君が好き

如月由美

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前編

五話 ワタシノカレシ

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どうすれば!
私は、とにかく離れようと、優翔の胸を押す。
だけど、離れてくれない。
こうなったらと、私は優翔を押し倒した。
「うわっ!」
と優翔は、驚く。
衝撃で、優翔の手が離れる。
私はその瞬間を狙って、走り出した。
後ろを、向きたくない!
優翔の悲しそうな顔なんて、見たくないよ!
と思っている私の後ろで、優翔が諦めないような顔をしていた。


翌日は何もなく、普通に過ごした。
その理由は、優翔が休んでいたから。

その日は、いつもより寂しかった。
どうしてだろう。
アイツのことは、嫌いなはずなのに。
最近起こった優翔との出来事が、忘れられない。
どうしてなの。
こんな気持ち、初めてで分かんないよ。
だけど、これだけは、分かる。
この気持ちは、優翔のせいだってことは。


翌日の昼休み。
私は、彼氏の松野君を呼び出した。
「ごめんね。廊下の突き当たりまで」
「いや、良いよ。で、話って?」
「あぁ、うん。話っていうのはね、私、ホントに松野君の彼女なのかなって、思って」
と、話を切り出した時、松野君が私にキスしてきた。
「やめてよ。やめてよ!」
私は、松野君を置いて、走った。
もう松野君の顔も、見れないよ!
それに、私だけ、振り回されるのはイヤだ!
泣きながら、走り続けた私だった。
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