僕達が出会った場所は、病室だった。

第６話

翌日。
カナさんのいない僕の病室には、
嗚咽だけが響いていた。

「ううっ。ぐすっ。うっ」
手術は、昨夜で終わった。
結果は。


失敗。


なんと、カナさんは死んでしまった。
原因は、手術中に心臓が止まったから。
それにより、手術困難となったらしい。


昨日は、 手術を11時半まで待ったけど、
「もう遅いな。早く寝なさいね」
と山川先生が言い、僕は寝た。

そして、さっき。
手術失敗の連絡を、山川先生からもらった。
心臓の鼓動が、煩い。
カナさんが、死んだ。
その事実があった。
僕は、後悔した。
イヤだ。イヤだ。イヤだ。
まだ謝ってないのに。
死んじゃうなんて。
死んでほしくなかったのに。


数週間後。
僕は退院して、学校に通っていた。

3ヶ月も入院してたから、
みんなは、笑顔で出迎えてくれた。
「お帰り！」
「奏斗くん！！お帰り！！」
とみんなはそう言ってくれたけど、
僕の心の中には、ずっとカナさんがいた。

大事な友達。
かもしれない。
でも、友達以上に大事なのかもしれなかった。
もしかしたら。
僕は、好きなのか？
カナさんのことが。
だけど、カナさんが好きじゃなかったら。
そんなことを僕が思うと、カナさんは不快になる。
友達以上恋人未満。
まさに、その関係のようだった。