29 / 40
29. 腹立ちはしないけど不愉快だわ
しおりを挟む
えーっと、どこだろう?
着地した森の中は、見渡しても人影どころか動物の姿もない。
ミスター・カーライルは魔力を感知できると言っていたけど、私にもできるかしら?
でも試してみなければ。こんな深い森を歩いて探しまわっていては日が暮れてしまう。
魔力を感知するというのはどういうことだろう?
視力も聴力も触覚も必要がないように思うから、耳を澄ますときに目をつぶって集中するように、五感をひとつひとつ減らして、感覚を絞っていけばいいのではないだろうか。
私は試してみるために深呼吸を繰り返し、心を鎮めようと集中した。
ん? なんだろう? 青い光のようなものが頭に浮かんできたような……この光が魔力?
……もう少しはっきりと掴めないかしら? ……うーん……
だめだ。掴めそうで掴めない。
なに? 誰かに呼ばれたような気がした。
「シュヴァリエ?」
あたりを見渡しながら力の限り声を出してみる。
しかし風が木々を揺らす音以外は何も聞こえない。
「ベルタン侯爵?」
もう一度叫んで耳を澄ませてみるが、反応はない。
やはり魔力で探ってみるしかないか……
再び深呼吸して、意識を集中する。
あ! すぐ近くに緑色の光があるような……
近くに誰かいるかもしれない、そう考えてもう一度呼びかけようと息を吸い込んだとき、すぐ近くで衝撃音がした。
なにかしら?
見ると、近くにある木の表面が小さく抉れていて、薄っすらと煙が上がっている。
直後にまた衝撃音。今度は別の木に──足元にも。
なに? あ、また!
確認する間もなく次々と私の周りに衝撃音が起きる。
光ってはいないが魔法だろうか? まただ! 考えている暇がない!
迷ったが、攻撃かもしれないと考えて防御魔法を張った。
すると遠くから会話をする人の声が聞こえてきた。
「令嬢だ」「なぜこんなところに?」「夢中で逃げてきたんじゃないか?」
声のする方を見ていると、三人の兵士が銃を片手に現れた。ケルマン兵の軍服を着ている。
ああ、なるほど。さっきの攻撃は銃撃だったのね。
「おい、女! 助けに来たぞ!」「俺たちの宿営地に来るといい」
兵士たちは近づいてくる。
「助けていただかなくても結構よ」
一人が腕を掴もうとしてきたので、振り払った。
「一人で不安だろう?」「ちゃんとランスの避難場所に送り届けてやるから」
「結構よ」また手が伸びてくるので、後退りをする。
助けるだなんて言ってるけど、何をされるかわかったものではないわ。面倒なことになる前に倒していいかしら? でも相手の武器はただの銃だから攻撃魔法を使うには忍びないし、護身術では手に余る。逃げ出すのはしゃくだし、どうしましょう?
「何をしている?」
次に聞こえてきた声は妙に威圧的だった。
声のする方を見ると、大柄な中年兵士が木々の間に立っていた。三人よりも立派な軍服を着ていて勲章もたくさんぶら下げている。ケルマン軍の将校ね。
その後ろに何人ものケルマン兵を従えている。
「ベッカー中将!」
三人のケルマン兵は姿勢を正して声を上げた。
「ご令嬢が道に迷われているそうです」
そんなこと一言も言っていないわよ。
ベッカー中将と呼ばれた中年将校は、こちらへ歩み寄りながら私の全身を舐めるように見る。
「お連れしろ」
「はっ!」
三人のケルマン兵が再び近づいてきた。
あー、もう、面倒どころじゃないわ!
ケルマン兵が何人もいるんだもの。忍びないなんて言ってられない! 攻撃魔法で撃退してやれ!
「あー、そのご令嬢は僕の連れです」
聞き覚えのある声……ベルタン侯爵だわ!
ベルタン侯爵が鷹揚な足取りで現れた。
片手を上げて愛想でも振りまくように笑顔を見せながら、兵士たちの間を縫うようにしてこちらへ向かってくる。
「申し訳ありません。避難の途中ではぐれてしまいまして」
将校の前を通り過ぎるときに、ベルタン侯爵は頭を下げた。
「失礼ですが」将校は片手を出して、ベルタン侯爵の歩みを阻む。
「こちらのご令嬢は私どもが安全に避難場所へ送り届けます」
ベルタン侯爵は笑顔のまま大袈裟な身振りで手を顔の前で振って、将校の手を避けようと横に移動した。
「いえ、その必要はありません」
しかし将校は剣を抜いて行く手をさらに遮る。
「貴様はランス軍の兵士だろう?」
将校に睨みつけられるが、ベルタン侯爵はにこやかな笑みを崩さない。
「軍服ではありませんよ」
「しかし物腰が軍人だ」
「本当ですか?」ベルタン侯爵は驚きの声をあげる。「遊びで剣術の真似事をしていた程度でも、そうおっしゃっていただけるとは」
言いながら、剣先を避けるように回り込んで歩みを進めようとする。
「動くな!」将校は剣を動かしてベルタン侯爵の眼前に向け、兵士たちの方を向いて叫んだ。「ご令嬢を!」
ベルタン侯爵は降参したように両手を顔の横に広げてみせた。
「だからと言って、ご令嬢をお連れする権利はあるのですか? 彼女をどうするおつもりですか? ちゃんと避難場所にお連れするつもりなら、なぜ僕から離そうとするんですか?」
ベルタン侯爵はじりじりと横に移動する。
「僕が兵士だとしても見るからに一人ですよ? ご令嬢は民間人なのですから、自国の者がいたら引き渡すべきでしょう?」
「そうだな」将校は剣を上へ振り上げた。「ランスの者がいたらそうするべきだが、今ここにそんな人間はいない」そのまま振り下ろす。
しかしベルタン侯爵に当たる寸前で、剣は何かに当たったかのようにして弾かれた。
将校は目を丸くしてベルタン侯爵と剣を交互に見ている。「どういうことだ?」
ベルタン侯爵は肩を竦めてみせる。
「なぜ当たらん?」
将校は激昂して何度も太刀も浴びせるが、ベルタン侯爵には当たらない。
「くそ! こいつはもういい! 令嬢を連れて行け!」
言われて、兵士たちがにじり寄ったので、私も防御魔法を張って近づけさせないようにした。
私に触れようとしても手前で弾かれるので、兵士たちは混乱し将校に戸惑いの目を向ける。
「なんなんだこいつらは!」
将校はさらに苛立ち、私に向かって憎悪の目で吐き捨てるように言うと、
「この化け物め!」
なんと、私に向かって剣を振りかざしてきた。
丸腰の貴族令嬢に剣を向けたばかりか何ですって? 化け物? そう言われたのは二度目ね。腹立ちはしないけど不愉快だわ。防御魔法じゃなくて攻撃魔法を使ってもいいかしら?
私が赤い光を全身に纏わせ攻撃を仕掛けようとしたとき、まだ何もしていないのになぜか将校は弾き飛んだ。
着地した森の中は、見渡しても人影どころか動物の姿もない。
ミスター・カーライルは魔力を感知できると言っていたけど、私にもできるかしら?
でも試してみなければ。こんな深い森を歩いて探しまわっていては日が暮れてしまう。
魔力を感知するというのはどういうことだろう?
視力も聴力も触覚も必要がないように思うから、耳を澄ますときに目をつぶって集中するように、五感をひとつひとつ減らして、感覚を絞っていけばいいのではないだろうか。
私は試してみるために深呼吸を繰り返し、心を鎮めようと集中した。
ん? なんだろう? 青い光のようなものが頭に浮かんできたような……この光が魔力?
……もう少しはっきりと掴めないかしら? ……うーん……
だめだ。掴めそうで掴めない。
なに? 誰かに呼ばれたような気がした。
「シュヴァリエ?」
あたりを見渡しながら力の限り声を出してみる。
しかし風が木々を揺らす音以外は何も聞こえない。
「ベルタン侯爵?」
もう一度叫んで耳を澄ませてみるが、反応はない。
やはり魔力で探ってみるしかないか……
再び深呼吸して、意識を集中する。
あ! すぐ近くに緑色の光があるような……
近くに誰かいるかもしれない、そう考えてもう一度呼びかけようと息を吸い込んだとき、すぐ近くで衝撃音がした。
なにかしら?
見ると、近くにある木の表面が小さく抉れていて、薄っすらと煙が上がっている。
直後にまた衝撃音。今度は別の木に──足元にも。
なに? あ、また!
確認する間もなく次々と私の周りに衝撃音が起きる。
光ってはいないが魔法だろうか? まただ! 考えている暇がない!
迷ったが、攻撃かもしれないと考えて防御魔法を張った。
すると遠くから会話をする人の声が聞こえてきた。
「令嬢だ」「なぜこんなところに?」「夢中で逃げてきたんじゃないか?」
声のする方を見ていると、三人の兵士が銃を片手に現れた。ケルマン兵の軍服を着ている。
ああ、なるほど。さっきの攻撃は銃撃だったのね。
「おい、女! 助けに来たぞ!」「俺たちの宿営地に来るといい」
兵士たちは近づいてくる。
「助けていただかなくても結構よ」
一人が腕を掴もうとしてきたので、振り払った。
「一人で不安だろう?」「ちゃんとランスの避難場所に送り届けてやるから」
「結構よ」また手が伸びてくるので、後退りをする。
助けるだなんて言ってるけど、何をされるかわかったものではないわ。面倒なことになる前に倒していいかしら? でも相手の武器はただの銃だから攻撃魔法を使うには忍びないし、護身術では手に余る。逃げ出すのはしゃくだし、どうしましょう?
「何をしている?」
次に聞こえてきた声は妙に威圧的だった。
声のする方を見ると、大柄な中年兵士が木々の間に立っていた。三人よりも立派な軍服を着ていて勲章もたくさんぶら下げている。ケルマン軍の将校ね。
その後ろに何人ものケルマン兵を従えている。
「ベッカー中将!」
三人のケルマン兵は姿勢を正して声を上げた。
「ご令嬢が道に迷われているそうです」
そんなこと一言も言っていないわよ。
ベッカー中将と呼ばれた中年将校は、こちらへ歩み寄りながら私の全身を舐めるように見る。
「お連れしろ」
「はっ!」
三人のケルマン兵が再び近づいてきた。
あー、もう、面倒どころじゃないわ!
ケルマン兵が何人もいるんだもの。忍びないなんて言ってられない! 攻撃魔法で撃退してやれ!
「あー、そのご令嬢は僕の連れです」
聞き覚えのある声……ベルタン侯爵だわ!
ベルタン侯爵が鷹揚な足取りで現れた。
片手を上げて愛想でも振りまくように笑顔を見せながら、兵士たちの間を縫うようにしてこちらへ向かってくる。
「申し訳ありません。避難の途中ではぐれてしまいまして」
将校の前を通り過ぎるときに、ベルタン侯爵は頭を下げた。
「失礼ですが」将校は片手を出して、ベルタン侯爵の歩みを阻む。
「こちらのご令嬢は私どもが安全に避難場所へ送り届けます」
ベルタン侯爵は笑顔のまま大袈裟な身振りで手を顔の前で振って、将校の手を避けようと横に移動した。
「いえ、その必要はありません」
しかし将校は剣を抜いて行く手をさらに遮る。
「貴様はランス軍の兵士だろう?」
将校に睨みつけられるが、ベルタン侯爵はにこやかな笑みを崩さない。
「軍服ではありませんよ」
「しかし物腰が軍人だ」
「本当ですか?」ベルタン侯爵は驚きの声をあげる。「遊びで剣術の真似事をしていた程度でも、そうおっしゃっていただけるとは」
言いながら、剣先を避けるように回り込んで歩みを進めようとする。
「動くな!」将校は剣を動かしてベルタン侯爵の眼前に向け、兵士たちの方を向いて叫んだ。「ご令嬢を!」
ベルタン侯爵は降参したように両手を顔の横に広げてみせた。
「だからと言って、ご令嬢をお連れする権利はあるのですか? 彼女をどうするおつもりですか? ちゃんと避難場所にお連れするつもりなら、なぜ僕から離そうとするんですか?」
ベルタン侯爵はじりじりと横に移動する。
「僕が兵士だとしても見るからに一人ですよ? ご令嬢は民間人なのですから、自国の者がいたら引き渡すべきでしょう?」
「そうだな」将校は剣を上へ振り上げた。「ランスの者がいたらそうするべきだが、今ここにそんな人間はいない」そのまま振り下ろす。
しかしベルタン侯爵に当たる寸前で、剣は何かに当たったかのようにして弾かれた。
将校は目を丸くしてベルタン侯爵と剣を交互に見ている。「どういうことだ?」
ベルタン侯爵は肩を竦めてみせる。
「なぜ当たらん?」
将校は激昂して何度も太刀も浴びせるが、ベルタン侯爵には当たらない。
「くそ! こいつはもういい! 令嬢を連れて行け!」
言われて、兵士たちがにじり寄ったので、私も防御魔法を張って近づけさせないようにした。
私に触れようとしても手前で弾かれるので、兵士たちは混乱し将校に戸惑いの目を向ける。
「なんなんだこいつらは!」
将校はさらに苛立ち、私に向かって憎悪の目で吐き捨てるように言うと、
「この化け物め!」
なんと、私に向かって剣を振りかざしてきた。
丸腰の貴族令嬢に剣を向けたばかりか何ですって? 化け物? そう言われたのは二度目ね。腹立ちはしないけど不愉快だわ。防御魔法じゃなくて攻撃魔法を使ってもいいかしら?
私が赤い光を全身に纏わせ攻撃を仕掛けようとしたとき、まだ何もしていないのになぜか将校は弾き飛んだ。
22
お気に入りに追加
288
あなたにおすすめの小説
婚約者に消えろと言われたので湖に飛び込んだら、気づけば三年が経っていました。
束原ミヤコ
恋愛
公爵令嬢シャロンは、王太子オリバーの婚約者に選ばれてから、厳しい王妃教育に耐えていた。
だが、十六歳になり貴族学園に入学すると、オリバーはすでに子爵令嬢エミリアと浮気をしていた。
そしてある冬のこと。オリバーに「私の為に消えろ」というような意味のことを告げられる。
全てを諦めたシャロンは、精霊の湖と呼ばれている学園の裏庭にある湖に飛び込んだ。
気づくと、見知らぬ場所に寝かされていた。
そこにはかつて、病弱で体の小さかった辺境伯家の息子アダムがいた。
すっかり立派になったアダムは「あれから三年、君は目覚めなかった」と言った――。
【完結】選ばれなかった王女は、手紙を残して消えることにした。
曽根原ツタ
恋愛
「お姉様、私はヴィンス様と愛し合っているの。だから邪魔者は――消えてくれない?」
「分かったわ」
「えっ……」
男が生まれない王家の第一王女ノルティマは、次の女王になるべく全てを犠牲にして教育を受けていた。
毎日奴隷のように働かされた挙句、将来王配として彼女を支えるはずだった婚約者ヴィンスは──妹と想いあっていた。
裏切りを知ったノルティマは、手紙を残して王宮を去ることに。
何もかも諦めて、崖から湖に飛び降りたとき──救いの手を差し伸べる男が現れて……?
★小説家になろう様で先行更新中
貴方の愛人を屋敷に連れて来られても困ります。それより大事なお話がありますわ。
もふっとしたクリームパン
恋愛
「早速だけど、カレンに子供が出来たんだ」
隣に居る座ったままの栗色の髪と青い眼の女性を示し、ジャンは笑顔で勝手に話しだす。
「離れには子供部屋がないから、こっちの屋敷に移りたいんだ。部屋はたくさん空いてるんだろ? どうせだから、僕もカレンもこれからこの屋敷で暮らすよ」
三年間通った学園を無事に卒業して、辺境に帰ってきたディアナ・モンド。モンド辺境伯の娘である彼女の元に辺境伯の敷地内にある離れに住んでいたジャン・ボクスがやって来る。
ドレスは淑女の鎧、扇子は盾、言葉を剣にして。正々堂々と迎え入れて差し上げましょう。
妊娠した愛人を連れて私に会いに来た、無法者をね。
本編九話+オマケで完結します。*2021/06/30一部内容変更あり。カクヨム様でも投稿しています。
随時、誤字修正と読みやすさを求めて試行錯誤してますので行間など変更する場合があります。
拙い作品ですが、どうぞよろしくお願いします。
神のいとし子は追放された私でした〜異母妹を選んだ王太子様、今のお気持ちは如何ですか?〜
星河由乃(旧名:星里有乃)
恋愛
「アメリアお姉様は、私達の幸せを考えて、自ら身を引いてくださいました」
「オレは……王太子としてではなく、一人の男としてアメリアの妹、聖女レティアへの真実の愛に目覚めたのだ!」
(レティアったら、何を血迷っているの……だって貴女本当は、霊感なんてこれっぽっちも無いじゃない!)
美貌の聖女レティアとは対照的に、とにかく目立たない姉のアメリア。しかし、地味に装っているアメリアこそが、この国の神のいとし子なのだが、悪魔と契約した妹レティアはついに姉を追放してしまう。
やがて、神のいとし子の祈りが届かなくなった国は災いが増え、聖女の力を隠さなくなったアメリアに救いの手を求めるが……。
* 2023年01月15日、連載完結しました。
* ヒロインアメリアの相手役が第1章は精霊ラルド、第2章からは隣国の王子アッシュに切り替わります。最終章に該当する黄昏の章で、それぞれの関係性を決着させています。お読みくださった読者様、ありがとうございました!
* 初期投稿ではショートショート作品の予定で始まった本作ですが、途中から長編版に路線を変更して完結させました。
* この作品は小説家になろうさんとアルファポリスさんに投稿しております。
* ブクマ、感想、ありがとうございます。
【完結】お前なんていらない。と言われましたので
高瀬船
恋愛
子爵令嬢であるアイーシャは、義母と義父、そして義妹によって子爵家で肩身の狭い毎日を送っていた。
辛い日々も、学園に入学するまで、婚約者のベルトルトと結婚するまで、と自分に言い聞かせていたある日。
義妹であるエリシャの部屋から楽しげに笑う自分の婚約者、ベルトルトの声が聞こえてきた。
【誤字報告を頂きありがとうございます!💦この場を借りてお礼申し上げます】
私と一緒にいることが苦痛だったと言われ、その日から夫は家に帰らなくなりました。
田太 優
恋愛
結婚して1年も経っていないというのに朝帰りを繰り返す夫。
結婚すれば変わってくれると信じていた私が間違っていた。
だからもう離婚を考えてもいいと思う。
夫に離婚の意思を告げたところ、返ってきたのは私を深く傷つける言葉だった。
妹の事が好きだと冗談を言った王太子殿下。妹は王太子殿下が欲しいと言っていたし、本当に冗談なの?
田太 優
恋愛
婚約者である王太子殿下から妹のことが好きだったと言われ、婚約破棄を告げられた。
受け入れた私に焦ったのか、王太子殿下は冗談だと言った。
妹は昔から王太子殿下の婚約者になりたいと望んでいた。
今でもまだその気持ちがあるようだし、王太子殿下の言葉を信じていいのだろうか。
…そもそも冗談でも言って良いことと悪いことがある。
だから私は婚約破棄を受け入れた。
それなのに必死になる王太子殿下。
記憶がないので離縁します。今更謝られても困りますからね。
せいめ
恋愛
メイドにいじめられ、頭をぶつけた私は、前世の記憶を思い出す。前世では兄2人と取っ組み合いの喧嘩をするくらい気の強かった私が、メイドにいじめられているなんて…。どれ、やり返してやるか!まずは邸の使用人を教育しよう。その後は、顔も知らない旦那様と離婚して、平民として自由に生きていこう。
頭をぶつけて現世記憶を失ったけど、前世の記憶で逞しく生きて行く、侯爵夫人のお話。
ご都合主義です。誤字脱字お許しください。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる