31 / 89
【1部】第三章.自分のスキルを確認するまでが長い
028
しおりを挟む
何やら、絶対安全空間で誰かが私を呼んでいるらしいので、さっそく絶対安全空間を使ってみた。
すると、部屋の端っこに突如として洞窟に入り口が現れた。
洞窟は大人が立って歩けるくらいの大きさで、5メートルくらい奥まで続いている。
その奥はほんのり明るくなっていて、広い空間になっているようだ。
「えーっと…ここが空間への入り口って事かな?」
ま、多分そうだよね…?
この部屋に誰か入ってこないよう、鍵をかけてから私はその洞窟へ入っていった。
短い洞窟を抜けると、予想通りほんのり明るい広い空間に出た。
広いとは言っても、八畳くらいの部屋みたいな場所で、中央にはグレープフルーツくらいの大きさの石が浮いており、それが放つ光で周りが明るい。
『ようこそいらっしゃいませ!!マスター!!』
「うぉ!?だ…誰!?」
どこからともなく声がして、振り返ってみるがも誰も居ない。
「誰かいるんですか…?」
辺りを見回しても誰も居ない。こんな狭い空間なのに人の気配は無い。
『あ、失礼しました!私、この世界でマスターのお手伝いをする案内人です!!名前はまだありません!!』
そんな声と共に、さっき中央で浮いていた玉が目の前に飛んできた。
「ひゃっ!?」
『マスターと落ち着いてお話が出来そうだったので、こちらから呼び出しさせて貰っちゃいました!!』
玉は、嬉しそうに私の周りをクルクルと飛んでいる。
「えぇと…あなたが案内人なのね?」
『そうです!!マスターにスキルが付与されてから、ずーっとこうやってお話出来るタイミングを待っていたんです!!』
「そ、そうなの…そういえば、名前が無いって言ってたけど…」
『はい。立場的には、このダンジョ…いえ絶対安全空間の管理のお手伝いをする従魔という扱いになります。他にも、この世界についてマスターにご案内する事も出来ます。ただ、今はまだ仮契約なので私に名前を付けていただいて、正式に契約を結んでいただきたいのです』
浮いてる玉いわく、仮契約のままでもこの空間を使う事は出来る。しかし、広くしたり出入口のデザインを洞窟からドアにしたりと言った変更ができないらしい。
その他にも、私がこの空間の外に居ても、ナビと念話が出来るようになる。
「なるほど。で、あなたは私が知らない事を説明したりして、サポートしてくれる存在って事なのね?」
『はい、その通りです』
従魔契約という事は、この玉も魔物という事になるんだろうか…
「あなたは魔物なの?」
『いえ、私は魔物ではないですね。どちらかというと思念体と言った方が良いのかもしれません。この魔石に宿った意思とでも言いましょうか…』
「あ、魔石なんだ?」
『はい。ついでに、何者かに私が破壊されてしまうと、この空間は崩壊して二度と使う事が出来なくなります』
「ほほぅ?…それはあれか、あなたはダンジョンコアなのかな?」
『えっ!?いや…その…えっと…はい…いわゆるダンジョンコアと呼ばれる存在です…』
なんだか申し訳なさそうな声をだすダンジョンコア。
「そんなに落ち込まなくていいよ。ミルス様、ダンジョンマスタースキルの名前変えただけって言ってたし、そんな事だろうとは思ってたから…」
『そうだったんですね…』
私の要求にほぼほぼ合致しているスキルがダンジョンマスターだったんだろうね。
「さて、私もこの空間が岩に囲まれた閉鎖空間だと目的が達成できないから、あなたに名前を付けましょうかね」
『本当ですかマスター!』
ダンジョンコアが、嬉しさの表現か光が少し強くなった。
さて…まるっとした宙に浮く光る石…どんな名前にしようかな?
「ダンジョンコアだから…よし、あなたの名前はナビ!!ナビゲーションのナビ!!」
『どんな流れでそうなったんですか!?』
「え、だってさっき案内人って言ってたし、ナビゲーションから取ってナビ。良い名前でしょ?」
『まぁ…ダンちゃんとかそんなんじゃなくて良かったかもしれませんが…』
「えー、気に入らない?」
『いえ、ありがたいです!!』
<<絶対安全空間の案内人との契約が完了しました>>
頭の中に、またもや声が響いた。
「お、これで契約できたんだね」
『はい、これで私もマスターのサポートが色々とできます!』
ブロッサムはナビと契約した!!
すると、部屋の端っこに突如として洞窟に入り口が現れた。
洞窟は大人が立って歩けるくらいの大きさで、5メートルくらい奥まで続いている。
その奥はほんのり明るくなっていて、広い空間になっているようだ。
「えーっと…ここが空間への入り口って事かな?」
ま、多分そうだよね…?
この部屋に誰か入ってこないよう、鍵をかけてから私はその洞窟へ入っていった。
短い洞窟を抜けると、予想通りほんのり明るい広い空間に出た。
広いとは言っても、八畳くらいの部屋みたいな場所で、中央にはグレープフルーツくらいの大きさの石が浮いており、それが放つ光で周りが明るい。
『ようこそいらっしゃいませ!!マスター!!』
「うぉ!?だ…誰!?」
どこからともなく声がして、振り返ってみるがも誰も居ない。
「誰かいるんですか…?」
辺りを見回しても誰も居ない。こんな狭い空間なのに人の気配は無い。
『あ、失礼しました!私、この世界でマスターのお手伝いをする案内人です!!名前はまだありません!!』
そんな声と共に、さっき中央で浮いていた玉が目の前に飛んできた。
「ひゃっ!?」
『マスターと落ち着いてお話が出来そうだったので、こちらから呼び出しさせて貰っちゃいました!!』
玉は、嬉しそうに私の周りをクルクルと飛んでいる。
「えぇと…あなたが案内人なのね?」
『そうです!!マスターにスキルが付与されてから、ずーっとこうやってお話出来るタイミングを待っていたんです!!』
「そ、そうなの…そういえば、名前が無いって言ってたけど…」
『はい。立場的には、このダンジョ…いえ絶対安全空間の管理のお手伝いをする従魔という扱いになります。他にも、この世界についてマスターにご案内する事も出来ます。ただ、今はまだ仮契約なので私に名前を付けていただいて、正式に契約を結んでいただきたいのです』
浮いてる玉いわく、仮契約のままでもこの空間を使う事は出来る。しかし、広くしたり出入口のデザインを洞窟からドアにしたりと言った変更ができないらしい。
その他にも、私がこの空間の外に居ても、ナビと念話が出来るようになる。
「なるほど。で、あなたは私が知らない事を説明したりして、サポートしてくれる存在って事なのね?」
『はい、その通りです』
従魔契約という事は、この玉も魔物という事になるんだろうか…
「あなたは魔物なの?」
『いえ、私は魔物ではないですね。どちらかというと思念体と言った方が良いのかもしれません。この魔石に宿った意思とでも言いましょうか…』
「あ、魔石なんだ?」
『はい。ついでに、何者かに私が破壊されてしまうと、この空間は崩壊して二度と使う事が出来なくなります』
「ほほぅ?…それはあれか、あなたはダンジョンコアなのかな?」
『えっ!?いや…その…えっと…はい…いわゆるダンジョンコアと呼ばれる存在です…』
なんだか申し訳なさそうな声をだすダンジョンコア。
「そんなに落ち込まなくていいよ。ミルス様、ダンジョンマスタースキルの名前変えただけって言ってたし、そんな事だろうとは思ってたから…」
『そうだったんですね…』
私の要求にほぼほぼ合致しているスキルがダンジョンマスターだったんだろうね。
「さて、私もこの空間が岩に囲まれた閉鎖空間だと目的が達成できないから、あなたに名前を付けましょうかね」
『本当ですかマスター!』
ダンジョンコアが、嬉しさの表現か光が少し強くなった。
さて…まるっとした宙に浮く光る石…どんな名前にしようかな?
「ダンジョンコアだから…よし、あなたの名前はナビ!!ナビゲーションのナビ!!」
『どんな流れでそうなったんですか!?』
「え、だってさっき案内人って言ってたし、ナビゲーションから取ってナビ。良い名前でしょ?」
『まぁ…ダンちゃんとかそんなんじゃなくて良かったかもしれませんが…』
「えー、気に入らない?」
『いえ、ありがたいです!!』
<<絶対安全空間の案内人との契約が完了しました>>
頭の中に、またもや声が響いた。
「お、これで契約できたんだね」
『はい、これで私もマスターのサポートが色々とできます!』
ブロッサムはナビと契約した!!
0
お気に入りに追加
77
あなたにおすすめの小説

少し冷めた村人少年の冒険記
mizuno sei
ファンタジー
辺境の村に生まれた少年トーマ。実は日本でシステムエンジニアとして働き、過労死した三十前の男の生まれ変わりだった。
トーマの家は貧しい農家で、神から授かった能力も、村の人たちからは「はずれギフト」とさげすまれるわけの分からないものだった。
優しい家族のために、自分の食い扶持を減らそうと家を出る決心をしたトーマは、唯一無二の相棒、「心の声」である〈ナビ〉とともに、未知の世界へと旅立つのであった。

結婚30年、契約満了したので離婚しませんか?
おもちのかたまり
恋愛
恋愛・小説 11位になりました!
皆様ありがとうございます。
「私、旦那様とお付き合いも甘いやり取りもしたことが無いから…ごめんなさい、ちょっと他人事なのかも。もちろん、貴方達の事は心から愛しているし、命より大事よ。」
眉根を下げて笑う母様に、一発じゃあ足りないなこれは。と確信した。幸い僕も姉さん達も祝福持ちだ。父様のような力極振りではないけれど、三対一なら勝ち目はある。
「じゃあ母様は、父様が嫌で離婚するわけではないんですか?」
ケーキを幸せそうに頬張っている母様は、僕の言葉にきょとん。と目を見開いて。…もしかすると、母様にとって父様は、関心を向ける程の相手ではないのかもしれない。嫌な予感に、今日一番の寒気がする。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇
20年前に攻略対象だった父親と、悪役令嬢の取り巻きだった母親の現在のお話。
ハッピーエンド・バットエンド・メリーバットエンド・女性軽視・女性蔑視
上記に当てはまりますので、苦手な方、ご不快に感じる方はお気を付けください。

ユーヤのお気楽異世界転移
暇野無学
ファンタジー
死因は神様の当て逃げです! 地震による事故で死亡したのだが、原因は神社の扁額が当たっての即死。問題の神様は気まずさから俺を輪廻の輪から外し、異世界の神に俺をゆだねた。異世界への移住を渋る俺に、神様特典付きで異世界へ招待されたが・・・ この神様が超適当な健忘症タイプときた。

[完結] 邪魔をするなら潰すわよ?
シマ
ファンタジー
私はギルドが運営する治療院で働く治療師の一人、名前はルーシー。
クエストで大怪我したハンター達の治療に毎日、忙しい。そんなある日、騎士の格好をした一人の男が運び込まれた。
貴族のお偉いさんを魔物から護った騎士団の団長さんらしいけど、その場に置いていかれたの?でも、この傷は魔物にヤられたモノじゃないわよ?
魔法のある世界で亡くなった両親の代わりに兄妹を育てるルーシー。彼女は兄妹と静かに暮らしたいけど何やら回りが放ってくれない。
ルーシーが気になる団長さんに振り回されたり振り回したり。
私の生活を邪魔をするなら潰すわよ?
1月5日 誤字脱字修正 54話
★━戦闘シーンや猟奇的発言あり
流血シーンあり。
魔法・魔物あり。
ざぁま薄め。
恋愛要素あり。

勇者召喚に巻き込まれ、異世界転移・貰えたスキルも鑑定だけ・・・・だけど、何かあるはず!
よっしぃ
ファンタジー
9月11日、12日、ファンタジー部門2位達成中です!
僕はもうすぐ25歳になる常山 順平 24歳。
つねやま じゅんぺいと読む。
何処にでもいる普通のサラリーマン。
仕事帰りの電車で、吊革に捕まりうつらうつらしていると・・・・
突然気分が悪くなり、倒れそうになる。
周りを見ると、周りの人々もどんどん倒れている。明らかな異常事態。
何が起こったか分からないまま、気を失う。
気が付けば電車ではなく、どこかの建物。
周りにも人が倒れている。
僕と同じようなリーマンから、数人の女子高生や男子学生、仕事帰りの若い女性や、定年近いおっさんとか。
気が付けば誰かがしゃべってる。
どうやらよくある勇者召喚とやらが行われ、たまたま僕は異世界転移に巻き込まれたようだ。
そして・・・・帰るには、魔王を倒してもらう必要がある・・・・と。
想定外の人数がやって来たらしく、渡すギフト・・・・スキルらしいけど、それも数が限られていて、勇者として召喚した人以外、つまり巻き込まれて転移したその他大勢は、1人1つのギフト?スキルを。あとは支度金と装備一式を渡されるらしい。
どうしても無理な人は、戻ってきたら面倒を見ると。
一方的だが、日本に戻るには、勇者が魔王を倒すしかなく、それを待つのもよし、自ら勇者に協力するもよし・・・・
ですが、ここで問題が。
スキルやギフトにはそれぞれランク、格、強さがバラバラで・・・・
より良いスキルは早い者勝ち。
我も我もと群がる人々。
そんな中突き飛ばされて倒れる1人の女性が。
僕はその女性を助け・・・同じように突き飛ばされ、またもや気を失う。
気が付けば2人だけになっていて・・・・
スキルも2つしか残っていない。
一つは鑑定。
もう一つは家事全般。
両方とも微妙だ・・・・
彼女の名は才村 友郁
さいむら ゆか。 23歳。
今年社会人になりたて。
取り残された2人が、すったもんだで生き残り、最終的には成り上がるお話。


【完結】あなたに知られたくなかった
ここ
ファンタジー
セレナの幸せな生活はあっという間に消え去った。新しい継母と異母妹によって。
5歳まで令嬢として生きてきたセレナは6歳の今は、小さな手足で必死に下女見習いをしている。もう自分が令嬢だということは忘れていた。
そんなセレナに起きた奇跡とは?

強制力がなくなった世界に残されたものは
りりん
ファンタジー
一人の令嬢が処刑によってこの世を去った
令嬢を虐げていた者達、処刑に狂喜乱舞した者達、そして最愛の娘であったはずの令嬢を冷たく切り捨てた家族達
世界の強制力が解けたその瞬間、その世界はどうなるのか
その世界を狂わせたものは
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる