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【1部】第三章.自分のスキルを確認するまでが長い
033
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食事を終えて部屋に戻ると、ベットにゴロンと寝っ転がった。
『食べてすぐに寝転がると身体に悪いですよマスター』
耳元でナビの声が聞こえる。
「わかってるよー、でもちょっとだけ寝っ転がらせて」
『そういえば、食事で毒耐性スキルを獲得するとか、凄いですねマスター』
「薬も過ぎれば毒となる。って奴だね…衝撃の苦さだったよ」
『私は味覚が有りませんので分かりませんが、ニガナはドラゴンも喰わないと言われるくらい苦いらしいです』
「マジか…でも、ちょこっとだったら美味しいと思ったよ?」
『マスターが気に入ったのなら良かったです(毒耐性で味覚おかしくなっただけでしょうけど)』
「気に入っては居ないけどね…。でだ、ナビさんに聞きたいことが色々あるんですがいいですかね?」
『はい、何でも聞いてください。答えられることなら答えますので』
「そこは何でも答えます!じゃないのね」
『私は嘘は言えませんから』
「あ、そうなのね。じゃあ質問、鑑定スキルが失敗する場合ってどんな原因があるの?」
『それはですね…』
こうしてナビ先生のスキル教室第二幕が始まった。
人間はしばらくやっていない作業をすると、うまくいかない事がある。いわゆるカンが鈍るというやつだ。
実はスキルでもこれが当てはまる。スキルにはレベルがある物と無い物がある。
レベルがある物に関しては、レベル=熟練度と言っても過言では無い。
しかし、実はレベルの無いスキルに関しても熟練度という物が、可視化は出来ないがしっかり存在している。
レベルのあるスキルは使えば必ず発動するが、レベルのないスキルは殆ど使っていなかったり、長い間使わなくなると一気に成功率が下がるのだ。
何が言いたいかというと、スキルの成功失敗には継続的な経験が必要な物と、一度覚えてしまえば確実に発動に成功するものがあるという事だ。
もちろん、発動に成功したからと言ってスキルが対象に当たるかどうかは別問題。
例外としては、魔道具に込められた魔法や魔法陣、これは使用者の熟練度に関係なく確実に発動する。
もちろん、確実に効果が発揮されるかどうかは、対象者や対象物による。
「じゃあ、私が荒々しい人に鑑定をかけて失敗したのは、熟練度のせいって事?」
『そうです。あともう一つ考えられるのは、相手とのレベル差がありすぎたせいかと』
「てことは、鑑定スキルに失敗したのは、私の熟練度が足りなかったのと相手とのレベル差がありすぎたせい。ってこと?」
『イエス。もう一つ考えられるのは、相手が防御魔法のかかった何かを身に着けていたからだと思います。もしかしたらマスターの鑑定が失敗した理由は、この3つの全てかもしれませんね。要はスキルをぶつける相手が悪かったという事です』
「なるほど…でもさ、鑑定を使った人間が誰なのか特定するって、簡単に出来ちゃうものなの?」
『いいえ、目の前で使えば流石にわかってしまいますが、人ごみの中で使うなら鑑定を使われた事は分かっても誰が使ったのかは分かりません。ただ、野生動物や魔物などは勘が鋭いので特定されるかもしれません。が、マスターがバレたのは、その人の事を凝視していたからとかじゃないですかね?』
「え、ナビさん唐突に辛辣!!…でも、確かにあの人の事じっと見てたわ…」
『でしょうね』
「まじかー…じゃあ見逃してくれただけラッキーって事?」
『とてもラッキーだと思いますよ。鑑定スキルは他人の秘密を暴くので攻撃スキルに分類されます。要は相手に喧嘩を吹っ掛けたのと同義という事です。なのでその場で切り捨てられてもおかしくありません。寛大な人物で良かったですね』
荒々しい人、めっちゃ人間の出来た人だったようです。
「まとめると、熟練度が低いと鑑定は失敗する。相手とのレベル差がありすぎても鑑定は失敗する。レベル差が無くても魔道具で防御されれば失敗する。そして、失敗すると相手にバレる。ただし、自分が使った事がバレるかどうかは相手の能力や状況によるって事か…」
『鑑定に限りませんが、そうなります』
え、意外と鑑定って使いどころ難しくないですかね?
『食べてすぐに寝転がると身体に悪いですよマスター』
耳元でナビの声が聞こえる。
「わかってるよー、でもちょっとだけ寝っ転がらせて」
『そういえば、食事で毒耐性スキルを獲得するとか、凄いですねマスター』
「薬も過ぎれば毒となる。って奴だね…衝撃の苦さだったよ」
『私は味覚が有りませんので分かりませんが、ニガナはドラゴンも喰わないと言われるくらい苦いらしいです』
「マジか…でも、ちょこっとだったら美味しいと思ったよ?」
『マスターが気に入ったのなら良かったです(毒耐性で味覚おかしくなっただけでしょうけど)』
「気に入っては居ないけどね…。でだ、ナビさんに聞きたいことが色々あるんですがいいですかね?」
『はい、何でも聞いてください。答えられることなら答えますので』
「そこは何でも答えます!じゃないのね」
『私は嘘は言えませんから』
「あ、そうなのね。じゃあ質問、鑑定スキルが失敗する場合ってどんな原因があるの?」
『それはですね…』
こうしてナビ先生のスキル教室第二幕が始まった。
人間はしばらくやっていない作業をすると、うまくいかない事がある。いわゆるカンが鈍るというやつだ。
実はスキルでもこれが当てはまる。スキルにはレベルがある物と無い物がある。
レベルがある物に関しては、レベル=熟練度と言っても過言では無い。
しかし、実はレベルの無いスキルに関しても熟練度という物が、可視化は出来ないがしっかり存在している。
レベルのあるスキルは使えば必ず発動するが、レベルのないスキルは殆ど使っていなかったり、長い間使わなくなると一気に成功率が下がるのだ。
何が言いたいかというと、スキルの成功失敗には継続的な経験が必要な物と、一度覚えてしまえば確実に発動に成功するものがあるという事だ。
もちろん、発動に成功したからと言ってスキルが対象に当たるかどうかは別問題。
例外としては、魔道具に込められた魔法や魔法陣、これは使用者の熟練度に関係なく確実に発動する。
もちろん、確実に効果が発揮されるかどうかは、対象者や対象物による。
「じゃあ、私が荒々しい人に鑑定をかけて失敗したのは、熟練度のせいって事?」
『そうです。あともう一つ考えられるのは、相手とのレベル差がありすぎたせいかと』
「てことは、鑑定スキルに失敗したのは、私の熟練度が足りなかったのと相手とのレベル差がありすぎたせい。ってこと?」
『イエス。もう一つ考えられるのは、相手が防御魔法のかかった何かを身に着けていたからだと思います。もしかしたらマスターの鑑定が失敗した理由は、この3つの全てかもしれませんね。要はスキルをぶつける相手が悪かったという事です』
「なるほど…でもさ、鑑定を使った人間が誰なのか特定するって、簡単に出来ちゃうものなの?」
『いいえ、目の前で使えば流石にわかってしまいますが、人ごみの中で使うなら鑑定を使われた事は分かっても誰が使ったのかは分かりません。ただ、野生動物や魔物などは勘が鋭いので特定されるかもしれません。が、マスターがバレたのは、その人の事を凝視していたからとかじゃないですかね?』
「え、ナビさん唐突に辛辣!!…でも、確かにあの人の事じっと見てたわ…」
『でしょうね』
「まじかー…じゃあ見逃してくれただけラッキーって事?」
『とてもラッキーだと思いますよ。鑑定スキルは他人の秘密を暴くので攻撃スキルに分類されます。要は相手に喧嘩を吹っ掛けたのと同義という事です。なのでその場で切り捨てられてもおかしくありません。寛大な人物で良かったですね』
荒々しい人、めっちゃ人間の出来た人だったようです。
「まとめると、熟練度が低いと鑑定は失敗する。相手とのレベル差がありすぎても鑑定は失敗する。レベル差が無くても魔道具で防御されれば失敗する。そして、失敗すると相手にバレる。ただし、自分が使った事がバレるかどうかは相手の能力や状況によるって事か…」
『鑑定に限りませんが、そうなります』
え、意外と鑑定って使いどころ難しくないですかね?
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