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第二章
甘い味
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病室に戻ってきた私たちは、母が剥いてくれたリンゴを食べていた。
シャキ。
母が買ってきてくれたリンゴは、瑞々しくて、甘かった。
「美味しいですね。甘いです」
と言うのは、柚希くん。
シャキシャキと、少し開いた口から、リンゴの音が聞こえる。
「良かったわ。選び方を間違えたかなって心配してたの…!」
と言う母の目は、キラキラと輝いてる。
「そんなこと、気にしてたの?」
私は、リンゴを口に入れる。
「あら、やだ…!気にしても、良いでしょ…!」
「まぁ、良いけど」
と言うと、母のスマホが鳴った。
「あら、誰かしら」
母はバッグからスマホを取り出した。
「お父さんから、電話だわ。お母さん、ちょっと出るわね」
と病室を、出ていった。
また、二人きり。
あのときみたいに、襲われるんじゃないかと、心配になってしまう。
と感じていたとき、
「帰るよ。俺」
え?帰る、の?
帰っちゃうの?
気づけば、柚希くんのシャツを掴んでいた。
「あ………その………え…と…」
顔を、真っ赤に染める。
言い訳できない!どうしよう!
と、とにかく!離そう!
だけど、ずっと掴んだまま。
離そうとしても、手が動かない。
「ご……ごめん………なさい…」
と言うと、柚希くんは振り返り、私の額にキスをした。
「え……っ?」
「じゃーな。また来るから」
と行ってしまった。
ふと頬に手を添えると、
「顔、熱い」
顔が熱を持っていた。
シャキ。
母が買ってきてくれたリンゴは、瑞々しくて、甘かった。
「美味しいですね。甘いです」
と言うのは、柚希くん。
シャキシャキと、少し開いた口から、リンゴの音が聞こえる。
「良かったわ。選び方を間違えたかなって心配してたの…!」
と言う母の目は、キラキラと輝いてる。
「そんなこと、気にしてたの?」
私は、リンゴを口に入れる。
「あら、やだ…!気にしても、良いでしょ…!」
「まぁ、良いけど」
と言うと、母のスマホが鳴った。
「あら、誰かしら」
母はバッグからスマホを取り出した。
「お父さんから、電話だわ。お母さん、ちょっと出るわね」
と病室を、出ていった。
また、二人きり。
あのときみたいに、襲われるんじゃないかと、心配になってしまう。
と感じていたとき、
「帰るよ。俺」
え?帰る、の?
帰っちゃうの?
気づけば、柚希くんのシャツを掴んでいた。
「あ………その………え…と…」
顔を、真っ赤に染める。
言い訳できない!どうしよう!
と、とにかく!離そう!
だけど、ずっと掴んだまま。
離そうとしても、手が動かない。
「ご……ごめん………なさい…」
と言うと、柚希くんは振り返り、私の額にキスをした。
「え……っ?」
「じゃーな。また来るから」
と行ってしまった。
ふと頬に手を添えると、
「顔、熱い」
顔が熱を持っていた。
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