《瞑想小説 狩人》

瞑想

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美姫の場合

美姫の場合90⃝

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『……』美姫を咀嚼する鼠の群れ
『……』四肢緊縛の末端に五寸釘
『……』乳首の微感度は既に保存済
『…もう』両突起を人外に舐められ
『…いや』齧り取られる気分はどうだね
『…だめ』毟り取られる気分はどうだね
『…だめ』噛り啄まれる気分はどうだね
『………』噛み込まれる突起達は桃色と
『………』肌色の中間色にして懺悔色

『……』彼女の帰るべき場所に疑問符を
『……』君は心は一体何処に向かうんだい
『……』優しい夫と可愛い娘の住む
『……』郊外の一戸建住宅に戻りたいのか
『……』其処には何でもあっただろうが
『……』実際は何にもなかったのかも
『……』家に価値はあるのだろうか
『……』其処に本当の価値が在ったのか

『……』御前はそんな女ではないよ
『……』御前は其処に帰る女ではないよ
『……』手毬は狂獣の視線を氣にしつつ
『……』手持ちの武器を全放棄する定め
『ん…』手乗り猫に相応しい女を収受し
『ん…』相応しい生と死を与えてやろう
『ん…』鈍感なふりをしていなさい
『ん…』そんな敏感な身体に嘘をついて
『ん…』牡牛座の女体を双子座の世界へ

『……』此処で手乗り文鳥になるといい
『……』優しく詰(なじ)って
    やろうといふもの
『……』きつく叱責してやろうといふもの
『……』血痕の遺るシーツは使い捨てるぞ
『…もう』抜根の痕が常時痛むだろうが
『…だめ』完全な世界であることに変わりなし

『……』老婆は鼠達の同行を見守りつつ
『……』気ままに涎を飲ませようとする
『…駄目』彼女は同性の涎飲みを嫌がり
『……』首振り三度のベーグルサンド
『……』酸度の高い涎を飲みたくはない
『……』粘土と粘度が年度に換算され
『……』ひどいかほりのする涎は嫌だと

 鼠達は突起を咥えて離さない。此処で女性を二つに大別しやうじゃないか。『乳首で逝く女』と『乳首で逝けないイケナイ女』の二つ。前者は悲哀に満ちており/後者も同じく悲哀に満ちている。前者は先天性のものは殆どなく,想像力に身を委ねられる後天性の交点に依るもの。

『…ああ』当尺の咀嚼を続けるならば
『…ああ』もっと高い標高迄・行ける
『…ああっ』乳頭刺激は鼠舌に丁度良い
『…☓…』奴隷の仕草に蛍火揺蕩う夜
『…☓…』真四角に憧れる平行四辺形
『…☓…』内角の和を協議する図形は
『…☓…』円に最も近い多角形に嫉妬する
『…☓…』女性の陰核はその景色に近く
『…☓…』下顎骨は最もその景色から遠い

『……』弓に成る身体は判り易い
『……』落ち着けぬ呼吸と
『……』天井すらも濡らす蜜
『……』滴り落ちる欲望の縁
『……』元号を忘れた打上花火

『……』自由に伸びる線路は
『……』続く続くよ何処までも
『……』同物語に影響された鼠
『……』彼等は髪に小便をかけ
『……』突起の甘さに舌鼓
『……』助詞と間投詞の区別は
『……』どうでもいいというのが持論

『……』部屋の酸素分圧は低くなる
『……』音響室のやうに反響する咽び
『……』誕生月のやうに
    譲歩する縞馬(しまうま)
『……』独学の旅人のポーチの中身には
『……』先ず財布が見当たらなかった
『……』次に快適電話が見当たらなかった
『……』常備薬の類も見当たらなかった
『……』極軽装であり足軽兵のやうに身軽
『……』しかし左の懐には「ぎらり」と輝く
『……』全てを轢断するナイフが
『……』知恵を論破する行動のナイフが
『……』全てを包含する孤独のナイフが
『……』論争道を全破する銀のナイフが
『……』死者を弔う過荷重のナイフが
『……』反戦思考と帆船嗜好のナイフが
『……』和平交渉の為に研がれていた

『……』玉座への反逆を企てる狩人
『……』孤独道の中で才児と呼ばれる
『……』スキンヘッドの童と出会う

『……』其処で手に入れたものは
『……』其処で心に刻まれたものは
『……』明確な殺意と敵対心
『……』明確な殺意と猜疑心

『……』周波数を司る目安箱に対し
『……』反発する為の周波数を磨く
『……』心は深い漆黒色に染まり
『……』四聖獣との密約を交わす

『……』同周波数帯を破り彼の地に戻る
『……』同瞬間を待ちわびる彼は意識を
『……』θよりもδに寄せつつ瞑想をし
『……』深い深い意識の瓶底を目指す

阿頼耶識から舞い降りる知恵
天上天下を繋ぐ橋の位置は上丹田に

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