《瞑想小説 狩人》

瞑想

文字の大きさ
上 下
534 / 599
美姫の場合

御主人様の手紙…右頁上部

しおりを挟む

:::::::::::::::

心の渇きは何に由来する?

『渇望が満たされないから。』
『渇望が見つからないから。』
『嫉妬を見ぬふりをしているから。』
『本当に欲しいものは知っている。のに。』
『行動を起こす事が恐ろしいから。』

…正解だ。よくできたじゃあないか。

心の渇きは何に由来する?

『動きたい身体を動かせていないから。』
『回転したい頭を働かせていないから。』
『眠れない夜をともにできる伴侶が』
『精神的に繋がった異性が居ないから。』
『妻は横に寝ている。しかし。しかし。』
『ここ数年は何か…何かが違う。と。』

…正解だ。よくできたじゃあないか。

もう少し自己紹介をしておこう
肩書きは幾つか・幾つも持っている
主業を語ることはできない・が
夫殿,君が想像するものの100倍
健全且つ公認のものが主な生業だ

TO DOよりもNOT TO DOを
投資利回りよりも元本の強靭さを
不埒な動機よりも堅実な習慣を
大切にしていると自覚している

γよりαを・αよりmid_αを
mid_αよりθを・θよりδを
大切にしていると知覚している
何の事だか解らない顔をするな
只・首を縦に三度・振っておけ

もう少し自己紹介をしておこう
私は美しいものが好きだ
私は美しいものが好きだ
勤勉なもの/着実なもの
利他的な行動/美しい言葉
魂を救う行動/魂の救助隊

自己犠牲では成立しない
利己利他ともに有るという
WIN-WINの位置取りの頂上駅
其処からの眺めは美しい
其処に咲く花々は何よりも
芳(かんば)しく涅槃に近いかほり

私は美しいものが好きだ
私は美しいものが好きだ
極限まで鍛えられ・且つ
無駄が削がれたスキニーな身体
男も女も関係なく目指す頂き
元々の人間として在るべき姿

もう少し自己紹介をしておこう
私は自分に対する嘘が大嫌いだ
私は他人に対する嘘も大嫌いだ
[嘘つき]が大嫌いで仕方がない
真贋の見極めは…大事だぞ
心眼で視る・内なる耳で聴く
肌感で感じることができるのは
おそらく私の特質なのだろう

偽の鷹が飛翔することはない
偽の鷲は和紙を餌にするのみ
偽の紙幣に価値なし。紙屑だ。
金はどうかと云うと之は論持たず
そして・世は・嘘に溢れている

今/今/今/誰の言葉を信じればよいかな
今/今/今・どの動画が似非であるかな
今/今/今・どのテキストが本物であるかな
情報の取捨選択は現在を生きる肝臓
人間の取捨選択が向上を司る腎臓
関係の取捨選択が好調の鍵であり腸

此の思考は欠損指の私には好機だった
真贋の見極めについてきちんと付すが…
真(しん)は底辺を這う蛇にしか成れず
贋(がん)が大きな声で威張り散らす
嘘と誇大広告が蔓延る世は世知辛い
街の98%は此の仕組み。さて。本題へ。

君の妻は・君の寝枕隣の美姫(みき)は
私の・我々の・ショーケースの中
鋼鉄の錬金術・魔法の絨毯
君の妻の落胆顔を御覧・しっかりと
焼入れの鉄を更に固くする拷問は
今現在もなお進行形であるのと識れ

今/今/今・君の隣で寝息をたて
今/今/今・愛する吾子を想ひつつ
今/今/今・突起を貫通したクリップが
震え出さないかと困惑しているのだ

夫殿,君が現在・手紙の右頁上部に
目を落とし震えているのを感じるぞ
半信半疑な三年寝太郎殿の両目玉を
覚醒させる為に…魔法をお見せしよう

::::::::::::::

…君の愛妻を見ているがいい。

…寝ているだろう。可愛い寝顔で。

…此処が弱いらしいぞ。ほれ。

::::::::::::::

『……ん…っ』

…ほれ。もう一度。

『…☓…☓…っ』

…もう一度。これを押すだろ。すると。

『……☓…は…っ』


『美姫。美姫。大丈夫か?
 随分うなされて……。』


『…いま…なんじ…?』

『…もう夜の10時だよ。
 寝なきゃ。大丈夫かい?』


『…ちょっと…』

『…ちょっと?』


『…ちょっと。買い忘れたものがあるの。
 …ごめんね。急に。ちょっと。出て。くる。』

『……』

:::::::::::::

首に潜ませた周波数デバイスの効果だ
美姫の脳内は恐怖と不安に包まれ
何かが染み出すのを堪えるのに
精一杯(せいいっぱい)。
性一敗(せいいっぱい)。
聖逸廃(せいいっぱい)。

私には子飼ひの拷問官が複数居る
言葉で責めるのが好きなスペード
力自慢で低温ボイスのダイヤモンド
慈悲喜捨を皆苦に転ずるハート
小回りと技術で責めちぎる倶楽部
弱いもの虐めが好きな同性の老婆

右京と左京の交わりは激しいぞ
続きを知りたくば右頁下部へ
目を落とすといい。…心配するな。
美姫の外出先は近場だ
直ぐに。戻してやる。から。

::::::::::::::
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

友達の母親が俺の目の前で下着姿に…

じゅ〜ん
エッセイ・ノンフィクション
とあるオッサンの青春実話です

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

淫らに、咲き乱れる

あるまん
恋愛
軽蔑してた、筈なのに。

BL団地妻-恥じらい新妻、絶頂淫具の罠-

おととななな
BL
タイトル通りです。 楽しんでいただけたら幸いです。

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由

フルーツパフェ
大衆娯楽
 クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。  トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。  いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。  考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。  赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。  言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。  たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

騙されて快楽地獄

てけてとん
BL
友人におすすめされたマッサージ店で快楽地獄に落とされる話です。長すぎたので2話に分けています。

処理中です...