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プロローグ

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この世界には、いくつかの種族が存在している。

光の女神ライトに作られた天使、魔神ダークに作られた魔族。
そして、二神に作られた、精霊、人間、エルフ、ドワーフたち。

二つの神は、それぞれの種族に得意とする才能を与えた。

天使と魔族には、絶対的な光と闇の力を与え、それぞれの神を支える存在となった。光と闇は決して争わない。どちらが欠けてもお互いに存在出来ないと理解しているから。

精霊には、神々の世界とこの世界を行き来する力を。エルフには森の民たる弓と魔法の力を。ドワーフには大地の民としての技術とあらゆるものを見分ける慧眼を与えた。

最後に人間には、ほどほどの魔力と、ほどほどの知恵を与えた。他の種族より短命で脆い肉体を持つ人間には、それ以上の才能を与えることが出来なかったのだ。

力無い人間たちは他種族の良い奴隷となり、屈辱の中で生きるしかなかったのだった。


こうして世界は四千年という時間をかけゆっくりと、しかし確実に育って行った。


そしてある時、奴隷に甘んじていた人間に転機が訪れた。
聖女と名乗る少女が、広大な森と緑豊かな平原一帯に結界を張ったのだ。

「これより、この地は人間の安息の地となろう。この結界の中には人間以外は入ることが出来ぬ。今日よりここは我ら人間の王国とする」

聖女はそう宣言すると、共に旅をしていた男を玉座に据え、己は結果の維持に努めたのだった。

噂を聞き、この地に逃げ込んだ人間は多くいた。聖女と王はこれらの人間を寛容に受けいれ、王国はどんどんと発展していったのだった。

これがツイース王国の始まりである。
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