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第3話
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舞台を見に行ってからステフィは事あるごとにヴェルナーの素晴らしさを熱弁し、今度はいつ彼を目撃出来るかと王宮の行事を洗い出し作戦を練っていた。そしてある日、ステフィが興奮した様子でミッシェル家の屋敷にやって来た。
「カーラ!!ヴェルナー様を見られる事になったわ!!」
「ステフィ、良かったわね。それにしてもどうやって?」
「今度、宮廷でリーブシス王国の貴賓を招いた舞踏会があるでしょう?」
「ええ。そうらしいわね」
下位の伯爵家には関係のない舞踏会だけれども。
「行けることになったのよ!!」
「え!?」
「お父様の友人の友人の叔父の弟の御子息達がその舞踏会に行くらしいんだけれど、一緒に行くご令嬢を探しているんですって!!それに立候補したわ!」
「そ、そうなの、良かったわね!」
ステフィの好きなものにかける情熱は凄いわね。
「ええ!これで、間近で仕事をするヴェルナー様を見放題!!」
ステフィは満面の笑みで飛び上がりそうな程の喜びようだ。
「良かったじゃない。王子の近衛騎士じゃあ、なかなか遠目から見る事も出来ないものね」
「ええ。そうなの!!」
「楽しんできてね」
すると、ステフィはキョトンとした顔でのカーラを見つめた。
「何言ってるの?カーラも一緒に行くのよ!」
「え!?どういう事!?」
「お父様の友人の友人の叔父の弟の御子息はご兄弟で2人とも相手のご令嬢を探していたの!だから、カーラも立候補しといたわ!」
「な、なんて事を……」
カーラは前世の自分が宮廷の舞踏会で婚約者の王子に婚約破棄を告げられ、皆の前でプライドをズタズタにされたあの悪夢が呼び起こされる。
今の自分には関係ないと分かっていても、積極的に行きたいと思える場所ではなかった。
「お願い!一人じゃあ、宮廷の舞踏会なんて気が引けちゃうもの。その点カーラはどんな場所でも堂々としてるし、一緒に行ってくれたら心強いのよ!」
親友のステフィの願いを無下にする事も出来ず、カーラは苦悩の表情を浮かべた。
うーん。まあ、今の私が宮廷の舞踏会に行った所で何があるわけでもないし、ステフィの事も心配だし……。
「仕方がないわね。分かったわ」
「ありがとう!カーラ!!」
ステフィは嬉しそうにカーラに抱きついて喜んだのだった。
「カーラ!!ヴェルナー様を見られる事になったわ!!」
「ステフィ、良かったわね。それにしてもどうやって?」
「今度、宮廷でリーブシス王国の貴賓を招いた舞踏会があるでしょう?」
「ええ。そうらしいわね」
下位の伯爵家には関係のない舞踏会だけれども。
「行けることになったのよ!!」
「え!?」
「お父様の友人の友人の叔父の弟の御子息達がその舞踏会に行くらしいんだけれど、一緒に行くご令嬢を探しているんですって!!それに立候補したわ!」
「そ、そうなの、良かったわね!」
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「ええ!これで、間近で仕事をするヴェルナー様を見放題!!」
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「ええ。そうなの!!」
「楽しんできてね」
すると、ステフィはキョトンとした顔でのカーラを見つめた。
「何言ってるの?カーラも一緒に行くのよ!」
「え!?どういう事!?」
「お父様の友人の友人の叔父の弟の御子息はご兄弟で2人とも相手のご令嬢を探していたの!だから、カーラも立候補しといたわ!」
「な、なんて事を……」
カーラは前世の自分が宮廷の舞踏会で婚約者の王子に婚約破棄を告げられ、皆の前でプライドをズタズタにされたあの悪夢が呼び起こされる。
今の自分には関係ないと分かっていても、積極的に行きたいと思える場所ではなかった。
「お願い!一人じゃあ、宮廷の舞踏会なんて気が引けちゃうもの。その点カーラはどんな場所でも堂々としてるし、一緒に行ってくれたら心強いのよ!」
親友のステフィの願いを無下にする事も出来ず、カーラは苦悩の表情を浮かべた。
うーん。まあ、今の私が宮廷の舞踏会に行った所で何があるわけでもないし、ステフィの事も心配だし……。
「仕方がないわね。分かったわ」
「ありがとう!カーラ!!」
ステフィは嬉しそうにカーラに抱きついて喜んだのだった。
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