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10. 不摂生で寝込んでいるような執事は置いて参りますわ
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私たち、というかシュヴァリエのお腹がようやく満たされたあと、ようやく出発した。コンティ公爵と、その妻ではなかったミス・マリオンとは顔を合わせないままだったが、向こうも合わせる気はないだろう。今度こそ本当にさようなら。もう二度とお会いしたくはありませんわ。
確かにケルマンは以前とは様変わりしたようだ。閉鎖的で他国の者を寄せ付けなかったこれまでとは違って、観光客を積極的に迎え入れている様子があちこちで見て取れる。
ランスやタリアの言語で書かれた看板も目にするし、様々な国の人間が歩いている。初日にアクシデントはあったものの、わざわざランスに入って遠回りをするような真似をしなくて本当に良かった。
ケルマンは端から端まで700キロほどだ。海に面していて、端まで行けばそこから海路でウェーデンへと直接向かうことができる。二週間ほどで船に乗れる計算だった。
途中に使用人のヴァンサンが荷物を盗られそうになって手首を捻挫してしまったり、侍女のソフィが風邪をひいてしまったりの小事はあったが、それ以外は何事もなく順調に旅を続けられた。
十日目に宿泊した宿屋で食事をしていると、同宿の行商人と親しくなった。
シュビーゲルという名のその行商人は、骨と皮のような老人なのに元気いっぱいで、かたことのランス語を使って色々な話をしてくれた。私もそれに対してかたことだがケルマンの言葉で返答したら、ケルマンの言葉を覚えようと努力していることを喜んで、料理に酒にと奢ってくれた。
大食い美食のシュヴァリエは大喜びで、ケルマン語も喋れるからシュビーゲルと盛り上がり、朝まで飲んだくれてしまうほどだった。
さすがのシュヴァリエも朝まで食べ続けたのは堪えたようで、起きてきたのは午後を過ぎていたばかりか、腹痛を訴えてまたベッドへ戻ると宣う始末で、その日の出発は諦めざるを得なかった。
その日の夕食で私はまたシュビーゲルと同席したのだが、シュビーゲルは二日酔いなどどこ吹く風で昨夜と変わらず元気な様子だった。
「レオはどうしたんだ?」シュヴァリエのことだ。
「腹痛で寝ています」
「そうか。イケる口だと思ったがまだまだだな」
「なんですか?」
「わしの息子が作った酒だ。上手く育つと上等のワインができるんだが、育てるのが難しい品種でな。どこの農園も挑戦しては失敗してきた。息子の葡萄園は儲けが出ず赤字続きで、一か八かの賭けに出たんだ」
シュビーゲルは足元にあった袋から瓶を取り出してテーブルの上に置いた。
「その結果がこれだ」
栓を開けてグラスに注ぎ始める。
「わしはこれを貴族たちに売るために中央へ向かっている」中央とは王のいる城下町だ。
シュビーゲルから手渡されたグラスを受け取ったので、一口味わってみた。
──美味しい!
私が一気に飲み干している姿を見たシュビーゲルは笑顔になり、空になったグラスに再び注いでくれた。
「美味いだろ? かなり上等のワインだ」
「凄いです。何十年も熟成されたもののような。こんな品種があるんですね」
「……そうだ。お嬢さんは貴族のご令嬢だったかな? 味のわかる舌を持っておるな」
自邸で普段飲んでいたワインが霞むほどの味だった。こんな街外れの宿屋の食堂で味わっているとは信じがたい。王宮での晩餐会で出されるようなレベルだ。
私は二杯目に口をつけた。
口当たりがよく香り豊かで芳醇。後味もしつこくなく、飲む毎にまた味わいたくなる魅惑的な美味さだ。これは飲み始めたら止まらなくなる。
私がすぐに二杯目を空けたのを見て、シュビーゲルは笑みを大きくして言った。
「それでレオは潰れちまったってわけだ」
──あれは二日酔いだったのか。あいつ、こんな上等なワインを潰れるほど飲んだのか。
「どうだ? これなら売れるだろう?」
「王宮でも全部買い取ってくれるほどだと思います」
シュビーゲルはそれを聞いて嬉しそうに笑い声をあげた。
「ありがとう。貴族のご令嬢にそう言ってもらえて嬉しいよ」
シュビーゲルの目に涙が浮かぶ。
「息子は、この品種を育てるために、毎日寝ないで葡萄の世話をした。すぐに虫が食うし雨風に弱い。繊細な品種なんだ。それでいて水はたっぷりとやらなきゃならないし、お日様の光も必要だ。ネットをこまめに張り替えて、虫を殺し、雨や風から守り抜いた。植えたものの半分以下になったが、売り切れれば普段の三倍もの儲けにはなる」
シュビーゲルは目をこすって笑顔になった。
「これを無事に売り切れればしばらくは安泰だ。またやり直すことができる」
──息子さんのために、骨と皮のような老境の身で街へと出てきたのか。このワインなら間違いなく高く買ってもらえる。息子さんと、シュビーゲルさんの努力が報われるはずだ。
「旅の途中ですから少しだけですが、私も数本いただきたいです」
「そうか! それは嬉しい。明日出発するのか?」シュビーゲルが弾んだ声を出した。
「ええ。明日の朝早くに出ます」
「それじゃあ宿の主人に渡しておこう」
「ありがとうございます」
「礼を言うのはこちらだよ。ありがとう」
シュビーゲルは再び笑顔になり、また私のグラスに注いでくれた。
あまり酔わないようにしなければ……しかしこれは堪らなく美味しい。旅に出てから遠ざかっていた上等な酒の味は心に染み渡っていくようだ。
ん? なんだろう? なにやら店主が騒いでいる。
「シュビーゲル!」店主が呼んだ。
「なんだ?」シュビーゲルが立ち上がる。
「お前のワインを積んだ荷馬車は白だったよな?」
「ああ。この宿に停めている荷馬車で白なのはわしのだけだ!」シュビーゲルが叫んで返す。
「今、頼まれたからワインを取りに向かったんだが、どうやら消えちまったらしい」
「なんだって?」シュビーゲルはその場で飛び上がった後、すぐに駆け出した。
私も後を追う。
馬車置き場へ行くと、一台分空いていた。ここのシュビーゲルの荷馬車があったということがシュビーゲルの落胆した様子から見て取れる。
「もう終わりだ……今年はあれだけに賭けてやってきたんだ。あの売上がなければもう農業も行商も続けられない」
シュビーゲルは地面に拳を叩きつけると悲痛な声で叫んだ。「親子揃って終わりだ!」
私は馬車の車輪が土に跡をつけていることに気がついた。これを追えば行き先がわかるのでは?
「どれくらい前に盗まれたのでしょう?」私は主人に聞いた。
「さあ……でも10分前に馬車を置きにきた下男は、そのときは見かけたと申しておりました」
10分か。ワインをたくさん積んでいるから速度はそこまで速くないだろう。間に合うかもしれない。
「ちょっと見て参ります。使用人に伝えていただけますか?」私は主人に声をかけた。
「えっ? ヴァロワ様が行かれるのですか?」
「ええ。シュヴァリエという若い男とフランソワという老人に伝えてくださると助かりますわ」
それだけ言って私は全速力で駆け出した。
ワインでほろ酔いだった私はむしろ気分が高揚して、走りに集中できた。あれ以上飲んでいたら気分が悪くなっていたかもしれないが、これくらいだとむしろアルコールが集中力を高めてくれる。
車輪の跡を目で追いながら走っていく。走るほどに気分は上がって軽快なほどだった。盗賊の相手をする準備運動はばっちりだ。
苦境に立たされた親子の努力を知らないで、盗むなんて許せない。
待ってなさい! ぶっ飛ばしてやるわ。
確かにケルマンは以前とは様変わりしたようだ。閉鎖的で他国の者を寄せ付けなかったこれまでとは違って、観光客を積極的に迎え入れている様子があちこちで見て取れる。
ランスやタリアの言語で書かれた看板も目にするし、様々な国の人間が歩いている。初日にアクシデントはあったものの、わざわざランスに入って遠回りをするような真似をしなくて本当に良かった。
ケルマンは端から端まで700キロほどだ。海に面していて、端まで行けばそこから海路でウェーデンへと直接向かうことができる。二週間ほどで船に乗れる計算だった。
途中に使用人のヴァンサンが荷物を盗られそうになって手首を捻挫してしまったり、侍女のソフィが風邪をひいてしまったりの小事はあったが、それ以外は何事もなく順調に旅を続けられた。
十日目に宿泊した宿屋で食事をしていると、同宿の行商人と親しくなった。
シュビーゲルという名のその行商人は、骨と皮のような老人なのに元気いっぱいで、かたことのランス語を使って色々な話をしてくれた。私もそれに対してかたことだがケルマンの言葉で返答したら、ケルマンの言葉を覚えようと努力していることを喜んで、料理に酒にと奢ってくれた。
大食い美食のシュヴァリエは大喜びで、ケルマン語も喋れるからシュビーゲルと盛り上がり、朝まで飲んだくれてしまうほどだった。
さすがのシュヴァリエも朝まで食べ続けたのは堪えたようで、起きてきたのは午後を過ぎていたばかりか、腹痛を訴えてまたベッドへ戻ると宣う始末で、その日の出発は諦めざるを得なかった。
その日の夕食で私はまたシュビーゲルと同席したのだが、シュビーゲルは二日酔いなどどこ吹く風で昨夜と変わらず元気な様子だった。
「レオはどうしたんだ?」シュヴァリエのことだ。
「腹痛で寝ています」
「そうか。イケる口だと思ったがまだまだだな」
「なんですか?」
「わしの息子が作った酒だ。上手く育つと上等のワインができるんだが、育てるのが難しい品種でな。どこの農園も挑戦しては失敗してきた。息子の葡萄園は儲けが出ず赤字続きで、一か八かの賭けに出たんだ」
シュビーゲルは足元にあった袋から瓶を取り出してテーブルの上に置いた。
「その結果がこれだ」
栓を開けてグラスに注ぎ始める。
「わしはこれを貴族たちに売るために中央へ向かっている」中央とは王のいる城下町だ。
シュビーゲルから手渡されたグラスを受け取ったので、一口味わってみた。
──美味しい!
私が一気に飲み干している姿を見たシュビーゲルは笑顔になり、空になったグラスに再び注いでくれた。
「美味いだろ? かなり上等のワインだ」
「凄いです。何十年も熟成されたもののような。こんな品種があるんですね」
「……そうだ。お嬢さんは貴族のご令嬢だったかな? 味のわかる舌を持っておるな」
自邸で普段飲んでいたワインが霞むほどの味だった。こんな街外れの宿屋の食堂で味わっているとは信じがたい。王宮での晩餐会で出されるようなレベルだ。
私は二杯目に口をつけた。
口当たりがよく香り豊かで芳醇。後味もしつこくなく、飲む毎にまた味わいたくなる魅惑的な美味さだ。これは飲み始めたら止まらなくなる。
私がすぐに二杯目を空けたのを見て、シュビーゲルは笑みを大きくして言った。
「それでレオは潰れちまったってわけだ」
──あれは二日酔いだったのか。あいつ、こんな上等なワインを潰れるほど飲んだのか。
「どうだ? これなら売れるだろう?」
「王宮でも全部買い取ってくれるほどだと思います」
シュビーゲルはそれを聞いて嬉しそうに笑い声をあげた。
「ありがとう。貴族のご令嬢にそう言ってもらえて嬉しいよ」
シュビーゲルの目に涙が浮かぶ。
「息子は、この品種を育てるために、毎日寝ないで葡萄の世話をした。すぐに虫が食うし雨風に弱い。繊細な品種なんだ。それでいて水はたっぷりとやらなきゃならないし、お日様の光も必要だ。ネットをこまめに張り替えて、虫を殺し、雨や風から守り抜いた。植えたものの半分以下になったが、売り切れれば普段の三倍もの儲けにはなる」
シュビーゲルは目をこすって笑顔になった。
「これを無事に売り切れればしばらくは安泰だ。またやり直すことができる」
──息子さんのために、骨と皮のような老境の身で街へと出てきたのか。このワインなら間違いなく高く買ってもらえる。息子さんと、シュビーゲルさんの努力が報われるはずだ。
「旅の途中ですから少しだけですが、私も数本いただきたいです」
「そうか! それは嬉しい。明日出発するのか?」シュビーゲルが弾んだ声を出した。
「ええ。明日の朝早くに出ます」
「それじゃあ宿の主人に渡しておこう」
「ありがとうございます」
「礼を言うのはこちらだよ。ありがとう」
シュビーゲルは再び笑顔になり、また私のグラスに注いでくれた。
あまり酔わないようにしなければ……しかしこれは堪らなく美味しい。旅に出てから遠ざかっていた上等な酒の味は心に染み渡っていくようだ。
ん? なんだろう? なにやら店主が騒いでいる。
「シュビーゲル!」店主が呼んだ。
「なんだ?」シュビーゲルが立ち上がる。
「お前のワインを積んだ荷馬車は白だったよな?」
「ああ。この宿に停めている荷馬車で白なのはわしのだけだ!」シュビーゲルが叫んで返す。
「今、頼まれたからワインを取りに向かったんだが、どうやら消えちまったらしい」
「なんだって?」シュビーゲルはその場で飛び上がった後、すぐに駆け出した。
私も後を追う。
馬車置き場へ行くと、一台分空いていた。ここのシュビーゲルの荷馬車があったということがシュビーゲルの落胆した様子から見て取れる。
「もう終わりだ……今年はあれだけに賭けてやってきたんだ。あの売上がなければもう農業も行商も続けられない」
シュビーゲルは地面に拳を叩きつけると悲痛な声で叫んだ。「親子揃って終わりだ!」
私は馬車の車輪が土に跡をつけていることに気がついた。これを追えば行き先がわかるのでは?
「どれくらい前に盗まれたのでしょう?」私は主人に聞いた。
「さあ……でも10分前に馬車を置きにきた下男は、そのときは見かけたと申しておりました」
10分か。ワインをたくさん積んでいるから速度はそこまで速くないだろう。間に合うかもしれない。
「ちょっと見て参ります。使用人に伝えていただけますか?」私は主人に声をかけた。
「えっ? ヴァロワ様が行かれるのですか?」
「ええ。シュヴァリエという若い男とフランソワという老人に伝えてくださると助かりますわ」
それだけ言って私は全速力で駆け出した。
ワインでほろ酔いだった私はむしろ気分が高揚して、走りに集中できた。あれ以上飲んでいたら気分が悪くなっていたかもしれないが、これくらいだとむしろアルコールが集中力を高めてくれる。
車輪の跡を目で追いながら走っていく。走るほどに気分は上がって軽快なほどだった。盗賊の相手をする準備運動はばっちりだ。
苦境に立たされた親子の努力を知らないで、盗むなんて許せない。
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