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美姫の場合
御主人様の手紙…右頁上部
しおりを挟む:::::::::::::::
心の渇きは何に由来する?
『渇望が満たされないから。』
『渇望が見つからないから。』
『嫉妬を見ぬふりをしているから。』
『本当に欲しいものは知っている。のに。』
『行動を起こす事が恐ろしいから。』
…正解だ。よくできたじゃあないか。
心の渇きは何に由来する?
『動きたい身体を動かせていないから。』
『回転したい頭を働かせていないから。』
『眠れない夜をともにできる伴侶が』
『精神的に繋がった異性が居ないから。』
『妻は横に寝ている。しかし。しかし。』
『ここ数年は何か…何かが違う。と。』
…正解だ。よくできたじゃあないか。
もう少し自己紹介をしておこう
肩書きは幾つか・幾つも持っている
主業を語ることはできない・が
夫殿,君が想像するものの100倍
健全且つ公認のものが主な生業だ
TO DOよりもNOT TO DOを
投資利回りよりも元本の強靭さを
不埒な動機よりも堅実な習慣を
大切にしていると自覚している
γよりαを・αよりmid_αを
mid_αよりθを・θよりδを
大切にしていると知覚している
何の事だか解らない顔をするな
只・首を縦に三度・振っておけ
もう少し自己紹介をしておこう
私は美しいものが好きだ
私は美しいものが好きだ
勤勉なもの/着実なもの
利他的な行動/美しい言葉
魂を救う行動/魂の救助隊
自己犠牲では成立しない
利己利他ともに有るという
WIN-WINの位置取りの頂上駅
其処からの眺めは美しい
其処に咲く花々は何よりも
芳(かんば)しく涅槃に近いかほり
私は美しいものが好きだ
私は美しいものが好きだ
極限まで鍛えられ・且つ
無駄が削がれたスキニーな身体
男も女も関係なく目指す頂き
元々の人間として在るべき姿
もう少し自己紹介をしておこう
私は自分に対する嘘が大嫌いだ
私は他人に対する嘘も大嫌いだ
[嘘つき]が大嫌いで仕方がない
真贋の見極めは…大事だぞ
心眼で視る・内なる耳で聴く
肌感で感じることができるのは
おそらく私の特質なのだろう
偽の鷹が飛翔することはない
偽の鷲は和紙を餌にするのみ
偽の紙幣に価値なし。紙屑だ。
金はどうかと云うと之は論持たず
そして・世は・嘘に溢れている
今/今/今/誰の言葉を信じればよいかな
今/今/今・どの動画が似非であるかな
今/今/今・どのテキストが本物であるかな
情報の取捨選択は現在を生きる肝臓
人間の取捨選択が向上を司る腎臓
関係の取捨選択が好調の鍵であり腸
此の思考は欠損指の私には好機だった
真贋の見極めについてきちんと付すが…
真(しん)は底辺を這う蛇にしか成れず
贋(がん)が大きな声で威張り散らす
嘘と誇大広告が蔓延る世は世知辛い
街の98%は此の仕組み。さて。本題へ。
君の妻は・君の寝枕隣の美姫(みき)は
私の・我々の・ショーケースの中
鋼鉄の錬金術・魔法の絨毯
君の妻の落胆顔を御覧・しっかりと
焼入れの鉄を更に固くする拷問は
今現在もなお進行形であるのと識れ
今/今/今・君の隣で寝息をたて
今/今/今・愛する吾子を想ひつつ
今/今/今・突起を貫通したクリップが
震え出さないかと困惑しているのだ
夫殿,君が現在・手紙の右頁上部に
目を落とし震えているのを感じるぞ
半信半疑な三年寝太郎殿の両目玉を
覚醒させる為に…魔法をお見せしよう
::::::::::::::
…君の愛妻を見ているがいい。
…寝ているだろう。可愛い寝顔で。
…此処が弱いらしいぞ。ほれ。
::::::::::::::
『……ん…っ』
…ほれ。もう一度。
『…☓…☓…っ』
…もう一度。これを押すだろ。すると。
『……☓…は…っ』
『美姫。美姫。大丈夫か?
随分うなされて……。』
『…いま…なんじ…?』
『…もう夜の10時だよ。
寝なきゃ。大丈夫かい?』
『…ちょっと…』
『…ちょっと?』
『…ちょっと。買い忘れたものがあるの。
…ごめんね。急に。ちょっと。出て。くる。』
『……』
:::::::::::::
首に潜ませた周波数デバイスの効果だ
美姫の脳内は恐怖と不安に包まれ
何かが染み出すのを堪えるのに
精一杯(せいいっぱい)。
性一敗(せいいっぱい)。
聖逸廃(せいいっぱい)。
私には子飼ひの拷問官が複数居る
言葉で責めるのが好きなスペード
力自慢で低温ボイスのダイヤモンド
慈悲喜捨を皆苦に転ずるハート
小回りと技術で責めちぎる倶楽部
弱いもの虐めが好きな同性の老婆
右京と左京の交わりは激しいぞ
続きを知りたくば右頁下部へ
目を落とすといい。…心配するな。
美姫の外出先は近場だ
直ぐに。戻してやる。から。
::::::::::::::
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