《瞑想小説 狩人》

瞑想

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美姫の場合

美姫の場合㊽

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 婉曲している初(うぶ)な部分は未だ発芽を躊躇しているようだ。引き算の美学について若くして理解した少女は。大人になる過程で経る経験と減る未経験の差異に戸惑っている。

 ダーティー・ワークをこなす大人達。其れ等に平伏す宴。美姫の直腸に侵入した筆先は破裂寸前の帆布を求めて彷徨ひ続け、肉壁で遊ぶ。肉壁を嬲る。肉壁を嫐る。肉壁料理に喰らいつく。

『駄目/駄目/駄目』。狂気の模造(もぞう)が土蔵(どぞう)を突き破る。並進する兵士となり穴蔵の深部を目指し触手を伸ばす。手練達は猛禽類の翼を持っている。

 和紙を突き破ろうとする大顎(おおあご)の鷲。木綿夫妻の間違いを正す木菟(みみずく)。冷蔵庫内を漁りつつ未知を目指す鸛(こうのとり)。知らんぷり上手な美人局を啄んで頂きたい。

『駄目/駄目/駄目』。敬語以外の言葉を聴く耳は持っていないぜ。不見猿(みざる)/不言猿(いわざる)/耳無猿(きかざる)を主張するペネトレーターは外出許可を出さぬ国防を担う一人の男。

 彼に聞いてみるといい。平家の末裔は現在も存在しているのか。と。彼に聞いてみるといい。東京都の貫網図を描いた画家/又は数学家は一体誰なのか。と。彼に聞いてみるといい。緊縛絵図に内包されたで奴隷娘が何故に安堵の表情を浮かべるのか。と。彼に聞いてみるといい。一休宗純は不立文字(ふりゅうもんじ)の世界でどの類の悟りを得たのか。と。彼に聞いてみるといい。きっと答えを提示してくれる筈。

『駄目/駄目/駄目』。物質と成り変わる空(くう)の定義を無視する蟲の群れ。未来から過去へと流れる逆転時間の枢軸に居るものども。顔を見せろ。肋(あばら)を浮き上がらせろ。肋(あばら)を浮かび上がらせろ。

 株主優待券を序列順に並べて比較しようじゃあないか。年利18%の利回りで資産運用するのを是(ぜ)とする彼等。安堵の穴の中は随分と居心地が良いらしいな。秋風のやうに爽やかで在るらしいな。

『…や…✕…て。もう…。』彼女はそう云うと弄(いじ)られてもいない前穴から雀の涙のような液体を迸(ほとばし)らせる。『じゃあ。じゃあ。じゃあ。ぴゅ。ぴゅ。ぴゅ。』責め苦は精神的な防御壁を易易と乗り越えて攻撃の手を緩めない。

 股座からの迸(ほとばし)りとともに言葉尻(ことばじり)が着いた尻餅は正月を待てぬ上弦の月。いや。下弦の月。いや。やはり上弦の月。両質感を併せ持つ新月と満月。

『いや…いや…いや…あ。あ。あ。』何度かクジラになった彼女。再度のスプラッシュが身籠ったのは前穴では到達できぬ卑猥な感覚。

 吐息は苦悶からの模様替え。席替え。鞍替え。細い腰から発する微細な振動が脚先まで伝わったようだ。逝くのは初めてではなかろう。慣れてはいけないぞ。慣れてはいかん。セクシャルなプレイにホメオスタシスは無用の長物。禁物の金字塔。

 見事な峠越えと総毛立つ声を表現するんだな。『……!……!……!』そうだ。それでいい。未だ始まったばかりだ。只々堪えていろ。只々涙を見せていろ。赤褐色にでもなっていればいいんだよ。

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