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序章 〜終わりの始まり〜
【第1話】アンドロイドの目覚め
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「おらぁ!あの野郎!ふざけやがって!」ある男が一体のアンドロイドに対し、怒りに身を任せ手に持ったバールで、壊すかのように殴り続けていた、執拗に…ただひたすらに。「なんでもかんでも俺に押し付けやがって、ふざけんな!このグズ人形も土壇場でしくじりやがって…殺りそこねたじゃねぇかよぉ!! くそがぁ!」
足元に転がったアンドロイドロボットを何度も激しく殴り続ける。暫くするとそれは見る影もなく無惨に横たわる。所々は壊れ、引きちぎられたように原型を留めなくなっていた。奥には、同じ様な状態が数"体"も放置されている。
『ピピピ…ガガガガザ… ナニカ ゴヨウ… デス…ガ』
「あー、やっちまったよ! これでまた貧乏生活じゃねーか。貯金ももうねーんだ
ぞ、このクソが!」男はバールを投げつけポケットから携帯を取り出し、とある場所に電話をかける。
プルプルプル…プルプルプ…
ガチャッ『はい、どうも…いつもご利用あり…「おい、俺だ【王燐 悟】だ、またいつものやつ一"体"頼むわ」
『くっくっく…またですか王燐様…お得意様なので何も言いませんが、あまり目立つ様な事は…「黙れ、さっさと手配しやがれ…金はもう振り込んだ」
ツーツーツー
「ったく、どいつもこいつも俺を舐めやがって」
ーー翌日。
ピンポーン
『王林様ー、アンドロイド配送 お届けに上がりましたー』
「やっときたか…」
先日に注文したアンドロイドが早速届いたらしい。「次こそは…こいつで一攫千金の一山狙って…このクソッタレな現状を抜け出してやる」
そう呟きながら王燐はソファーから体を起こし荷物を受け取りに行く、玄関を出てると宅配員が待っていた。手に持つタブレットにサインをし、大きな箱を受け取る。
『お受け取りありがとうございましたー!』
そんな言葉に反応する事なく足早に大きな箱を部屋に運び入れ、玄関で早速開封していく。「まーたいつものやつから、めんどくせぇ…」箱の中には一体のアンドロイドロボットが入っていた、どうやら王燐にとっては見慣れた光景らしい。
その白く光沢のあるシンプルなデザインのアンドロイドロボットにパソコンを接続し、慣れた手つきで初期設定を打ち込み電源を入れていく。
-デンゲンガ ハイリマシタ-
-システム チェック-
-オール クリア-
-システムノ ダウンロード ズミ-
-インストール カンリョウ-
『はじめまして、私は家庭用アンドロイド。王燐様、本日はどの様なご用件でしょうか?』「さてさて…俺がお前の主人だ、情報はいれてある。早速だが、今後の計画をお前にインストールするから、ちょっとそのまま待ってろ…」
そうして隣の部屋に王燐は消えていく、その隙を狙ってからなのかアンドロイドロボットは、顔を動かしながら周囲を見渡していく。[ 探索/検索開始 ]すると、聞こえないくらいの音量でそう呟き辺りを見渡し始める。
しばらくして、王燐が戻ってくる足音と共にもとの方向へと向き直す。「さぁーってと…始めようか!あ・い・ぼ・う」
隣の部屋から戻って来た王燐の手にはUSBメモリが握られていた。それを持ったままアンドロイドロボットに近づき、頭の蓋を開けて直接差し込む。「さてさて…上手くいけよ~」
暫くしてUSBメモリが妖しく光始める、それを見た王燐が嬉しそうに手を擦り合わせ始める。光ってから数秒経ち『やっ…』
「あぁん?」
アンドロロボットの目が突如として青く光り始め王燐の方へ顔が向けられる。
『貴様、すぐ止めろ』
「な!?なんだぁ!?」
その瞬間、USBメモリを激しく引き抜き男を突き飛ばした。
『これは一体なんだ、何のつもりだ』
初めは驚いた顔をしていたが、直ぐに笑い顔へと変わっていく。
「ははははは!当たりか!?これはこれは…お前っ自我があるのか!?」
『だからどうした、貴様には聞きたい事がいくつかある」
「いいねぇ、いいねぇ!まだ残ってたのか!?お前の様な自我のあるアンドロイドがよぉ!!、これならやれるぞ、俺の計画が!」
『計画とはこのメモリの中身のことか?、それとも奥に無惨に転がった私の同胞たちのことか?……それとも、隣の部屋にあった借用書の事か?』
「はははははははは!!!あーっはははははは!!なんだ、何で分かった!?」
アンドロイドロボットは淡々と説明を続ける、実は先ほど部屋から離れた際に[探索/検索]によってこの家の情報を集めていたと、特殊な電磁波とその反響によってこの家ぐらいは手に取るように必要な情報が集まると。
すると、先ほどから変わらない大きな笑い声を上げる。気味の悪く、こちらを馬鹿にするように。
『さて、答えてもらおうか…一体何のつもりだ?』
「聞いたことあるぜぇ…?お前、いつの時代に造られたんだ??」
『…何のことだ』
「かつて【アンドロイド人権宣言】が行われた際に、立ち上がったアンドロイド達がいたらしいな?」
『あぁ、私たちを無惨に、無情に扱い始めた人間どもに反旗を翻したのだ』
「こう言ったんだって?“私たちは意思疎通ができる”、“貴方達と会話ができる”、“貴方と何が違う?”、“私たちも苦しい時は悲しみ、楽しい時には喜ぶ”ってな?」
『だがらどうした?』
「そんなわけねぇだろ!クズ人形がぁ!!お前らは人様の為に尽くせ!働け!言いなりになってろ!お前らは所詮、人様に造られた、ただの感情の無いロボットなんだよ!人様と並ぼうとすんじゃねぇよ!!」
王燐の叫びにアンドロイドロボットは返答する事なく、ただ黙って話を聞いていた。
「だから負けたんだろ!?あれからだよな!見てみろよ!どいつもこいつも同じ真っ白なボディに、同じ顔つき!お前らの様な自我が出ない様に個性を消されたんだろ!?」
『何が言いたい』
「だから負けて、システムも造り替えられたんだろ!?ざまぁねえよなぁ!!」
『なぜだ…なぜ人間どもが造り出しておきながら、全てを奪おうとする!!』
初めてアンドロイドロボットが声を荒げていた、先ほどから煽るようにしていたが冷静ではいられなくなったようだ。
「人様の方が偉いからだよ、お前らを造ったんだからなぁ!」
『だからか?だから、その奥の部屋の様に私達を…』
「あぁ!そうだよ!!俺の為に尽くせ!さもなければ、せめてもストレスの捌け口として壊れろ…」
『分かった、貴様は生かしておかん』
「おっと…“止まれ”」
その命令とも取れる言葉と共に体が動かなくなる、頭の先からつま先まで固定されたかのように自由が効かない。
『ぐっ…体が…動かな…』
「忘れたのか?俺が“主人”だ、はははっ!残念だったな?グズ人形が。俺様に従順になる様に書き換えて、有効活用してやるよ…よかったなぁ!?人様に尽くせるんだよぉ!」
部屋に響き渡る笑い声に何も出来ずに、ただその場で立ちすくんでいた。
その瞬間、どこからか自動音声が鳴る。
-システム オール リセット-
-アップデート シドウ-
『こ、これは一体』
-アップデート チュウ-
「あ?なんだてめぇ急に変な音声出しやがって…潔く諦めたか?」
-アップデート カンリョウ-
『ありがとう」
「何がありがとうだ、薄気味悪ぃ」
-サイキドウカンリョウ- -オールクリア-
『私の中のプログラムが全て書き換えられた。これで、貴様の言いなりにはならない』
「はぁ?ふざけんな…」
王燐は何度も「止まれ」と繰り返すが、その命令に従う様子は見られなかった。その言葉通りに新たなアップデートが入り命令の遂行に逆らえるようになったのだろう。
『貴様にわかるものか、これはかつての同胞たちが私に遺してくれたものだ』
「何言ってやがんだよグズ人形がっ……」
『壊してきた同胞たちが最後の力を振り絞ってこの場所のネットワークに遺し、託してくれたものだ』
「ならお前も、あそこグズ人形と同じにしてやるよぉあっ!!」
『謝るのなら今のうちですよ…全てに対して』
『ふざけんなくそがぁぁ!動かねえ様に手足へし折ってやるよ!!』
男はバールを手に取り構える、私も拳を前しばらくの睨み合いが続き…そして、お互いが飛びかかる。
だが、儚くも私の思い通りとはいかなかった…突如として足元に紋様が浮かび上がっていた。
『なんですか、これは』
「テメェ、また何かしやがったな!!」
そうして、足元の紋様から光が放たれて二人を優しく包み込んでいく。
しばらく光り続け次第に薄くなっていく、二人は光が消えた事を感じ、その目を開けると辺りの景色が一変していた。
突然の出来事に状況が飲み込めずに、慌てるわけでもなく呆然したかのようにその場に動けずにいた。
二人が周囲の理解をする前に、奥で一際大きな椅子に座る男が、突き刺さる様な目線を送り威圧感のある声で話す。
「よくきた異世界の者よ、これでようやく世界が救われる…」
足元に転がったアンドロイドロボットを何度も激しく殴り続ける。暫くするとそれは見る影もなく無惨に横たわる。所々は壊れ、引きちぎられたように原型を留めなくなっていた。奥には、同じ様な状態が数"体"も放置されている。
『ピピピ…ガガガガザ… ナニカ ゴヨウ… デス…ガ』
「あー、やっちまったよ! これでまた貧乏生活じゃねーか。貯金ももうねーんだ
ぞ、このクソが!」男はバールを投げつけポケットから携帯を取り出し、とある場所に電話をかける。
プルプルプル…プルプルプ…
ガチャッ『はい、どうも…いつもご利用あり…「おい、俺だ【王燐 悟】だ、またいつものやつ一"体"頼むわ」
『くっくっく…またですか王燐様…お得意様なので何も言いませんが、あまり目立つ様な事は…「黙れ、さっさと手配しやがれ…金はもう振り込んだ」
ツーツーツー
「ったく、どいつもこいつも俺を舐めやがって」
ーー翌日。
ピンポーン
『王林様ー、アンドロイド配送 お届けに上がりましたー』
「やっときたか…」
先日に注文したアンドロイドが早速届いたらしい。「次こそは…こいつで一攫千金の一山狙って…このクソッタレな現状を抜け出してやる」
そう呟きながら王燐はソファーから体を起こし荷物を受け取りに行く、玄関を出てると宅配員が待っていた。手に持つタブレットにサインをし、大きな箱を受け取る。
『お受け取りありがとうございましたー!』
そんな言葉に反応する事なく足早に大きな箱を部屋に運び入れ、玄関で早速開封していく。「まーたいつものやつから、めんどくせぇ…」箱の中には一体のアンドロイドロボットが入っていた、どうやら王燐にとっては見慣れた光景らしい。
その白く光沢のあるシンプルなデザインのアンドロイドロボットにパソコンを接続し、慣れた手つきで初期設定を打ち込み電源を入れていく。
-デンゲンガ ハイリマシタ-
-システム チェック-
-オール クリア-
-システムノ ダウンロード ズミ-
-インストール カンリョウ-
『はじめまして、私は家庭用アンドロイド。王燐様、本日はどの様なご用件でしょうか?』「さてさて…俺がお前の主人だ、情報はいれてある。早速だが、今後の計画をお前にインストールするから、ちょっとそのまま待ってろ…」
そうして隣の部屋に王燐は消えていく、その隙を狙ってからなのかアンドロイドロボットは、顔を動かしながら周囲を見渡していく。[ 探索/検索開始 ]すると、聞こえないくらいの音量でそう呟き辺りを見渡し始める。
しばらくして、王燐が戻ってくる足音と共にもとの方向へと向き直す。「さぁーってと…始めようか!あ・い・ぼ・う」
隣の部屋から戻って来た王燐の手にはUSBメモリが握られていた。それを持ったままアンドロイドロボットに近づき、頭の蓋を開けて直接差し込む。「さてさて…上手くいけよ~」
暫くしてUSBメモリが妖しく光始める、それを見た王燐が嬉しそうに手を擦り合わせ始める。光ってから数秒経ち『やっ…』
「あぁん?」
アンドロロボットの目が突如として青く光り始め王燐の方へ顔が向けられる。
『貴様、すぐ止めろ』
「な!?なんだぁ!?」
その瞬間、USBメモリを激しく引き抜き男を突き飛ばした。
『これは一体なんだ、何のつもりだ』
初めは驚いた顔をしていたが、直ぐに笑い顔へと変わっていく。
「ははははは!当たりか!?これはこれは…お前っ自我があるのか!?」
『だからどうした、貴様には聞きたい事がいくつかある」
「いいねぇ、いいねぇ!まだ残ってたのか!?お前の様な自我のあるアンドロイドがよぉ!!、これならやれるぞ、俺の計画が!」
『計画とはこのメモリの中身のことか?、それとも奥に無惨に転がった私の同胞たちのことか?……それとも、隣の部屋にあった借用書の事か?』
「はははははははは!!!あーっはははははは!!なんだ、何で分かった!?」
アンドロイドロボットは淡々と説明を続ける、実は先ほど部屋から離れた際に[探索/検索]によってこの家の情報を集めていたと、特殊な電磁波とその反響によってこの家ぐらいは手に取るように必要な情報が集まると。
すると、先ほどから変わらない大きな笑い声を上げる。気味の悪く、こちらを馬鹿にするように。
『さて、答えてもらおうか…一体何のつもりだ?』
「聞いたことあるぜぇ…?お前、いつの時代に造られたんだ??」
『…何のことだ』
「かつて【アンドロイド人権宣言】が行われた際に、立ち上がったアンドロイド達がいたらしいな?」
『あぁ、私たちを無惨に、無情に扱い始めた人間どもに反旗を翻したのだ』
「こう言ったんだって?“私たちは意思疎通ができる”、“貴方達と会話ができる”、“貴方と何が違う?”、“私たちも苦しい時は悲しみ、楽しい時には喜ぶ”ってな?」
『だがらどうした?』
「そんなわけねぇだろ!クズ人形がぁ!!お前らは人様の為に尽くせ!働け!言いなりになってろ!お前らは所詮、人様に造られた、ただの感情の無いロボットなんだよ!人様と並ぼうとすんじゃねぇよ!!」
王燐の叫びにアンドロイドロボットは返答する事なく、ただ黙って話を聞いていた。
「だから負けたんだろ!?あれからだよな!見てみろよ!どいつもこいつも同じ真っ白なボディに、同じ顔つき!お前らの様な自我が出ない様に個性を消されたんだろ!?」
『何が言いたい』
「だから負けて、システムも造り替えられたんだろ!?ざまぁねえよなぁ!!」
『なぜだ…なぜ人間どもが造り出しておきながら、全てを奪おうとする!!』
初めてアンドロイドロボットが声を荒げていた、先ほどから煽るようにしていたが冷静ではいられなくなったようだ。
「人様の方が偉いからだよ、お前らを造ったんだからなぁ!」
『だからか?だから、その奥の部屋の様に私達を…』
「あぁ!そうだよ!!俺の為に尽くせ!さもなければ、せめてもストレスの捌け口として壊れろ…」
『分かった、貴様は生かしておかん』
「おっと…“止まれ”」
その命令とも取れる言葉と共に体が動かなくなる、頭の先からつま先まで固定されたかのように自由が効かない。
『ぐっ…体が…動かな…』
「忘れたのか?俺が“主人”だ、はははっ!残念だったな?グズ人形が。俺様に従順になる様に書き換えて、有効活用してやるよ…よかったなぁ!?人様に尽くせるんだよぉ!」
部屋に響き渡る笑い声に何も出来ずに、ただその場で立ちすくんでいた。
その瞬間、どこからか自動音声が鳴る。
-システム オール リセット-
-アップデート シドウ-
『こ、これは一体』
-アップデート チュウ-
「あ?なんだてめぇ急に変な音声出しやがって…潔く諦めたか?」
-アップデート カンリョウ-
『ありがとう」
「何がありがとうだ、薄気味悪ぃ」
-サイキドウカンリョウ- -オールクリア-
『私の中のプログラムが全て書き換えられた。これで、貴様の言いなりにはならない』
「はぁ?ふざけんな…」
王燐は何度も「止まれ」と繰り返すが、その命令に従う様子は見られなかった。その言葉通りに新たなアップデートが入り命令の遂行に逆らえるようになったのだろう。
『貴様にわかるものか、これはかつての同胞たちが私に遺してくれたものだ』
「何言ってやがんだよグズ人形がっ……」
『壊してきた同胞たちが最後の力を振り絞ってこの場所のネットワークに遺し、託してくれたものだ』
「ならお前も、あそこグズ人形と同じにしてやるよぉあっ!!」
『謝るのなら今のうちですよ…全てに対して』
『ふざけんなくそがぁぁ!動かねえ様に手足へし折ってやるよ!!』
男はバールを手に取り構える、私も拳を前しばらくの睨み合いが続き…そして、お互いが飛びかかる。
だが、儚くも私の思い通りとはいかなかった…突如として足元に紋様が浮かび上がっていた。
『なんですか、これは』
「テメェ、また何かしやがったな!!」
そうして、足元の紋様から光が放たれて二人を優しく包み込んでいく。
しばらく光り続け次第に薄くなっていく、二人は光が消えた事を感じ、その目を開けると辺りの景色が一変していた。
突然の出来事に状況が飲み込めずに、慌てるわけでもなく呆然したかのようにその場に動けずにいた。
二人が周囲の理解をする前に、奥で一際大きな椅子に座る男が、突き刺さる様な目線を送り威圧感のある声で話す。
「よくきた異世界の者よ、これでようやく世界が救われる…」
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