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美姫の場合
カレーライスの作り方
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カレーライスを作りましょう
面倒くさいので一週間分程
まとめて作って冷凍しましょ
冷凍庫ならば心配ご無用
三人家族に・充分過ぎる
用量ですのよ・容量ですのよ
人参を準備しましょう
オーガニックな人参を
人が参ずる・そう書いたから
人参さんと詠めるのですね
皮を優しくむいたなら
オレンジ色した素肌が素敵
夏の色したあなたの記憶に
酔いしれながら夜は更けるの
教えて欲しい。何に力点を置いていますか。支点・力点・作用点を三つ適当に並べて貴方の人生図形を晒(さら)してください。貴女の街路樹達には何色の水が作用していますか。何を飲みますか。何を好みますか。何を肯定しますか。何が嫌いですか。何を否定しますか。寂しくはないですか。慌(あわ)ただしくはないですか。無常の世に巧妙な光明を見出すことはできますか。
謙虚に生きたいと願います。心底そう思うのです。驕り高ぶることのないように。ああ。ああ。美的感性のみが先行してしまう悪い癖。ああ。ああ。そういえば。3月から7月までにかけて「新たな習慣」を「とある異性」と形成したのです。それはとても意義深いことなのです。とてもとても意義深いことなのです。枝葉と当量の根となって土に根付くのが習慣の力。魔法の力。人生という旅の中心に刺さるマジカル・ステッキ。それは水墨画のような作画(スケッチ)。
玉葱の皮を剥きましょう
井上さんに/頂いたのです
あの井上さんに/頂いたのです
目を見張る抗酸化作用
安心して食せる筈です
陰茎包皮のように優しく
優しく皮を剥いたなら
玉葱さんを俎板(まないた)に
置いて素肌を見渡すの
ふるふる落ち着かない様子
そんなに怖がらないでください
元居た場所に戻るだけ
そうです・あなたも
そうです・わたしも
元居た場所に戻るだけ
私の視線が真剣だから
そんなに怖がっているのかしら
それならきちんとお詫びをします
だって・だってね・聞いて頂戴
あなたが生きているように
私も生きているのですから
包丁・研ぐのを許してください
昨夜の女性が車内で云ったのです。『私はカレーにワカメを入れます。私はカレーに海老を入れます。私はカレーに味噌を入れます。私は…カレーに麹を入れます。』筆者はこう返答したのです。『そうか。君が云うのならばそれはカレーなんだろうな。出来上がりがいまいち想像できぬが。主菜(しゅさい)を主催(しゅさい)する宰相(さいしょう)は最小(さいしょう)の結晶(けっしょう)を好むと云う。ナポレオンは※「戦場で活躍する最高の兵士は、誰もが正気を失っている時に普通のことが普通にできる者のことを云う」※という言葉を残したが…正気を失わせたのは持続する一寸した不快感なのかもしれないな。なんとなく。そう思う。』
息を切らして独り旅
片付け嫌いな中学生
家に戻るのが嫌という
学校行くのも嫌という
仕事に就くのも嫌という
ベッドの上が心地よく
スマホひとつで至福であると
カレーライスを作りましょう
せめて真面目な皮肉を込めて
阿呆な鳥にぞ・喰わせましょう
きっと雄雌(おすめす)・なかなおり
そして饒舌(じょうぜつ)・その舌・頂戴
貴女にも大切な人が居るのでしょう。貴方にも大切な人が居るのでしょう。田舎で独り・孤独に苛まれながら棺桶に入る日を待つ曾祖母が。過去に「伊豆の踊り子選手権」で準優勝したにも関わらずその先を見出すことができずに朽ちていく老婆は、一度きりの真剣勝負に勝ったともいえますが負けたともいえませぬか。まあどうでもいい話です。過去の話です。若い方々は可能性と絶妙な円舞曲を踊るべきです。
主役はもちろん。貴方。主役はもちろん。貴女。人生劇場のはじまりはじまり。先天性のものとして何を持ち越すことができましたか。類まれなる身体能力?圧倒的な文章能力?前髪をたくし上げる仕草だけで異性を魅了するチャームの魔法?圧倒的な支配力と影響力(カリスマ)で勇敢に社会と戦う企業戦士としての才覚?胸鎖乳突筋と斜角筋の隙間に「氣」「水」「血」を貫通させることのできるヨーガの才能?此の世は鏡。アウトプットがインプットとなり片刃のブーメランが福江藩(ふくえはん)のスルメ盤に戻ってくる。
引き寄せの法則ってあるじゃあない。その真実は『空(くう)』。何にでも成ることができる可能性という名前の獣。そして。そして。産まれながらに剥がせぬ不自由の烙印を左肩に押されたのがひとといふもの。その痛みを消す為に日々を暮らすのがひとといふもの。烙印は嘘が嫌いなの。烙印は無一文が嫌いなの。吐く迄喰う人も嫌いなの。烙印は獣の歩いた足跡。女死神が其処に口吻をしようと睨んでいる。だからみんな怖がっているのよ。だからみんな病んでいるとも云えるのよ。
舞台はそんなに綺麗なものじゃあないわ。先ずは試しに。ものは試しに。南蛮伝来の3番プリエから始めるといいと思うわ。御客様Aは『ああ。なんて美しい脚なんだ。あの娘の脚に舌先を這わせてみたい。彼女が「ぴく・ぴく・ぴく」と反応するのを動画にしてアップロードとダウンロードを繰り返したい。「俺のものになれ」などという一般論では男らしいと表される台詞(セリフ)で妻として娶りたい。初夜は硬い硬いシェルフの上で貫通式としたいのだ。』そのやうに見ているわ。『そんなもんさ。芸術に期待なんかするなよ。要旨として纏めれば容姿が非常に重要だという話だ。単純明快。足軽装備。脚刈相武台(あしがるそうぶだい)。そんなもんさ。芸術なんてのはな。』御主人様の目は総てを見通すの。御客様Bは『ああ。なんと美しい衣装なのだろう。体脂肪率が概ね10%の痩身踊子(スキニーダンサー)に非常に良く似合う。ここは…そうだな。懐事情にものを云わせるとしようか。今まで一度も失敗したことのない手法だ。彼女のマネージャーに連絡をとり「例の旅館に下着なしの和装で連れてくるように。もちろん縄だの。もちろん蝋燭だの。もちろん永久機関だの。もちろん尻穴振動ビーズだの。野菜だの。そういった一式を提携したうえで。な。」と近未来の予約を挿れるとしよう。そして文字通り彼女に何でも挿れてやる。茄子でことを成したのち、同茄子は夕食のカレーにでも容れてしまえばいい。』そう仰いましたわ。
カレーライスを作りましょう
下ごしらえが済んだなら
あとはぐつぐつ煮込むだけ
美味しくなってと・祈るだけ
カレー粉スパイス混ぜ込んで
あれあれ困った御肉がないと
気づいた折に周りを見渡す
カーテンレールに吊られてる
期待と不安の荷締め紐
そこで燻蒸されたものこそ
そこで熟成されたものこそ
御肉の代わりに相応しい
一口さいずに切り刻み
一口さいずに切り刻む
一口さいずに切り刻み
営利なナイフは西医学(にしいがく)
これで一件落着と
胸を撫でて降ろした束の間
何かが足りぬ・何かが足りぬと
内なる声が聞こえてきます
何かが足りぬ・何かが足りぬと
内なる声が聞こえてきます
…私の左手親指の一部。
…其処を犠牲にすることで至上の料理が
完成するとのことです。
…私は銀色の鋭利なもので十字を切ります。
…血の滲む色。…肉の断片。
…赤。…赤。…そして赫(あか)。
…とても美しく・とても嗜虐的な朱(あか)。
カレーライスを作りましょう
愛するあのひと喜ぶかしら
今夜は金曜。カレーの日。
カレーライスを作りましょう
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