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婚約者の
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『透か?』
「……悠輔」
『久しぶりだな、俺のかわいい人魚姫』
知らない番号だったから油断した。生田からの連絡だと思って出たのだが、元彼の西園寺悠輔からの電話だった。
半年後には帰国すると言って、西園寺がニースへ発ってから半年以上が経過していた。
久世は無言のまま電話を切ろうとした。
『生田くんは結婚したんだろう?』
切ろうとした瞬間に聞こえたその言葉に、久世は思わずスマホを耳に当て直した。
『切るなよ。暇だろ? 俺の親父が休暇中で、お前の仕事も一区切りついたところのはずだ。愛しの生田くんもいないことだし』
久世は西園寺の父親である西園寺議員の秘書官を務めている。
「なぜ雅紀が結婚したなどと言う」
『俺の耳はあちこちにあるからな。それより自宅前だ。下りてこい』
「もう二度と会わないと言ったはずだ」
『生田くんのことが気にならないか? 連絡がつかないだろう?』
確かに生田とは連絡がつかないどころか、どこにいて何をしているのかの情報もなかった。
消えたその日に職場に問い合わせると、いきなり前日に有給休暇を申請してきて二週間は出勤しないと、それしか知らない様子だった。生田の兄である宏紀に電話をしたが、連絡はないと言うので、心配はかけないようにとそれだけで通話を切った。共通の知人にも連絡をしてみたが、誰も何も知らなかった。
それから五日、生田がよく行く店や二人で行った場所など、思いつく限りを探し回ったが、合間に仕事もあるから思うように探せず、情報も得られないでいた。
そんな久世の様子をまるで見ていたかのような物言いと、生田の情報をチラつかせる西園寺に、久世は抵抗を諦めた。
無言のまま通話を切って、マンションのエントランスへ向かう。自動ドアをくぐると、目の前の道路に真っ赤なジャガーが停まっていた。
運転席には見知らぬ人物が座っている。西園寺の車ではないのか?
そう思った瞬間、後部座席のサイドウィンドウが下がり、西園寺が顔を覗かせた。
「乗れよ」
久世は言われるがまま乗り込んだ。
「久しぶりだな」
そう言ってこちらへ向けた西園寺の顔に、久世は驚いた。
「あはは! そんな顔をするな。生きてるんだから」
西園寺の左顔面は火傷の跡があり、端正な顔立ちは半分歪んでいた。
驚きで声を失っている久世を、ニヤニヤとして見ながら西園寺は続ける。
「先に言うが、こうなっても以前と変わりなくお前のことを可愛がることはできる。安心しろ」
そう言って左腕をひらひらとさせた。
半袖のTシャツから伸びるその腕には、肘から先がなかった。
「足は骨折だけで済んだ。運転していた恋人は死んだ」
久世は悲痛に顔を歪ませて、西園寺から視線を逸らした。
西園寺はニヤニヤとしていた笑みを止め、無言で前を向いた。
車は高級ホテルの駐車場へと入っていく。停車すると、久世は西園寺に促され、車を降りてエレベーターに乗った。
最上階に着いた。エレベーターが開いたそのフロアにはドアが一つしかなかった。
運転していた人物も二人の後ろをついてくる。久世は見ないようにしていたが、チラッと盗み見た限りは女性のようだった。
青味がかったとも言える黒い髪はショートに刈り上げられ、ほっそりとした肢体を革のジャケットとパンツで包んでいる。サングラスも革靴も、上から下まで真っ黒だった。赤く塗られた唇以外は。
部屋に入るやいなや、西園寺はバーカウンターからブランデーをグラスに注いで飲み始めた。
久世にも一つ差し出す。久世はそれを受け取って一口飲んだ。
三人共ここまで無言である。
「さて」
ソファに深々と背中を預けて座り込んだ西園寺が口を開いた。
「どうする? 婚約者同士二人きりにしてやろうか? それとも三人でヤるか?」
久世はグラスを手に持ったまま、何度目かの驚きの目を西園寺に向けた。
「山科晶だ」
久世を見て再びニヤニヤとした含みのある笑みを浮かべた西園寺は説明を始めた。
「元は俺の婚約者になるはずだった。が、俺の親父は意外とお前のことを気に入ったようでな。お前の爺さんじゃなくて、そのまま自分の派閥に置いておきたいらしい。その晶はうちの親父を援助してる財閥のうちの一つ、山科家の一人娘だ」
久世は晶の方へ振り向いたが、晶は腕を組んで立ったまま微動だにしない。
「晶も飲めよ。あと、二人とも座れ。なんだこの状況」
西園寺は陽気に言った。
「シャンパンがいい」
晶が初めて口を開いた。中性的な見た目とは裏腹に女性的なその声は、ソプラノ歌手のように澄んでいる。
西園寺は備え付けの電話機を取り上げて注文した。
晶は近くにあった一人掛けのソファに腰を下ろすと、煙草に火をつけた。
サングラスで視線はわからないが、なぜか久世は見られているような気がした。上から下まで、まるで値踏みでもするかのように。
シャンパンが届けられたが、二人は座ったまま動かない。見かねた久世が台車を運んできて、コルクを開けてグラスに注ぐ。
「俺は要らん」
西園寺が言ったので、久世は二つのグラスに入れた。
手に持ったまま、晶に手渡そうか躊躇っていると、晶は立ち上がって近寄ってきた。そしておもむろにシャンパンボトルの方を手に取って、ラッパ飲みをした。
「……こんなもんか」
半分ほど一気に飲んだ後そう言った。
西園寺は笑い声を上げた。
「紹介は済んだようだな」
「いや、まだ……、あの……久世です」
久世が晶に向かって、おずおずと言った。
「知ってる」
晶は無表情のままそう言うと、再びボトルをラッパ飲みした。
10秒ほど沈黙が下りた。
「……なんだよ、邪魔か? 俺は消えようか?」
西園寺が笑いながら言う。
「……雅紀のことを話せ」
久世は西園寺を睨みつけて言った。
「ああ、生田くん!」
西園寺は今思い出したような仕草をした。
「これ以上話すことがあるか? 生田くんは我が子を身籠った女のために青森へ馳せ参じた。そして謝罪とプロポーズ。来月子どもが生まれたら三人で新生活。以上だ」
「……何を言っている」
久世はその説明を受け入れられず、混乱しながらも、なぜか本当のことのような気がして震え始めた。
「事実だ」
西園寺は飄々とした様子だ。
「なぜ俺が知らないことをお前が知っている!」
久世は声を荒げた。
「……そんなこと山のようにある。お前、何も知らないだろう? 知ろうともしない。俺の親父の側にいながら俺の事故のことも知らない。生田くんの側にいて彼の変化に気がつかないのも当然だろう」
西園寺のことと生田のことは別の話だと思いながらも、生田の出ていった理由がわからない久世は、言い返せない。
「もう少し話をしてやろう。俺は優しいからな。……生田くんの元彼女は身籠っていたけど、生田くんとは結婚できないだろうと思って一人で産むつもりだった。しかしそれを知った彼女の親は生田くんを探した。ようやく見つけて彼にそれを伝えた」
久世は西園寺を睨みつけながら話の続きを待っている。
「……それを聞いた生田くんは、すぐに青森へ駆けつけた。それが、えーっと……五日前か? 生田くんはその場で結婚を申し込んだ。いい男じゃないか」
久世は嘘だと思ったが、思いたかっただけかもしれない。
西園寺の説明を頭の中で繰り返すほど、五日前の夜の生田の涙に納得がいった。
このような形で自分の元を去った理由は、それ以外にないと思えるほど自然な説明だった。
久世は涙が込み上げてきた。
西園寺の前どころか、会ったばかりの女性の前で泣くわけにはいかないと思ったが、生田の涙の理由と、生田を永遠に失わなければならないことを思うと、こみ上げる涙を止められなかった。
視線を西園寺から逸らして、窓の方へ歩み寄った。
西園寺は立ち上がり、久世の側へいった。
「まあ、飲めよ。失恋ほど気分の悪いものはない」
西園寺は残った方の手で、ブランデーの入ったグラスを久世に差し出した。
涙で濡れた目で、久世はそのグラスを見る。
同時に西園寺の失われた左手を思い出した。
俺は雅紀を失ったが、悠輔も手と顔の半分を失ったのか。……それに恋人も。
ふと、そう繋げて考えて、久世は素直にグラスを受け取った。
西園寺はニヤリと笑うと、シャツのボタンを外して身体をさらけ出した。
そこには、顔と同様、首から胸にかけて火傷の跡が痛々しく残っていた。
「筋肉が衰えたのが一番堪える」
西園寺はそう言ってまた笑った。西園寺の表情には悲しみも悔しさも感じられない。以前と全く変わりがないように見える。
「そんな顔をするな。勃たないだろ。気分の乗らないやつを無理矢理やるのは趣味じゃないと言ったはずだ」
西園寺は半分ほどグラスに残っていたブランデーを一気に飲み干した。
「泣くのは今だけにしろ」
そう言って、バーカウンターへと向かった。
久世の涙は止まっていた。
混乱していて冷静になれない。
雅紀にはもう会えないのだろうか。
なぜ俺に何も言わずに行ってしまったのだ。
話くらいしてくれても良かっただろう。
会いに来るなと言うことなのか。
それ以外に、今は考えることができなかった。
「……悠輔」
『久しぶりだな、俺のかわいい人魚姫』
知らない番号だったから油断した。生田からの連絡だと思って出たのだが、元彼の西園寺悠輔からの電話だった。
半年後には帰国すると言って、西園寺がニースへ発ってから半年以上が経過していた。
久世は無言のまま電話を切ろうとした。
『生田くんは結婚したんだろう?』
切ろうとした瞬間に聞こえたその言葉に、久世は思わずスマホを耳に当て直した。
『切るなよ。暇だろ? 俺の親父が休暇中で、お前の仕事も一区切りついたところのはずだ。愛しの生田くんもいないことだし』
久世は西園寺の父親である西園寺議員の秘書官を務めている。
「なぜ雅紀が結婚したなどと言う」
『俺の耳はあちこちにあるからな。それより自宅前だ。下りてこい』
「もう二度と会わないと言ったはずだ」
『生田くんのことが気にならないか? 連絡がつかないだろう?』
確かに生田とは連絡がつかないどころか、どこにいて何をしているのかの情報もなかった。
消えたその日に職場に問い合わせると、いきなり前日に有給休暇を申請してきて二週間は出勤しないと、それしか知らない様子だった。生田の兄である宏紀に電話をしたが、連絡はないと言うので、心配はかけないようにとそれだけで通話を切った。共通の知人にも連絡をしてみたが、誰も何も知らなかった。
それから五日、生田がよく行く店や二人で行った場所など、思いつく限りを探し回ったが、合間に仕事もあるから思うように探せず、情報も得られないでいた。
そんな久世の様子をまるで見ていたかのような物言いと、生田の情報をチラつかせる西園寺に、久世は抵抗を諦めた。
無言のまま通話を切って、マンションのエントランスへ向かう。自動ドアをくぐると、目の前の道路に真っ赤なジャガーが停まっていた。
運転席には見知らぬ人物が座っている。西園寺の車ではないのか?
そう思った瞬間、後部座席のサイドウィンドウが下がり、西園寺が顔を覗かせた。
「乗れよ」
久世は言われるがまま乗り込んだ。
「久しぶりだな」
そう言ってこちらへ向けた西園寺の顔に、久世は驚いた。
「あはは! そんな顔をするな。生きてるんだから」
西園寺の左顔面は火傷の跡があり、端正な顔立ちは半分歪んでいた。
驚きで声を失っている久世を、ニヤニヤとして見ながら西園寺は続ける。
「先に言うが、こうなっても以前と変わりなくお前のことを可愛がることはできる。安心しろ」
そう言って左腕をひらひらとさせた。
半袖のTシャツから伸びるその腕には、肘から先がなかった。
「足は骨折だけで済んだ。運転していた恋人は死んだ」
久世は悲痛に顔を歪ませて、西園寺から視線を逸らした。
西園寺はニヤニヤとしていた笑みを止め、無言で前を向いた。
車は高級ホテルの駐車場へと入っていく。停車すると、久世は西園寺に促され、車を降りてエレベーターに乗った。
最上階に着いた。エレベーターが開いたそのフロアにはドアが一つしかなかった。
運転していた人物も二人の後ろをついてくる。久世は見ないようにしていたが、チラッと盗み見た限りは女性のようだった。
青味がかったとも言える黒い髪はショートに刈り上げられ、ほっそりとした肢体を革のジャケットとパンツで包んでいる。サングラスも革靴も、上から下まで真っ黒だった。赤く塗られた唇以外は。
部屋に入るやいなや、西園寺はバーカウンターからブランデーをグラスに注いで飲み始めた。
久世にも一つ差し出す。久世はそれを受け取って一口飲んだ。
三人共ここまで無言である。
「さて」
ソファに深々と背中を預けて座り込んだ西園寺が口を開いた。
「どうする? 婚約者同士二人きりにしてやろうか? それとも三人でヤるか?」
久世はグラスを手に持ったまま、何度目かの驚きの目を西園寺に向けた。
「山科晶だ」
久世を見て再びニヤニヤとした含みのある笑みを浮かべた西園寺は説明を始めた。
「元は俺の婚約者になるはずだった。が、俺の親父は意外とお前のことを気に入ったようでな。お前の爺さんじゃなくて、そのまま自分の派閥に置いておきたいらしい。その晶はうちの親父を援助してる財閥のうちの一つ、山科家の一人娘だ」
久世は晶の方へ振り向いたが、晶は腕を組んで立ったまま微動だにしない。
「晶も飲めよ。あと、二人とも座れ。なんだこの状況」
西園寺は陽気に言った。
「シャンパンがいい」
晶が初めて口を開いた。中性的な見た目とは裏腹に女性的なその声は、ソプラノ歌手のように澄んでいる。
西園寺は備え付けの電話機を取り上げて注文した。
晶は近くにあった一人掛けのソファに腰を下ろすと、煙草に火をつけた。
サングラスで視線はわからないが、なぜか久世は見られているような気がした。上から下まで、まるで値踏みでもするかのように。
シャンパンが届けられたが、二人は座ったまま動かない。見かねた久世が台車を運んできて、コルクを開けてグラスに注ぐ。
「俺は要らん」
西園寺が言ったので、久世は二つのグラスに入れた。
手に持ったまま、晶に手渡そうか躊躇っていると、晶は立ち上がって近寄ってきた。そしておもむろにシャンパンボトルの方を手に取って、ラッパ飲みをした。
「……こんなもんか」
半分ほど一気に飲んだ後そう言った。
西園寺は笑い声を上げた。
「紹介は済んだようだな」
「いや、まだ……、あの……久世です」
久世が晶に向かって、おずおずと言った。
「知ってる」
晶は無表情のままそう言うと、再びボトルをラッパ飲みした。
10秒ほど沈黙が下りた。
「……なんだよ、邪魔か? 俺は消えようか?」
西園寺が笑いながら言う。
「……雅紀のことを話せ」
久世は西園寺を睨みつけて言った。
「ああ、生田くん!」
西園寺は今思い出したような仕草をした。
「これ以上話すことがあるか? 生田くんは我が子を身籠った女のために青森へ馳せ参じた。そして謝罪とプロポーズ。来月子どもが生まれたら三人で新生活。以上だ」
「……何を言っている」
久世はその説明を受け入れられず、混乱しながらも、なぜか本当のことのような気がして震え始めた。
「事実だ」
西園寺は飄々とした様子だ。
「なぜ俺が知らないことをお前が知っている!」
久世は声を荒げた。
「……そんなこと山のようにある。お前、何も知らないだろう? 知ろうともしない。俺の親父の側にいながら俺の事故のことも知らない。生田くんの側にいて彼の変化に気がつかないのも当然だろう」
西園寺のことと生田のことは別の話だと思いながらも、生田の出ていった理由がわからない久世は、言い返せない。
「もう少し話をしてやろう。俺は優しいからな。……生田くんの元彼女は身籠っていたけど、生田くんとは結婚できないだろうと思って一人で産むつもりだった。しかしそれを知った彼女の親は生田くんを探した。ようやく見つけて彼にそれを伝えた」
久世は西園寺を睨みつけながら話の続きを待っている。
「……それを聞いた生田くんは、すぐに青森へ駆けつけた。それが、えーっと……五日前か? 生田くんはその場で結婚を申し込んだ。いい男じゃないか」
久世は嘘だと思ったが、思いたかっただけかもしれない。
西園寺の説明を頭の中で繰り返すほど、五日前の夜の生田の涙に納得がいった。
このような形で自分の元を去った理由は、それ以外にないと思えるほど自然な説明だった。
久世は涙が込み上げてきた。
西園寺の前どころか、会ったばかりの女性の前で泣くわけにはいかないと思ったが、生田の涙の理由と、生田を永遠に失わなければならないことを思うと、こみ上げる涙を止められなかった。
視線を西園寺から逸らして、窓の方へ歩み寄った。
西園寺は立ち上がり、久世の側へいった。
「まあ、飲めよ。失恋ほど気分の悪いものはない」
西園寺は残った方の手で、ブランデーの入ったグラスを久世に差し出した。
涙で濡れた目で、久世はそのグラスを見る。
同時に西園寺の失われた左手を思い出した。
俺は雅紀を失ったが、悠輔も手と顔の半分を失ったのか。……それに恋人も。
ふと、そう繋げて考えて、久世は素直にグラスを受け取った。
西園寺はニヤリと笑うと、シャツのボタンを外して身体をさらけ出した。
そこには、顔と同様、首から胸にかけて火傷の跡が痛々しく残っていた。
「筋肉が衰えたのが一番堪える」
西園寺はそう言ってまた笑った。西園寺の表情には悲しみも悔しさも感じられない。以前と全く変わりがないように見える。
「そんな顔をするな。勃たないだろ。気分の乗らないやつを無理矢理やるのは趣味じゃないと言ったはずだ」
西園寺は半分ほどグラスに残っていたブランデーを一気に飲み干した。
「泣くのは今だけにしろ」
そう言って、バーカウンターへと向かった。
久世の涙は止まっていた。
混乱していて冷静になれない。
雅紀にはもう会えないのだろうか。
なぜ俺に何も言わずに行ってしまったのだ。
話くらいしてくれても良かっただろう。
会いに来るなと言うことなのか。
それ以外に、今は考えることができなかった。
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