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【1部】第一章.異世界生活を始める前の長い長い準備
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自分のステータスは分かった。
だけど、これから召喚した国に行く前にやらなければいけない事が残ってる。
「あら?何か問題でもあったのかしら?」
思考を読んだミルス様が声をかけてくる。
うーん…もういいや…。
「問題と言うわけでは無いのですが…召喚されたら王様に会いますよね?」
「ええ、きっと会うわね」
「そしたら、お約束的な感じでステータスを確認されると思うんですよ」
「そうねぇ、グラム国王は最初の召喚から召喚された人のステータス確認していたわね」
そう、自分が召喚した人間達の能力を把握するのは基本中の基本だ。
そこで、これだけの数のスキルを持っているのが分かったら絶対に使い倒される。
「「あー、やっぱりそこ気にするんだ?」」
これはもう一人の人も同じ事言った感じかな?
「そりゃぁ、スキル大量持ちなんて召喚した側にしてみれば良いカモですから、というかそこを狙っての召喚でしょ?」
「そうね、自動付与していたとは言え、鑑定とアイテムボックスを与えているものねぇ…」
あの二つはかなり便利なスキルだから…とミルス様。
「そうですよね。しかも召喚した人間は確実に持ってるスキルじゃないですか。だからこそ、スキルの一部を隠したり改ざんしたいんです」
何というか、異世界召喚では鉄板だよね。ステータスの隠蔽と改ざんって。
「ふむ、スキルを隠したいのか。分かったやり方を教えよう」
「ありがとうございます。あ、あと、私、名前変えたいんです!!」
「「名前を?」」
私の突然の申し出に、二人とも首をかしげる。
「きっと、召喚した人間の名前はしっかり記録に残すと思うんですよね、万が一逃亡されても探せるように」
それに、せっかく異世界で新しい生活を始めるのだ、いっそ本名を変えてフォンティーの住人として溶け込みたい。
「だから、名前も偽造したいんです」
「んー?なるほど??」
あまりピンと来ていない2柱の神様。
「つまり、一時的な偽名を「山野 樹」にして、本当の名前を別の名前にするって事かしら?」
「そうです、日本での名前をあえて偽名と位置付けて、新しい名前を本名にしたいんです」
「樹ちゃんって面白い事考えるわねぇ…」
ゲームで自分のアバターとなるキャラクターに名前を付けるのと少し似ているのかもしれない。
自分ではない自分になる。そんな感じ。
「良く解らんが、とりあえずおぬしが色々隠したいのは理解した。名前を変えるのは後にして、隠蔽と改ざんのやり方を教えるからしっかり聞くんじゃぞ」
「ありがとうございます」
ステータスの隠蔽も改ざんも、手順は殆ど一緒だった。
まずは自分だけにステータスが見えるように「ステータス」と唱える。
その後、表示されたステータスの、隠したいスキルや照合の文字に軽く触れると
【この項目を隠しますか?】はい/いいえ
というポップが出てくる。ここで【はい】を選べばそれで隠蔽完了だ。
隠したスキルは、文字の色が白から薄灰色に変化するのでわかりやすい。
再度表示したい場合も同じ手順をすればいい。
改ざんしたい項目も同じように文字に触れると、今度は文字を入力するポップが出てくるので、数字や文字を書きかえれば良い。
こうやって隠したり改ざんしたステータスは、それこそ真贋スキルや看破スキルというものでしか見破ることが出来なくなる。
グラームス様によれば、真贋スキルは私しか持っていないし、看破スキルも持っている人間は殆どいないので、見破られる心配はほぼないそうだ。
だけど、これから召喚した国に行く前にやらなければいけない事が残ってる。
「あら?何か問題でもあったのかしら?」
思考を読んだミルス様が声をかけてくる。
うーん…もういいや…。
「問題と言うわけでは無いのですが…召喚されたら王様に会いますよね?」
「ええ、きっと会うわね」
「そしたら、お約束的な感じでステータスを確認されると思うんですよ」
「そうねぇ、グラム国王は最初の召喚から召喚された人のステータス確認していたわね」
そう、自分が召喚した人間達の能力を把握するのは基本中の基本だ。
そこで、これだけの数のスキルを持っているのが分かったら絶対に使い倒される。
「「あー、やっぱりそこ気にするんだ?」」
これはもう一人の人も同じ事言った感じかな?
「そりゃぁ、スキル大量持ちなんて召喚した側にしてみれば良いカモですから、というかそこを狙っての召喚でしょ?」
「そうね、自動付与していたとは言え、鑑定とアイテムボックスを与えているものねぇ…」
あの二つはかなり便利なスキルだから…とミルス様。
「そうですよね。しかも召喚した人間は確実に持ってるスキルじゃないですか。だからこそ、スキルの一部を隠したり改ざんしたいんです」
何というか、異世界召喚では鉄板だよね。ステータスの隠蔽と改ざんって。
「ふむ、スキルを隠したいのか。分かったやり方を教えよう」
「ありがとうございます。あ、あと、私、名前変えたいんです!!」
「「名前を?」」
私の突然の申し出に、二人とも首をかしげる。
「きっと、召喚した人間の名前はしっかり記録に残すと思うんですよね、万が一逃亡されても探せるように」
それに、せっかく異世界で新しい生活を始めるのだ、いっそ本名を変えてフォンティーの住人として溶け込みたい。
「だから、名前も偽造したいんです」
「んー?なるほど??」
あまりピンと来ていない2柱の神様。
「つまり、一時的な偽名を「山野 樹」にして、本当の名前を別の名前にするって事かしら?」
「そうです、日本での名前をあえて偽名と位置付けて、新しい名前を本名にしたいんです」
「樹ちゃんって面白い事考えるわねぇ…」
ゲームで自分のアバターとなるキャラクターに名前を付けるのと少し似ているのかもしれない。
自分ではない自分になる。そんな感じ。
「良く解らんが、とりあえずおぬしが色々隠したいのは理解した。名前を変えるのは後にして、隠蔽と改ざんのやり方を教えるからしっかり聞くんじゃぞ」
「ありがとうございます」
ステータスの隠蔽も改ざんも、手順は殆ど一緒だった。
まずは自分だけにステータスが見えるように「ステータス」と唱える。
その後、表示されたステータスの、隠したいスキルや照合の文字に軽く触れると
【この項目を隠しますか?】はい/いいえ
というポップが出てくる。ここで【はい】を選べばそれで隠蔽完了だ。
隠したスキルは、文字の色が白から薄灰色に変化するのでわかりやすい。
再度表示したい場合も同じ手順をすればいい。
改ざんしたい項目も同じように文字に触れると、今度は文字を入力するポップが出てくるので、数字や文字を書きかえれば良い。
こうやって隠したり改ざんしたステータスは、それこそ真贋スキルや看破スキルというものでしか見破ることが出来なくなる。
グラームス様によれば、真贋スキルは私しか持っていないし、看破スキルも持っている人間は殆どいないので、見破られる心配はほぼないそうだ。
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