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【1部】第五章.いざ行かん馬車の旅
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3人から強く勧められて、明日までここに滞在する事になった。
「では、とりあえず顔合わせはこれで終了と言う事でよろしいですか?」
ピーターが言った。
『マスター、とりあえずウッドさんの事聞いてみたらどうです?』
そうだよ、なんでウッドさんが馬車に乗っていたのか聞かないと。
「あ、すみません。ちょっと冒険者の二人に聞きたい事あるんで、このままここの部屋貸してもらっても良いですかね?」
「ええ、構いません。用事が済みましたら部屋の外に居る使用人に声をかけてください」
「分かりました」
「ブロッサムさん!私は居たら駄目ですか?」
「あー…ゴメンね、あんまり聞かれたくない話だから遠慮してほしいな。話が終わったらそちらに行くから…」
「分かりました、絶対ですよ?」
何で初対面のこの子にこんなに好かれてるのかわからん。
「では我々はしつれいします。サクラ様、行きましょう」
「はい…」
(あ、防音結界って人の出入りできんだ?)
『防御結界では無いので、入っては来れませんが出ては行けますよ』
(結界の種類で変わるのね…あとで詳しく教えてー)
『りょー』
二人が部屋から出ていくのを確認し、私はウッドさんに向き合う。
「さて、ウッドさん、ちょっと聞きたいことがあるんですが…」
「ほぉー、俺の方に用があるのか。愛の告白でもなんでも聞いてやるぜー?」
「えーっと、何で馬車に乗ってたんですかね?あと、嵐の翌日に鳥を使って何か手紙を出してましたよね?あれってもしかしてバートさんに出してたんじゃないですか?」
「おっと…あの時見られてたのか。ああ、ルートが変わった事を伝える為にな」
「という事は、バートさんがあそこに来たのは偶然では無いって事でしょうか?」
あそこの道を通る事が分かっていたから見回りしてたんじゃねぇの?
「バートの旦那、そろそろこの嬢ちゃんに話しても良いかね?」
なんだその思わせぶりな発言は。
バートは何やら気まずそうな表情をしている。
「ウッドには…俺が指示してお前を監視させてたんだ…」
何やら観念したようにバートがそんな事を言った。
「はぁ?監視?なんで?」
どのタイミングで指示したんだよ??
「いやー、俺も嬢ちゃん達が召喚される瞬間を見てたんだけどさ、凄かったぜ、魔法陣が光ったかと思ったら、真ん中に嬢ちゃんたちが立ってたからな」
へー、こっちではそんな感じだったんだ。
とはいえ、何故に冒険者ギルドが私を監視してたんだろう?普通は王家とか宰相だよね?
「バートの旦那が嬢ちゃんの事を尾行して危険がせまったら助けてやれってんで、城から追い出される所からずーっと後をつけてたんだわ」
表情に出まくっていたようで、ウッドさんは苦笑いしながら部屋の隅にあった椅子を持ってきてドカリと座った。
「あの部屋にウッドさんも居たんですか?でも、エルザさんの服屋さんから出た後は尾行振り切ったと思ったのになぁ…」
『あれはマスターに害意のある人間を表示させてたので、気が付かなかったのでは?』
「お前さん、索敵スキルもってんのか」
ウッドさんが感心したように言う。
「…ええ、そんな感じです」
やば、召喚された所を見てるって事は、私のスキル知ってんじゃないの…?
さっき隠蔽できるって知っちゃったし、あんまりボロが出ないようにしなきゃだなぁ…
『マスターがそんな器用な事出来ると思いませんけどね』
(うっせ!)
「まあ、多分その尾行を締めあげたのは俺なんだけどな」
「えっ」
「あの店の女将さんだったら、リカルドの宿を紹介するだろうってのも見当がついてたんでな。翌日からはまた監視させて貰ったよ。色々大変だったな」
「あー…なるほど…宿での一件を王都の冒険者ギルドに通報したの、ウッドさんなんですね」
「あったりー!やっぱ頭良いね嬢ちゃん」
「ありがとうございます」
『マスター、ある程度マスターの隠してるスキルバレてるかもですね』
(言うな。私もそう思ってる)
多分、街で買った野菜とかをアイテムボックスに収納しているところなどは普通に見られているだろう。それ以外にも、収納魔法も多分知られてる。知られていないのは絶対安全空間とマップスキルくらいなものか…。
でも、それをバートが知っている感じはしないから、ウッドさん黙っててくれてるって事かな?
「そう言えば、私が異世界から来た人間だって事は誰がどこまで知ってるんですかね?」
素朴な疑問というか、実際どこら辺まで私が異世界から来たって知られてるんだろうね?
「俺にウッド、あとはガイドーン子爵と子爵の子息が、お前が異世界人であることを知っている。あとは王都の冒険者ギルドのギルマスだな」
「なるほど…しかし、子爵様達が知っているって結構危険だと思うんですが…」
一応貴族だし国王から何かしらの指示が出れば従わざるを得ないのではないのだろうか…。
「お前の心配は分かる。子爵家が王家に逆らえねぇと思ってんだろ?」
「ええまぁ…だから、異世界から召喚した人間がこの領地に逃げ込んでいないか?通過していないか?と問われたら、子爵様は答えないとですよね?」
「そこは問題ない。ここに来たのは盗賊に襲われたところを冒険者に助けられた旅人達だけだ」
ニヤリと笑うバートの言葉にピンときた。
(あー、そう言う事ね…)
「…そうですね。私は盗賊に襲われそうになったところを冒険者のバートさんに助けられたただの旅人です」
「そうだ。心に大変ショックを受けていたため、ガイドーン子爵家で保護してもらい休養している」
という事になっているらしい。
「しかし、ウッドさん金の上級冒険者なのに、なんでそんな斥候みたいなことしてたんです?」
「あぁー、そこは業務上言えねぇなぁ…」
「あ、そうですか。じゃあ聞きません」
そんな高レベルの冒険者が斥候してるって事は、なんか大きな案件抱えてんだろうからね。
「なんだ、聞いてくれりゃ巻き込めたのになぁ…」
「ウッド、あまり調子に乗るな」
バートに窘められるウッドである。
「聞いたら最後、逃げられなくなるんでしょ?御免ですよ。私はこの国からおさらばさせて貰います」
「そこは変わらないんだな…」
バートがすごく残念そうに言った。
「なんか、あからさまにしょんぼりするのやめて貰って良いですかね?」
大きな犬がしょげているみたいだ。
「うひっひっひ!!」
またもや爆笑しているウッド。
「…しばらく他の国見回って、気が向いたらこっちに戻ってきますよ。リカルドさん達にもお土産話持って行かないとだし」
「そうか!」
なんでこの人、こんなに嬉しそうなの?
『さぁ?』
(やっぱり、このにんげん、あるじの、つがい…)
(いや違うからね?)
「とりあえず、聞きたいことは聞けたので防音結界解いてもらって良いですよ」
私は椅子から立つと出口へ向かう。
「お、おい。俺には話は無いのか?」
「え?えーっと…助けていただいてありがとうございました?」
そういえば、ちゃんとお礼言って…なくねぇわ。ちゃんと森でお礼言ってるよ私。
「…もういい」
何でこいつ拗ねてんの?
『おもしれー女から相手にされなかったからじゃないですか?』
(はぁ?何それ?ていうか、ナビさん、どこからそんな言葉を覚えて来たの?)
そんなこんなで私は応接室から出て、そのままサクラさんが待つ部屋へ案内されるのだった。
しかしまぁ、ウッドさんの自己紹介を聞いて、昨夜、馬車の護衛をしていた冒険者たちが微妙な顔をしていた理由がわかった気がする。襲撃の後に、あの4人はこの人の正体がわかったんだろう。まさか、自分達より上の冒険者が客に混じっているなんて思わないよね…。
ブロッサムが部屋から出ていくと、ウッドはニヤニヤしながらバートに話しかけた。
「若様、見事に相手にされてませんでしたねぇ…」
「うるさい!」
「気になってるなら、しっかりアピールしないとあのタイプは一生気が付きませんよ」
まぁ、無駄に顔が良いせいで、言い寄ってくる女は金や名声目当てばかり。わざと乱暴な態度を取り、今では女嫌いで有名な冒険者バート。顔の良さにも、宝石級冒険者という肩書にも靡かないブロッサムに、どう接すればいいのかわからないのだろう。
そして、いきなり自分のスキルを見破ったうえで鑑定をかけてくるという事をしたのが、あんな細くて若い女だったと言う事が、少なからずバートの自尊心を傷つけたのは間違いない。そのせいでブロッサムの事が気になって仕方がないのだろう。
「うるさい、俺はあのんな奴の事、気になってなどいないわ!」
「はいはい、じゃ俺は明日の準備してきますわ」
ウッドはひらひらと手を振って部屋から出ていった。
「あ、使用人さん、中にバートが残ってますけど、適当に追い出しちゃって構わないっすから」
「え、は、はい」
使用人にそう声をかけると、ウッドはそのまま自分たちの荷物が置かれた場所へ向かった。
恋愛とは大いなる勘違いである。なんて言っていたのはどこの誰だっただろうか。あの坊ちゃんにもいよいよ春が来ると良いのだが。まぁ、相手があの嬢ちゃんが相手じゃ無理だな。と思うウッドであった。
「では、とりあえず顔合わせはこれで終了と言う事でよろしいですか?」
ピーターが言った。
『マスター、とりあえずウッドさんの事聞いてみたらどうです?』
そうだよ、なんでウッドさんが馬車に乗っていたのか聞かないと。
「あ、すみません。ちょっと冒険者の二人に聞きたい事あるんで、このままここの部屋貸してもらっても良いですかね?」
「ええ、構いません。用事が済みましたら部屋の外に居る使用人に声をかけてください」
「分かりました」
「ブロッサムさん!私は居たら駄目ですか?」
「あー…ゴメンね、あんまり聞かれたくない話だから遠慮してほしいな。話が終わったらそちらに行くから…」
「分かりました、絶対ですよ?」
何で初対面のこの子にこんなに好かれてるのかわからん。
「では我々はしつれいします。サクラ様、行きましょう」
「はい…」
(あ、防音結界って人の出入りできんだ?)
『防御結界では無いので、入っては来れませんが出ては行けますよ』
(結界の種類で変わるのね…あとで詳しく教えてー)
『りょー』
二人が部屋から出ていくのを確認し、私はウッドさんに向き合う。
「さて、ウッドさん、ちょっと聞きたいことがあるんですが…」
「ほぉー、俺の方に用があるのか。愛の告白でもなんでも聞いてやるぜー?」
「えーっと、何で馬車に乗ってたんですかね?あと、嵐の翌日に鳥を使って何か手紙を出してましたよね?あれってもしかしてバートさんに出してたんじゃないですか?」
「おっと…あの時見られてたのか。ああ、ルートが変わった事を伝える為にな」
「という事は、バートさんがあそこに来たのは偶然では無いって事でしょうか?」
あそこの道を通る事が分かっていたから見回りしてたんじゃねぇの?
「バートの旦那、そろそろこの嬢ちゃんに話しても良いかね?」
なんだその思わせぶりな発言は。
バートは何やら気まずそうな表情をしている。
「ウッドには…俺が指示してお前を監視させてたんだ…」
何やら観念したようにバートがそんな事を言った。
「はぁ?監視?なんで?」
どのタイミングで指示したんだよ??
「いやー、俺も嬢ちゃん達が召喚される瞬間を見てたんだけどさ、凄かったぜ、魔法陣が光ったかと思ったら、真ん中に嬢ちゃんたちが立ってたからな」
へー、こっちではそんな感じだったんだ。
とはいえ、何故に冒険者ギルドが私を監視してたんだろう?普通は王家とか宰相だよね?
「バートの旦那が嬢ちゃんの事を尾行して危険がせまったら助けてやれってんで、城から追い出される所からずーっと後をつけてたんだわ」
表情に出まくっていたようで、ウッドさんは苦笑いしながら部屋の隅にあった椅子を持ってきてドカリと座った。
「あの部屋にウッドさんも居たんですか?でも、エルザさんの服屋さんから出た後は尾行振り切ったと思ったのになぁ…」
『あれはマスターに害意のある人間を表示させてたので、気が付かなかったのでは?』
「お前さん、索敵スキルもってんのか」
ウッドさんが感心したように言う。
「…ええ、そんな感じです」
やば、召喚された所を見てるって事は、私のスキル知ってんじゃないの…?
さっき隠蔽できるって知っちゃったし、あんまりボロが出ないようにしなきゃだなぁ…
『マスターがそんな器用な事出来ると思いませんけどね』
(うっせ!)
「まあ、多分その尾行を締めあげたのは俺なんだけどな」
「えっ」
「あの店の女将さんだったら、リカルドの宿を紹介するだろうってのも見当がついてたんでな。翌日からはまた監視させて貰ったよ。色々大変だったな」
「あー…なるほど…宿での一件を王都の冒険者ギルドに通報したの、ウッドさんなんですね」
「あったりー!やっぱ頭良いね嬢ちゃん」
「ありがとうございます」
『マスター、ある程度マスターの隠してるスキルバレてるかもですね』
(言うな。私もそう思ってる)
多分、街で買った野菜とかをアイテムボックスに収納しているところなどは普通に見られているだろう。それ以外にも、収納魔法も多分知られてる。知られていないのは絶対安全空間とマップスキルくらいなものか…。
でも、それをバートが知っている感じはしないから、ウッドさん黙っててくれてるって事かな?
「そう言えば、私が異世界から来た人間だって事は誰がどこまで知ってるんですかね?」
素朴な疑問というか、実際どこら辺まで私が異世界から来たって知られてるんだろうね?
「俺にウッド、あとはガイドーン子爵と子爵の子息が、お前が異世界人であることを知っている。あとは王都の冒険者ギルドのギルマスだな」
「なるほど…しかし、子爵様達が知っているって結構危険だと思うんですが…」
一応貴族だし国王から何かしらの指示が出れば従わざるを得ないのではないのだろうか…。
「お前の心配は分かる。子爵家が王家に逆らえねぇと思ってんだろ?」
「ええまぁ…だから、異世界から召喚した人間がこの領地に逃げ込んでいないか?通過していないか?と問われたら、子爵様は答えないとですよね?」
「そこは問題ない。ここに来たのは盗賊に襲われたところを冒険者に助けられた旅人達だけだ」
ニヤリと笑うバートの言葉にピンときた。
(あー、そう言う事ね…)
「…そうですね。私は盗賊に襲われそうになったところを冒険者のバートさんに助けられたただの旅人です」
「そうだ。心に大変ショックを受けていたため、ガイドーン子爵家で保護してもらい休養している」
という事になっているらしい。
「しかし、ウッドさん金の上級冒険者なのに、なんでそんな斥候みたいなことしてたんです?」
「あぁー、そこは業務上言えねぇなぁ…」
「あ、そうですか。じゃあ聞きません」
そんな高レベルの冒険者が斥候してるって事は、なんか大きな案件抱えてんだろうからね。
「なんだ、聞いてくれりゃ巻き込めたのになぁ…」
「ウッド、あまり調子に乗るな」
バートに窘められるウッドである。
「聞いたら最後、逃げられなくなるんでしょ?御免ですよ。私はこの国からおさらばさせて貰います」
「そこは変わらないんだな…」
バートがすごく残念そうに言った。
「なんか、あからさまにしょんぼりするのやめて貰って良いですかね?」
大きな犬がしょげているみたいだ。
「うひっひっひ!!」
またもや爆笑しているウッド。
「…しばらく他の国見回って、気が向いたらこっちに戻ってきますよ。リカルドさん達にもお土産話持って行かないとだし」
「そうか!」
なんでこの人、こんなに嬉しそうなの?
『さぁ?』
(やっぱり、このにんげん、あるじの、つがい…)
(いや違うからね?)
「とりあえず、聞きたいことは聞けたので防音結界解いてもらって良いですよ」
私は椅子から立つと出口へ向かう。
「お、おい。俺には話は無いのか?」
「え?えーっと…助けていただいてありがとうございました?」
そういえば、ちゃんとお礼言って…なくねぇわ。ちゃんと森でお礼言ってるよ私。
「…もういい」
何でこいつ拗ねてんの?
『おもしれー女から相手にされなかったからじゃないですか?』
(はぁ?何それ?ていうか、ナビさん、どこからそんな言葉を覚えて来たの?)
そんなこんなで私は応接室から出て、そのままサクラさんが待つ部屋へ案内されるのだった。
しかしまぁ、ウッドさんの自己紹介を聞いて、昨夜、馬車の護衛をしていた冒険者たちが微妙な顔をしていた理由がわかった気がする。襲撃の後に、あの4人はこの人の正体がわかったんだろう。まさか、自分達より上の冒険者が客に混じっているなんて思わないよね…。
ブロッサムが部屋から出ていくと、ウッドはニヤニヤしながらバートに話しかけた。
「若様、見事に相手にされてませんでしたねぇ…」
「うるさい!」
「気になってるなら、しっかりアピールしないとあのタイプは一生気が付きませんよ」
まぁ、無駄に顔が良いせいで、言い寄ってくる女は金や名声目当てばかり。わざと乱暴な態度を取り、今では女嫌いで有名な冒険者バート。顔の良さにも、宝石級冒険者という肩書にも靡かないブロッサムに、どう接すればいいのかわからないのだろう。
そして、いきなり自分のスキルを見破ったうえで鑑定をかけてくるという事をしたのが、あんな細くて若い女だったと言う事が、少なからずバートの自尊心を傷つけたのは間違いない。そのせいでブロッサムの事が気になって仕方がないのだろう。
「うるさい、俺はあのんな奴の事、気になってなどいないわ!」
「はいはい、じゃ俺は明日の準備してきますわ」
ウッドはひらひらと手を振って部屋から出ていった。
「あ、使用人さん、中にバートが残ってますけど、適当に追い出しちゃって構わないっすから」
「え、は、はい」
使用人にそう声をかけると、ウッドはそのまま自分たちの荷物が置かれた場所へ向かった。
恋愛とは大いなる勘違いである。なんて言っていたのはどこの誰だっただろうか。あの坊ちゃんにもいよいよ春が来ると良いのだが。まぁ、相手があの嬢ちゃんが相手じゃ無理だな。と思うウッドであった。
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