上 下
33 / 62
第三章

アイツ side*ゆっくん

しおりを挟む
アイツ、今、どうしてるだろ。
元気だよな。
俺みたいな、最低なヤツがいなくなってよ。

「柚希ー?また行かないのー?」
と言うのは、俺の母親。
「行かなーい」
気を遣っているらしく、俺を風邪とか頭痛とかで、休ませている。
今日で、一週間か。
結構休んでるな。
これは、絶対、留年になるよな。
はぁー。
ふと机に置いてあるスマホを、見る。
メールか。
でも、ダメだ。
送れるわけ、ないだろ。
自分でも資格なんてないって、分かってるのに。バカかよ。
付き合うつもりはないけれど、攻めても話がしたい。
アイツに、謝りたい。
そうしなきゃ、アイツが幸せにならないだろう。忘れることもできないし。

そのとき。
「ぐぅー」
お腹が減ってしまった。
コンビニで、なんか買ってくるか。
財布とスマホを持ち出し、外に出た。
いつぶりだろ。外に出るのは。
あれ以来、ずっと部屋にこもってたからな。
久しぶりだ。


「ありがとうございましたー」
と店員の声と共に、自動ドアが開き、外に出る。
ふぅー。
コーラ買ったけど、飲めるかな。
しばらく、炭酸なんて飲んでなかったからな。
まぁ、そのうちにでも、慣れるだろ。
と思ったとき、ふと隣の公園を見る。

ピヨピヨ。

小鳥が来てるなぁ。
さっき、買ったパンでもあげてみるか。
そう思い、コンビニの袋から食パンを取り出して、細かくちぎり、小鳥たちの前に散らばした。
小鳥たちは遠慮なく、食べている。
手懐けたみたいで、すごく嬉しかった。

ーあの声がするまではー
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

校長室のソファの染みを知っていますか?

フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。 しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。 座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る

隣の人妻としているいけないこと

ヘロディア
恋愛
主人公は、隣人である人妻と浮気している。単なる隣人に過ぎなかったのが、いつからか惹かれ、見事に関係を築いてしまったのだ。 そして、人妻と付き合うスリル、その妖艶な容姿を自分のものにした優越感を得て、彼が自惚れるには十分だった。 しかし、そんな日々もいつかは終わる。ある日、ホテルで彼女と二人きりで行為を進める中、主人公は彼女の着物にGPSを発見する。 彼女の夫がしかけたものと思われ…

JKがいつもしていること

フルーツパフェ
大衆娯楽
平凡な女子高生達の日常を描く日常の叙事詩。 挿絵から御察しの通り、それ以外、言いようがありません。

結構な性欲で

ヘロディア
恋愛
美人の二十代の人妻である会社の先輩の一晩を独占することになった主人公。 執拗に責めまくるのであった。 彼女の喘ぎ声は官能的で…

寝室から喘ぎ声が聞こえてきて震える私・・・ベッドの上で激しく絡む浮気女に復讐したい

白崎アイド
大衆娯楽
カチャッ。 私は静かに玄関のドアを開けて、足音を立てずに夫が寝ている寝室に向かって入っていく。 「あの人、私が

初めてなら、本気で喘がせてあげる

ヘロディア
恋愛
美しい彼女の初めてを奪うことになった主人公。 初めての体験に喘いでいく彼女をみて興奮が抑えられず…

どうして隣の家で僕の妻が喘いでいるんですか?

ヘロディア
恋愛
壁が薄いマンションに住んでいる主人公と妻。彼らは新婚で、ヤりたいこともできない状態にあった。 しかし、隣の家から喘ぎ声が聞こえてきて、自分たちが我慢せずともよいのではと思い始め、実行に移そうとする。 しかし、何故か隣の家からは妻の喘ぎ声が聞こえてきて…

君の浮気にはエロいお仕置きで済ませてあげるよ

サドラ
恋愛
浮気された主人公。主人公の彼女は学校の先輩と浮気したのだ。許せない主人公は、彼女にお仕置きすることを思いつく。

処理中です...