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25. 私が隣国で結婚相手を探す必要に迫られた理由の張本人だわ
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私たちの訓練は三時間で終わることになった。再び攻撃が始まったからである。
衝撃が届く前にミスター・カーライルがそれに気づき、私たちが地下道を通って司令本部についたところで、その振動を捉えた。
それから攻撃が断続的に続いたが、遠くから破壊音が轟いているだけで、この近くにまでは来ていないようだ。
「これはただの牽制です。数も少ない」ミスター・カーライルは呟くと「見て参ります」と言って矢のようにドアから飛び出していった。
言葉のあやではなく、本当に矢のように身体が宙に浮き上がり、飛び出していったのだ。
自ら魔法を使うようになったとはいえ、人間が浮き上がって飛ぶ姿はさすがに驚いた。
振り向くとアルトワ伯爵もネール公爵も唖然としている……ん? 部屋に増えた兵士たちの他に見覚えのある人物が……シャイン伯爵!
気がつかなかった。いつの間に!
シャイン伯爵とは、私がランスで結婚相手を探すことを諦め、隣国タリアへ嫁ぐことになった理由の張本人である。
才色兼備で将来有望なこのシャイン伯爵は、国一番の男だと評され、結婚相手として最適な相手だと判断した私は、彼の気を引こうとした。彼もまんざらではない様子で、その心を射止めたと舞い上がっていたときに、彼は別の令嬢を好きだと宣って私を振ったのだ。
社交界では誰もが私たちの結婚を確信して疑わなかったから、私は恥に堪えられず国を逃げ出した。他にも理由はあるが、一番の理由はそれだった。
コンティ公爵のときも同様だったが、社交界で一目を置かれる存在となるために努力をしてきた私にとって、逆の意味で注目されることは耐え難かったのだ。
シャイン伯爵を見たらそんな想いが急に蘇ってきた。
しかし私は冷静だった。今の私にとって社交界は別の世界の、どうでもいい存在だ。誰に見られるかもしれないランスの地に足を踏み入れたのも、アルトワ伯爵やベルタン侯爵と顔を合わせて平気だったのも、どう思われようが、陰口を叩かれようが気にならなくなっていたからだった。
魔法だの竜だのと絵空事のような出来事に巻き込まれていては、そんな小事を気にしている場合ではないし、それでなくても20年の余命だとか、戦争だとか命のかかる事態に直面している。何よりも今の私にはシュヴァリエがいるから……。
え? シュヴァリエ? なぜ? どうして私はそんなことを──
思わずシュヴァリエの顔を見ると、いつも通りの陰気な目つきだが不安そうに眉を下げている。なぜそんな顔をしているのよ?
シャイン伯爵が立ち上がって私のところへ向ってくる。
「ミス・ヴァロワ、お久しぶりです」
「ごきげんよう、シャイン伯爵」私は礼で迎えた。
「話は伺いました。戦地に赴くことはできませんが、参謀としての協力は惜しみません」
「はい。一騎当千のシャイン伯爵のお力をお借りできるのなら、自軍も心強いことでしょう」
「それをおっしゃるならシュヴァリエ少佐では?」
え? シュヴァリエが?
「シュヴァリエ少佐が来てくださったので、それこそ一騎当千と兵士の士気も変わることでしょう。アルトワ伯爵もようやく安心したご様子です」
そうなの? シュヴァリエがそんなに優秀だったとは驚きだわ。
シャイン伯爵は私の斜め後ろにいたシュヴァリエに視線を向けた。
「シュヴァリエ少佐」
「はい」シュヴァリエは肩を震わせた。
「こちらをご覧ください」横のテーブルの上にあった地図を指し示す。
シュヴァリエは覗き込んだ。
「ここに司令部が?」
「そうです。こことここ、ここにもあります。全部で四箇所になります。先程東の司令部に行って参りましたところ、フローニュの森に大勢の敵兵が潜んでいると聞きました」
「フローニュ……」
「はい。小競り合いをしたそうですが、兵士たちは銃もなく、魔法も使用してこなかったそうで、自軍でも引かせることができたそうです。現在伝令を送っているところですが、西や南も同様に魔法のない師団がいるようであれば、そこは兵士だけでもなんとかなるかもしれません」
「なるほど。真っ向から向かっても構いませんが、こちらが奇襲を仕掛けるという手段もあります」
「はい。防戦にも限界があります。どこかで攻戦に切り替えないといけません」
「では師団を中小の隊に分けて編成し直して……申し訳ありません、シャイン伯爵に意見など無用なことを。大変失礼いたしました」
「いえ、むしろこちらからお願いしたいほどです。シュヴァリエ少佐のお考えをお聞かせ願えないでしょうか?」
『ミス・ヴァロワ』
いきなり頭の中に声が響いた。「はい!」
『敵は撃退しました。大した使い手でもなく、数も僅かでした。今戻っています』ミスター・カーライルの声だ。
私は周りを見渡したが、ミスター・カーライルの姿はなく、同じように見渡していたベルタン侯爵と目が合った。
ベルタン侯爵の笑みを見て、この声が聞こえているのは私たち二人だけなのだと思い至った。ケロという竜のところでミスター・カーライルがランスが攻撃を受けたと聞いたのも、これと同じ手段だったのかもしれない。
「アルトワ伯爵、どうやら先程攻撃してきた敵はミスター・カーライルお一人で対処してくださったようです」
ベルタン公爵が報告した。
「何? なぜそれがわかる?」
片眉をあげて不思議そうに聞いたアルトワ伯爵に、ベルタン侯爵はいつも薄く浮かべている微笑を大きくして答えた。
「魔法とは便利ですね」
「私はできません」
シュヴァリエの荒げる声が聞こえたのでそちらに目を向けると、シャイン伯爵とネール公爵、中年の士官を前にして苛立っている様子だった。
「なぜだ? シュヴァリエならば上官も納得する」
「私はそんな器ではありません」
「お前しかいないのだ! 他の士官は誰もお前のような指揮をとれない!」中年の士官が叫んだ。
「私以上の方は多くいらっしゃいます!」
「だめだ。ランスは平和ボケしすぎてしまった。作戦を練れる将校もいなければ、兵士は武器を扱えるくらいで、初めての実戦で逃げ出すものばかりだ」アルトワ伯爵が答える。
「では殿下が直接命令されるか、シャイン伯爵が作戦を練ればよいではありませんか?」
「いくら王太子の言葉でも、命を賭して戦地に向かわせるほど心を動かすことはできない。ピエールは国事に長けていても戦術など門外漢だ」
「私なんぞただの若造です。何よりエマ様のお側を離れるわけにはいきません!」
シュヴァリエのその言葉で場の視線が私に集中した。
アルトワ伯爵が大きなため息をついて言う。
「私もアランを戦線に送り出したくはない。しかし国の危機なのだ。私たちの命すら危ういというのに……」
「ベルタン侯爵はアルトワ伯爵のお力になるために向かわれるわけでしょう? 私はエマ様の身を危うくしてまで、他のものを守ることなどできません。国や国民の命よりも、エマ様の方が大事なのですから」
──なんてことを言うのよ!
思わず顔が熱くなってしまったわ。
見なさいよ。周りも呆れているじゃない。殿下の命令に背くどころか、国よりも一人の令嬢の方が大事だなんて、よくそんな台詞を吐けたものだわ。謀反人として断罪されたらどうするの?
騎士の忠誠とはいえ、恥ずかしいったらないわ……
アルトワ伯爵は叱り飛ばしたくても、シュヴァリエが必要なのだろう。なんとか説き伏せようと冷静さを保って言った。
「ここは安全だ」
「どこが安全なんですか? それならエドのいる養護院のほうがマシです。とにかく、僕は何があってもエマ様のお側から離れません」
「ミス・ヴァロワも魔法が使えるとおっしゃっていましたよね? ご同行していただければよいではありませんか」
シャイン伯爵のその言葉に、シュヴァリエは信じられないというように目を見開き、口をパクパクとさせた。
「ピエール、他に言い方があると思うが、まあ焦れているようだから仕方がないか」ベルタン侯爵はわざと穏やかな声を出して場を和ませようとしている。「僕も行くよ。ミスター・カーライルにも同行してもらおう。偵察がてら皆で行けばいい」そう言ってシュヴァリエの肩に手を置いた。
「そうですね」
驚いたことに答えたのはミスター・カーライルだった。いつの間に戻ってきたのだろう?
皆も同様にいつ戻ってきていたのか気がつかなかったようで、驚きの目を向けた。
「少し見て参りましたが、ピーターどころか魔法使いの気配すらありません。現在この街には普通のケルマン兵しかいないようです。もう少し注意深く偵察する必要を感じましたから、今のご提案通り、司令部へ向かいがてら確認してみましょう」
「アンドリュー、エマ様もお連れするのでしょうか?」
ミスター・カーライルの登場と淡々とした態度で、シュヴァリエもようやく冷静になったようだ。
「共に行った方がいい。連れ立ちながらも魔法を教えることができるからな」
「承知いたしました」
自分一人よりもミスター・カーライルも共にいる方がより安全だと感じたのか、シュヴァリエは心を決めたようだ。
やれやれ。どうなることかと思ったわ。
衝撃が届く前にミスター・カーライルがそれに気づき、私たちが地下道を通って司令本部についたところで、その振動を捉えた。
それから攻撃が断続的に続いたが、遠くから破壊音が轟いているだけで、この近くにまでは来ていないようだ。
「これはただの牽制です。数も少ない」ミスター・カーライルは呟くと「見て参ります」と言って矢のようにドアから飛び出していった。
言葉のあやではなく、本当に矢のように身体が宙に浮き上がり、飛び出していったのだ。
自ら魔法を使うようになったとはいえ、人間が浮き上がって飛ぶ姿はさすがに驚いた。
振り向くとアルトワ伯爵もネール公爵も唖然としている……ん? 部屋に増えた兵士たちの他に見覚えのある人物が……シャイン伯爵!
気がつかなかった。いつの間に!
シャイン伯爵とは、私がランスで結婚相手を探すことを諦め、隣国タリアへ嫁ぐことになった理由の張本人である。
才色兼備で将来有望なこのシャイン伯爵は、国一番の男だと評され、結婚相手として最適な相手だと判断した私は、彼の気を引こうとした。彼もまんざらではない様子で、その心を射止めたと舞い上がっていたときに、彼は別の令嬢を好きだと宣って私を振ったのだ。
社交界では誰もが私たちの結婚を確信して疑わなかったから、私は恥に堪えられず国を逃げ出した。他にも理由はあるが、一番の理由はそれだった。
コンティ公爵のときも同様だったが、社交界で一目を置かれる存在となるために努力をしてきた私にとって、逆の意味で注目されることは耐え難かったのだ。
シャイン伯爵を見たらそんな想いが急に蘇ってきた。
しかし私は冷静だった。今の私にとって社交界は別の世界の、どうでもいい存在だ。誰に見られるかもしれないランスの地に足を踏み入れたのも、アルトワ伯爵やベルタン侯爵と顔を合わせて平気だったのも、どう思われようが、陰口を叩かれようが気にならなくなっていたからだった。
魔法だの竜だのと絵空事のような出来事に巻き込まれていては、そんな小事を気にしている場合ではないし、それでなくても20年の余命だとか、戦争だとか命のかかる事態に直面している。何よりも今の私にはシュヴァリエがいるから……。
え? シュヴァリエ? なぜ? どうして私はそんなことを──
思わずシュヴァリエの顔を見ると、いつも通りの陰気な目つきだが不安そうに眉を下げている。なぜそんな顔をしているのよ?
シャイン伯爵が立ち上がって私のところへ向ってくる。
「ミス・ヴァロワ、お久しぶりです」
「ごきげんよう、シャイン伯爵」私は礼で迎えた。
「話は伺いました。戦地に赴くことはできませんが、参謀としての協力は惜しみません」
「はい。一騎当千のシャイン伯爵のお力をお借りできるのなら、自軍も心強いことでしょう」
「それをおっしゃるならシュヴァリエ少佐では?」
え? シュヴァリエが?
「シュヴァリエ少佐が来てくださったので、それこそ一騎当千と兵士の士気も変わることでしょう。アルトワ伯爵もようやく安心したご様子です」
そうなの? シュヴァリエがそんなに優秀だったとは驚きだわ。
シャイン伯爵は私の斜め後ろにいたシュヴァリエに視線を向けた。
「シュヴァリエ少佐」
「はい」シュヴァリエは肩を震わせた。
「こちらをご覧ください」横のテーブルの上にあった地図を指し示す。
シュヴァリエは覗き込んだ。
「ここに司令部が?」
「そうです。こことここ、ここにもあります。全部で四箇所になります。先程東の司令部に行って参りましたところ、フローニュの森に大勢の敵兵が潜んでいると聞きました」
「フローニュ……」
「はい。小競り合いをしたそうですが、兵士たちは銃もなく、魔法も使用してこなかったそうで、自軍でも引かせることができたそうです。現在伝令を送っているところですが、西や南も同様に魔法のない師団がいるようであれば、そこは兵士だけでもなんとかなるかもしれません」
「なるほど。真っ向から向かっても構いませんが、こちらが奇襲を仕掛けるという手段もあります」
「はい。防戦にも限界があります。どこかで攻戦に切り替えないといけません」
「では師団を中小の隊に分けて編成し直して……申し訳ありません、シャイン伯爵に意見など無用なことを。大変失礼いたしました」
「いえ、むしろこちらからお願いしたいほどです。シュヴァリエ少佐のお考えをお聞かせ願えないでしょうか?」
『ミス・ヴァロワ』
いきなり頭の中に声が響いた。「はい!」
『敵は撃退しました。大した使い手でもなく、数も僅かでした。今戻っています』ミスター・カーライルの声だ。
私は周りを見渡したが、ミスター・カーライルの姿はなく、同じように見渡していたベルタン侯爵と目が合った。
ベルタン侯爵の笑みを見て、この声が聞こえているのは私たち二人だけなのだと思い至った。ケロという竜のところでミスター・カーライルがランスが攻撃を受けたと聞いたのも、これと同じ手段だったのかもしれない。
「アルトワ伯爵、どうやら先程攻撃してきた敵はミスター・カーライルお一人で対処してくださったようです」
ベルタン公爵が報告した。
「何? なぜそれがわかる?」
片眉をあげて不思議そうに聞いたアルトワ伯爵に、ベルタン侯爵はいつも薄く浮かべている微笑を大きくして答えた。
「魔法とは便利ですね」
「私はできません」
シュヴァリエの荒げる声が聞こえたのでそちらに目を向けると、シャイン伯爵とネール公爵、中年の士官を前にして苛立っている様子だった。
「なぜだ? シュヴァリエならば上官も納得する」
「私はそんな器ではありません」
「お前しかいないのだ! 他の士官は誰もお前のような指揮をとれない!」中年の士官が叫んだ。
「私以上の方は多くいらっしゃいます!」
「だめだ。ランスは平和ボケしすぎてしまった。作戦を練れる将校もいなければ、兵士は武器を扱えるくらいで、初めての実戦で逃げ出すものばかりだ」アルトワ伯爵が答える。
「では殿下が直接命令されるか、シャイン伯爵が作戦を練ればよいではありませんか?」
「いくら王太子の言葉でも、命を賭して戦地に向かわせるほど心を動かすことはできない。ピエールは国事に長けていても戦術など門外漢だ」
「私なんぞただの若造です。何よりエマ様のお側を離れるわけにはいきません!」
シュヴァリエのその言葉で場の視線が私に集中した。
アルトワ伯爵が大きなため息をついて言う。
「私もアランを戦線に送り出したくはない。しかし国の危機なのだ。私たちの命すら危ういというのに……」
「ベルタン侯爵はアルトワ伯爵のお力になるために向かわれるわけでしょう? 私はエマ様の身を危うくしてまで、他のものを守ることなどできません。国や国民の命よりも、エマ様の方が大事なのですから」
──なんてことを言うのよ!
思わず顔が熱くなってしまったわ。
見なさいよ。周りも呆れているじゃない。殿下の命令に背くどころか、国よりも一人の令嬢の方が大事だなんて、よくそんな台詞を吐けたものだわ。謀反人として断罪されたらどうするの?
騎士の忠誠とはいえ、恥ずかしいったらないわ……
アルトワ伯爵は叱り飛ばしたくても、シュヴァリエが必要なのだろう。なんとか説き伏せようと冷静さを保って言った。
「ここは安全だ」
「どこが安全なんですか? それならエドのいる養護院のほうがマシです。とにかく、僕は何があってもエマ様のお側から離れません」
「ミス・ヴァロワも魔法が使えるとおっしゃっていましたよね? ご同行していただければよいではありませんか」
シャイン伯爵のその言葉に、シュヴァリエは信じられないというように目を見開き、口をパクパクとさせた。
「ピエール、他に言い方があると思うが、まあ焦れているようだから仕方がないか」ベルタン侯爵はわざと穏やかな声を出して場を和ませようとしている。「僕も行くよ。ミスター・カーライルにも同行してもらおう。偵察がてら皆で行けばいい」そう言ってシュヴァリエの肩に手を置いた。
「そうですね」
驚いたことに答えたのはミスター・カーライルだった。いつの間に戻ってきたのだろう?
皆も同様にいつ戻ってきていたのか気がつかなかったようで、驚きの目を向けた。
「少し見て参りましたが、ピーターどころか魔法使いの気配すらありません。現在この街には普通のケルマン兵しかいないようです。もう少し注意深く偵察する必要を感じましたから、今のご提案通り、司令部へ向かいがてら確認してみましょう」
「アンドリュー、エマ様もお連れするのでしょうか?」
ミスター・カーライルの登場と淡々とした態度で、シュヴァリエもようやく冷静になったようだ。
「共に行った方がいい。連れ立ちながらも魔法を教えることができるからな」
「承知いたしました」
自分一人よりもミスター・カーライルも共にいる方がより安全だと感じたのか、シュヴァリエは心を決めたようだ。
やれやれ。どうなることかと思ったわ。
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