《瞑想小説 狩人》

瞑想

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美姫の場合

美姫の場合76⃝

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『あ…っ』鼠の尖兵。赤毛背筋の鼠。移動先は左手の手首。手首には麻縄が乱雑な本結びで結着されており身動きの99%を封じている。余裕の1%について論じる事は野暮だ。バックアップとして更にきつい責めが用意されている。逃げる夢など見ぬことだ。鮮紅色の鼠は舌舐(したなめず)り。美姫の手背部に口吻をひとつ。

『あ…っ』恐怖に染まる彼女の吐息。人の天敵に点滴を許す身(み)の実(み)を見(み),赤鼠は同肉の実(み)の味(み)に魅(み)を覽(み)る。サイズの割に凹凸が深い舌先の接触感。人肉に接続された舌よりもざらざらしているのを感じ給へ。貧乳の突端に同舌が接することを想像し給へ。舌苔は緑色。歯磨き習慣は皆無である起き抜け鼠が架ける橋の最前部で踊り給へ。

『漏気しているじゃあないか。嫌だねえ。全く。端(はした)ないったらないね。』老婆はそのやうに叱り飛ばす。邪悪な唾(つば)とともに。醜悪な笑みとともに。『鼠に噛まれる猫になった氣分はどうだい。』マイナスを冠する部屋。生態系が逆転し「ひと」が「ねずみ」に喰われるのが常となる変異軸を感ずるは嬉々。

『葉…っ』『葉…っ』北極星が南へ移動する。函館を通過する北斗星といふ夜行列車は南へゆきたいと願い石炭由来の煙を否定する。一番の困り事は酸素分圧だ。美姫の昂りとともに酸素と二酸化炭素の交換経路が逆転する。ゆっくりと。ゆっくりとではあるが。確実に。「乾杯」の掛け声は週末の終末を示すものとなり種祭(しゅまつ)の飛沫(ひまつ)は主松(しゅまつ)に移動し融通無礙。

『葉/葉/葉』こゆびにしぶき
『葉/葉/葉』たくさんのしぶき
『葉/葉/葉』ゆびさきとったんにも
『葉/葉/葉』し~つのうえにも
『葉/葉/葉』みきのからだから
『葉/葉/葉』いつくものしぶき
『葉/葉/葉』いんなるものも
『葉/葉/葉』ようなるものも
『葉/葉/葉』むらさきになりたいと
『葉/葉/葉』へやのし~つに恋する

『葉/葉/葉』ねずみは噛んだ
『葉/葉/葉』かのじょを噛んだ
『葉/葉/葉』よだれにまみれた
『葉/葉/葉』いんわいな口で
『葉/葉/葉』し~つも噛んだ
『葉/葉/葉』かのじょのこゆび
『葉/葉/葉』そのせんたんぶぶん
『葉/葉/葉』うまや,うまやと
『葉/葉/葉』かみつき,がぶり

 まいどのことだな
 まいどのことだよ
 おにさんこちら
 てのなるほうへ
 便宜(べんぎ)と利便(りべん)と
 智弁(ちべん)の花弁(かべん)
 かいかつなる,もの
 そのはんたいの,もの

 まいどのことだな
 まいどのことだよ
 まじめなあなたに
 まじめなあなたに
 曲語でおくる,ふまじめさ
 極論それはせいよくの,わざ
 
『宇/宇/宇』第5指に取り憑いた鼠
『宇/宇/宇』同部分を舐め輪姦す鼠
『宇/宇/宇』重力の作用で彼の唾液は
『宇/宇/宇』万年補欠のし~つの奥へ
『宇/宇/宇』反面教師のし~つの底へ
『宇/宇/宇』潜り込んでは
『宇/宇/宇』潜み婚を狙ひ
『宇/宇/宇』ぎりりと噛むのさ
『宇/宇/宇』疼痛と圧痛を忍ばせ
『宇/宇/宇』夫の元へ帰れぬやうに

『嫌/嫌/嫌』ポットの事など忘れてしまへ
『嫌/嫌/嫌』ドットの事など忘れてしまへ
『嫌/嫌/嫌』猟虎の世話などもういいだらう
『嫌/嫌/嫌』ガットの音階は狂うばかり
『嫌/痛/嫌』バットに詰めたコルクの調子
『嫌/嫌/嫌』ワットで図る今月の電気量
『嫌/嫌/嫌』ラックがあれば零にしてやる
『嫌/嫌/嫌』各区の代表者を此処に集め
『嫌/嫌/嫌』万苦のゑ図として録画する

『嗚/嗚/嗚』コピペ嫌ひの筆者は思う
『嗚/嗚/嗚』寒気を嫌う筆者は思う
『嗚/嗚/嗚』啼きの妻ほど用事が多く
『嗚/嗚/嗚』餓鬼の世話など本懐に非ず
『嗚/嗚/嗚』先刻(さっき)の殺気を推察するなら
『嗚/嗚/嗚』確実に俺に向けられたもの
『嗚/嗚/嗚』たまには真剣勝負も面白い
『嗚/嗚/嗚』腕相撲なんかどうだい
『嗚/嗚/嗚』勃起症候群へ物申す「なあ」
『嗚/嗚/嗚』「1日1440分の用途をさ」
『嗚/嗚/嗚』「俺と真剣に考えないか」
『嗚/嗚/嗚』「令和の世に価値のある」
『嗚/嗚/嗚』「無駄を排した優雅な習慣を」
『嗚/嗚/嗚』「最小単位の習慣について」
『嗚/嗚/嗚』「俺は議論したい。本気で。」
『嗚/嗚/嗚』「似非は嫌いなんだ。頼むぜ。」

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