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【1部】第二章.やっと召喚されました
018
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騎士が慌てて何処かに行ったあと、私はひたすら色んなものを鑑定していた。勿論、一緒に召喚されてきた9人も鑑定してみた。
みんな勇者とか聖女とかすごい称号持ってるねー。スキルもしっかり3つ持ってるし、そりゃあ、あの騎士も私のステータス見て焦るよね…
そんな事を思いながら部屋を見回していると、騎士にしては荒々しい雰囲気の人が居たので、とりあえす鑑定してみた。
すると突然<<鑑定に失敗しました>>と頭の中に声が響いた。
ほえ??
頭の中に声が響いた瞬間、その荒々しい人がこちらをギッと睨みつけて、ずんずんと歩いてきた!!
えっ?やばい!!鑑定したのバレた??怒られる??スキル隠してたのにどうしよう…!?
荒々しい人は目を逸らさずに真っすぐこちらに歩いてきて、挙動不審になる私の横をすり抜けて行った。
良かった、バレて……
「相手の強さも分からずに鑑定なんぞ使うと身を滅ぼすぞ…次からは気を着けろ」
…なくなかった……
「ふぁい…!」
そう言い残して、その荒々しい人は部屋から出て行った。
変な返事しちゃったよ…でもこれは見逃してくれたの…かな…?
名前さえ分からなかった。もしかしたらレベル差がありすぎて見えないのかもしれない。
でもって、鑑定に失敗すると相手に気が付かれるのかも知れない。ていうか見ただけで相手の強さなんてわかりません。
これは使い方を考えないとだなぁ…
はあぁ…とため息をついていると、近くに居たスーツが声をかけてきた。
「えーと、山野樹さん…でいいんですかね?」
「はぁ…そうです山野です」
「ああ、良かった。さっきは突然知らない人のステータスが出てきてたのでびっくりしましたが、やはり近くにいたあなたのステータスだったんですね。私は前島秀臣といいます向こうではサラリーマンしてました」
「ああ、そうですか…私は無職です」
「ああー…では就職活動をされていたんですね。スーツ着ていらっしゃいますし。パンツスーツ似合ってますね」
「えぇ、まぁ、そんなところです…」
本当は29歳の会社員ですよ。ブラック企業で使い倒されてました。とは言わない。
ていうか何だろうこの距離無し感。
「しかし山野さんは何でスキル一つしか貰わなかったんですか?神様はくれる個数指定してなかったのに、勿体ない事しましたねー、あんなの利用しない手は無いのに」
「欲しいなって思うスキルがあれだけだったので…」
この人かぁ、ミルス様が言ってた貰えるスキルの数に気が付いたもう一人って。ポージングしてた青年じゃなかった。でもこの人ちょっと失礼な感じね。隠してたスキルもやばいし…関わらんどこ。
そう思って距離を取ろうとするが、スーツは更に話しかけてきた。
「そういえば、スライムがお好きなんですか?」
「へっ?」
「いえ、スライムテイムなんていうスキルを貰ってたみたいなので」
「ああ、こっちの世界のスライムがどんな見た目なのか知らないですけど、某RPGの有名な青いスライムみたいな感じだったら沢山集めたいなーって思いまして。キングになったら更に可愛いじゃないですか」
とりあえず適当な理由を喋っておく。
うん、あのゲームのスライムも好きだから嘘は言ってない。
「なるほど…そういう事ですか、俺はてっきりそういうプレイがお好きなのかと…」
「やだー!!何ですかそれー!!そんなわけないじゃないですかー」
何言ってんだこいつ…女性に対してそんな事言えるとかちょっとアレな人だわ。
ムリムリムリー!!
じわりじわりとスーツから距離を取っていると、王様に会う前に別の部屋に移動する事になった。
召喚された部屋から廊下にでたところで眼鏡の優男に声を掛けられた。
「すみませんヤマノ様。宰相様があなたと直にお話がしたいとの事で…皆様とは別のお部屋へ案内させていただきます…」
お、遂に追い出しかなー!
「あ、はい分かりましたー」
私はウキウキで、眼鏡の後ろをついて行った。
みんな勇者とか聖女とかすごい称号持ってるねー。スキルもしっかり3つ持ってるし、そりゃあ、あの騎士も私のステータス見て焦るよね…
そんな事を思いながら部屋を見回していると、騎士にしては荒々しい雰囲気の人が居たので、とりあえす鑑定してみた。
すると突然<<鑑定に失敗しました>>と頭の中に声が響いた。
ほえ??
頭の中に声が響いた瞬間、その荒々しい人がこちらをギッと睨みつけて、ずんずんと歩いてきた!!
えっ?やばい!!鑑定したのバレた??怒られる??スキル隠してたのにどうしよう…!?
荒々しい人は目を逸らさずに真っすぐこちらに歩いてきて、挙動不審になる私の横をすり抜けて行った。
良かった、バレて……
「相手の強さも分からずに鑑定なんぞ使うと身を滅ぼすぞ…次からは気を着けろ」
…なくなかった……
「ふぁい…!」
そう言い残して、その荒々しい人は部屋から出て行った。
変な返事しちゃったよ…でもこれは見逃してくれたの…かな…?
名前さえ分からなかった。もしかしたらレベル差がありすぎて見えないのかもしれない。
でもって、鑑定に失敗すると相手に気が付かれるのかも知れない。ていうか見ただけで相手の強さなんてわかりません。
これは使い方を考えないとだなぁ…
はあぁ…とため息をついていると、近くに居たスーツが声をかけてきた。
「えーと、山野樹さん…でいいんですかね?」
「はぁ…そうです山野です」
「ああ、良かった。さっきは突然知らない人のステータスが出てきてたのでびっくりしましたが、やはり近くにいたあなたのステータスだったんですね。私は前島秀臣といいます向こうではサラリーマンしてました」
「ああ、そうですか…私は無職です」
「ああー…では就職活動をされていたんですね。スーツ着ていらっしゃいますし。パンツスーツ似合ってますね」
「えぇ、まぁ、そんなところです…」
本当は29歳の会社員ですよ。ブラック企業で使い倒されてました。とは言わない。
ていうか何だろうこの距離無し感。
「しかし山野さんは何でスキル一つしか貰わなかったんですか?神様はくれる個数指定してなかったのに、勿体ない事しましたねー、あんなの利用しない手は無いのに」
「欲しいなって思うスキルがあれだけだったので…」
この人かぁ、ミルス様が言ってた貰えるスキルの数に気が付いたもう一人って。ポージングしてた青年じゃなかった。でもこの人ちょっと失礼な感じね。隠してたスキルもやばいし…関わらんどこ。
そう思って距離を取ろうとするが、スーツは更に話しかけてきた。
「そういえば、スライムがお好きなんですか?」
「へっ?」
「いえ、スライムテイムなんていうスキルを貰ってたみたいなので」
「ああ、こっちの世界のスライムがどんな見た目なのか知らないですけど、某RPGの有名な青いスライムみたいな感じだったら沢山集めたいなーって思いまして。キングになったら更に可愛いじゃないですか」
とりあえず適当な理由を喋っておく。
うん、あのゲームのスライムも好きだから嘘は言ってない。
「なるほど…そういう事ですか、俺はてっきりそういうプレイがお好きなのかと…」
「やだー!!何ですかそれー!!そんなわけないじゃないですかー」
何言ってんだこいつ…女性に対してそんな事言えるとかちょっとアレな人だわ。
ムリムリムリー!!
じわりじわりとスーツから距離を取っていると、王様に会う前に別の部屋に移動する事になった。
召喚された部屋から廊下にでたところで眼鏡の優男に声を掛けられた。
「すみませんヤマノ様。宰相様があなたと直にお話がしたいとの事で…皆様とは別のお部屋へ案内させていただきます…」
お、遂に追い出しかなー!
「あ、はい分かりましたー」
私はウキウキで、眼鏡の後ろをついて行った。
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