指を入れられて、あの日見つけられてしまった私の感じるところを刺激される。
「イった、ばっかなの!あっ……そんな……すぐに…きゃああ!」
イきそうになって指の動きを止められた。
荒い息の元ではあるが、もどかしくてたまらない。苦しい。
快感を求めて腰が動いてしまう。頭の片隅ではしたないと思うのに、琢磨の目を見ればそんな理性が消え去る。
「ダメでしょ?イく時は言わなきゃ。」
「ごめんなさい!言う!言うからぁ!」
その一言で指の本数を増やされて動きが再開する。
指をバラバラに動かされたり、ナカのイイところを押されたりする。緩急をつけて押され続けるとたまった快感が膨れ上がる。
「あっ!イイ……!イイの!イく!イっちゃううう!」
「ちゃんと言えて、イイコ。」
「あっ!ああん!イくううう!」
高みに駆け上がると少しは間をあけてくれるものの、与えられる刺激は止まらない。
時には撫でるように動かされたり、強めに擦られたりもする。
腰から快感が駆け上ってきて何も考えられないのに、体は正直で、また腰が動いてしまう。
じゅるじゅると水音が聞こえてきて恥ずかしいはずなのに、その音でさらに感じてしまう。
「はっ…ああっ…たく、まぁ…」
何も考えられなくなってきて、また膨れ上がる快感がこわくて、名前を呼ぶ。
激流に押し流されていく。
「清香、かわいい。」
琢磨のその笑顔のあとに、私のナカを強めに押された。
足先がピンとのびてしまって、腰が浮き上がる。
一際大きな波にさらわれそうになって、思わず手をのばせば琢磨にその手を握られた。
「ああ、ああああ!イくうううう!」

白い閃光が目の裏を覆って、体が震えた。
こんなの、知らない。こわい。
それなのに包まれる温かさに泣いてしまいそうなほどの安堵を私は覚えてしまう。
堕とされる。
こわくて、優しいこの人に。




堕ちて、堕ちて、堕ちていく―

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