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【1部】第三章.自分のスキルを確認するまでが長い
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相手とのレベル差が大きいと失敗するって、どのくらい差があると駄目なんだろうか。
「ねえねえ、レベル差が原因で失敗する場合って、具体的にどのくらい差があると失敗するの?」
『おおむね10レベル以上差がある場合でしょうか。ただ、マスターの様にそのスキルを使い始めたばかりだったり、体調が悪かったりすると、レベル差が1しか無くても失敗する事がありますし、自分よりレベルが低い相手に対しても失敗する事があります』
「おぉん…バチクソめんどくせぇ…」
『それはそうです。スキルというのは神様からの賜物ではありますが、便利で万能な能力というわけではありません』
「ミルス様も、スキルはあげるけど自分の力で頑張ってね的な事いってたもんなぁ…」
『神様たちはフォンティーに生きる者たちを甘やかすために存在している訳ではありませんからね』
「そりゃそうだ。あ、そうそう。鑑定に関してもう一つ聞きたいことがあるんだけど」
『はい、何でしょうか』
「一緒に召喚された奴の一人のステータスがね、隠蔽されてる部分まで見えたんだけど何で?」
『それは、マスターが所持している真贋スキルの影響です』
「あのグラームス様から貰ったスキル?」
『はい。あのスキルは持っているだけで発動するのですが、このスキルだけだと「これ偽物っぽい気がする…」とか「この壁の向こうに通路がありそう…」程度の勘しか働きません。しかし、鑑定と組み合わせると、相手の隠されたステータスを見る事が出来るのです』
「なるほどぉ?」
だからあのスーツのスキルを見る事が出来たのか…
「あれ?じゃあ真贋に似た看破っていうスキルはどうなの?」
『看破というスキルは、調べたいものがある度に発動しなければなりません。効果は対象の発言や物に嘘偽りが無いかどうかが分かる。というスキルです。何がどう偽られているのかを知ることはできません』
「ということは、看破では宝箱に化けているミミックを、この宝箱は偽物だとは断じれるけど、それがミミックであるとは分からないって事?」
『その通りです』
でも、真贋も単体だと…あ、これ本物の宝箱じゃないかもー?程度…と。
「ん?待って、その効果って真贋とほぼ同じ…あ、でも確実に嘘か本当か分かるのか」
『そうですね、確実に真偽がはっきりするので看破は非常に有用なスキルとみなされています。また、真贋では発言の真偽をはかる事は出来ません』
もともと真贋も看破も所持している人間が少ない為、過去の記録が殆ど残っていない。
特に、真贋というスキルは鑑定スキルとの合わせ技で真価を発揮するスキルではあるが、過去に真贋と鑑定を両方持っている人間が居なかった為、ちょっと勘が良くなるスキル。という記録しか残っていないらしい。
その為、フォンティーでは真贋というスキルは珍しいけど、持っていても使えないスキルという認識なのだ。
確実に物や発言の真偽が分かる看破スキルの方が重宝される。
「真贋は鑑定が無いと真価を発揮できないスキルだけど、それは知られていない。と…その結果、クソスキル扱いされてるって事ね」
『便利すぎるので何重にも枷があると考えてください』
「強引なポジティブ思考だなそれ。ま、私にとっては便利なスキルになるだろうし、一見使えないスキルでも他のスキルと合わせる事で片方のスキルの能力が向上する事があるっていうのは面白いわ」
『一部のスキルでその効果は認識されています。簡単な例であれば筋力向上と速度向上ならば移動速度が上がります』
「ああ、バフの重ねがけ的な感じか」
『両方持っている人は少ないですけどね』
今までの話を総合すると、鑑定スキルは人に対して無闇に使わない方が無難の様だ。
あと、見るからに強そうな魔物とかにも使うのやめよう…。
これからブロッサムとして生きていく上では、やっぱりスライムテイム以外のスキルは隠しておいた方が良いね。
あ、でも、新しく獲得した毒耐性とかそこら辺は隠さなくても良いかな?
ちゃんと獲得した理由も言えるからね。
あとは、「召喚された只人」っていう称号も隠しておこう。神様の寵愛なんて受けてるのが知られればどうなるかわからないから、永久に隠したままにした方が良いだろうね。
「ねえねえ、レベル差が原因で失敗する場合って、具体的にどのくらい差があると失敗するの?」
『おおむね10レベル以上差がある場合でしょうか。ただ、マスターの様にそのスキルを使い始めたばかりだったり、体調が悪かったりすると、レベル差が1しか無くても失敗する事がありますし、自分よりレベルが低い相手に対しても失敗する事があります』
「おぉん…バチクソめんどくせぇ…」
『それはそうです。スキルというのは神様からの賜物ではありますが、便利で万能な能力というわけではありません』
「ミルス様も、スキルはあげるけど自分の力で頑張ってね的な事いってたもんなぁ…」
『神様たちはフォンティーに生きる者たちを甘やかすために存在している訳ではありませんからね』
「そりゃそうだ。あ、そうそう。鑑定に関してもう一つ聞きたいことがあるんだけど」
『はい、何でしょうか』
「一緒に召喚された奴の一人のステータスがね、隠蔽されてる部分まで見えたんだけど何で?」
『それは、マスターが所持している真贋スキルの影響です』
「あのグラームス様から貰ったスキル?」
『はい。あのスキルは持っているだけで発動するのですが、このスキルだけだと「これ偽物っぽい気がする…」とか「この壁の向こうに通路がありそう…」程度の勘しか働きません。しかし、鑑定と組み合わせると、相手の隠されたステータスを見る事が出来るのです』
「なるほどぉ?」
だからあのスーツのスキルを見る事が出来たのか…
「あれ?じゃあ真贋に似た看破っていうスキルはどうなの?」
『看破というスキルは、調べたいものがある度に発動しなければなりません。効果は対象の発言や物に嘘偽りが無いかどうかが分かる。というスキルです。何がどう偽られているのかを知ることはできません』
「ということは、看破では宝箱に化けているミミックを、この宝箱は偽物だとは断じれるけど、それがミミックであるとは分からないって事?」
『その通りです』
でも、真贋も単体だと…あ、これ本物の宝箱じゃないかもー?程度…と。
「ん?待って、その効果って真贋とほぼ同じ…あ、でも確実に嘘か本当か分かるのか」
『そうですね、確実に真偽がはっきりするので看破は非常に有用なスキルとみなされています。また、真贋では発言の真偽をはかる事は出来ません』
もともと真贋も看破も所持している人間が少ない為、過去の記録が殆ど残っていない。
特に、真贋というスキルは鑑定スキルとの合わせ技で真価を発揮するスキルではあるが、過去に真贋と鑑定を両方持っている人間が居なかった為、ちょっと勘が良くなるスキル。という記録しか残っていないらしい。
その為、フォンティーでは真贋というスキルは珍しいけど、持っていても使えないスキルという認識なのだ。
確実に物や発言の真偽が分かる看破スキルの方が重宝される。
「真贋は鑑定が無いと真価を発揮できないスキルだけど、それは知られていない。と…その結果、クソスキル扱いされてるって事ね」
『便利すぎるので何重にも枷があると考えてください』
「強引なポジティブ思考だなそれ。ま、私にとっては便利なスキルになるだろうし、一見使えないスキルでも他のスキルと合わせる事で片方のスキルの能力が向上する事があるっていうのは面白いわ」
『一部のスキルでその効果は認識されています。簡単な例であれば筋力向上と速度向上ならば移動速度が上がります』
「ああ、バフの重ねがけ的な感じか」
『両方持っている人は少ないですけどね』
今までの話を総合すると、鑑定スキルは人に対して無闇に使わない方が無難の様だ。
あと、見るからに強そうな魔物とかにも使うのやめよう…。
これからブロッサムとして生きていく上では、やっぱりスライムテイム以外のスキルは隠しておいた方が良いね。
あ、でも、新しく獲得した毒耐性とかそこら辺は隠さなくても良いかな?
ちゃんと獲得した理由も言えるからね。
あとは、「召喚された只人」っていう称号も隠しておこう。神様の寵愛なんて受けてるのが知られればどうなるかわからないから、永久に隠したままにした方が良いだろうね。
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