《瞑想小説 狩人》

瞑想

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美姫の場合

美姫の場合㉜

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 晩具の一味。寄食液体は私の身体に纏わりつき支配します。蝋燭が醸し出す雰囲気(ムード)はとても淫靡。妖しい氣の流れが周囲を支配します。彼等は用意周到に手ぐすねと足ぐすねを用いて『絶頂』と『非絶頂』の界隈の散歩に誘ってきます。同誘惑を断ること叶わぬ私。契約書の条項は焼香路で浄化されることなく辺りに色濃く彷徨い続ける。

 乳首を強く弾かれます。舐められます。噛まれます。奏でられます。何倍もの感度を得てしまった身体に刺激が加わります。『口を開けろ』そのやうに強請する嬌声が響きます。

 胃の中に随分な分量の男性唾液が在る。既に。其の隙間すら許さぬと。追加の唾液を強引に豪飲することを強制される惨め不可思議な自分。万年雪化粧の大地に独り。凍えてしまう。

 同時に灼熱が襲って参ります。体内及び胎内に吸収された媚薬は好みの場所が在るようです。耳の中。外耳を通過し,中耳を抜け,蝸牛を乱した同突端に耳内車輪(インナーイヤーチャクラ)が在るのを御存知でしょうか。
 
 同車輪は外向きに左回転/内向きに右回転。捻りを加えながら中央線に乗り松果体を目指す暗夜航路。同付近に灼熱とも等しい熱さを感じます。『嗚呼/嗚呼/嗚呼』救いの御子殿は瞑想に耽っているのでしょう。その手となり足となる赫/蒼の何方かでも派遣して頂きたい。その位熱く切なく悲しい身体感覚とともに再び絶頂が訪れる。


『葉/葉/葉』陰核が酷いのです

『葉/葉/葉』とても酷く疼くのです

『葉/葉/葉』洪水止まぬは秋の陣

『葉/葉/葉』もじもじ廃れり恍惚の鈴

『葉/葉/葉』川流れは三筋,四頭筋に沿い

『葉/葉/葉』膝の前十字靭帯を通過し別れ

『葉/葉/葉』前脛骨筋と腓腹筋にダイブする

『葉/葉/葉』足底筋まで至れば蜜の味

『葉/葉/葉』全身媚薬ミイラの出来上がり

『宇/宇/宇』せめて綺麗に犯してくださひ

『宇/宇/宇』せめて非礼をお許しくださひ

『宇/宇/宇』責めて紅(くれなひ)
      そして橙(だいだい)

『宇/宇/宇』脳内質素に加わる刺激

『宇/宇/宇』絶頂の定期便が鉄のドアを叩く

『宇/宇/宇』其の度に私は無垢な皮を剥かれ

『宇/宇/宇』内包される種を晒すのです

『宇/宇/宇』峠の回数を数えさせられました

『宇/宇/宇』感想を述べさせられました

『宇/宇/宇』未だ道半ばにして完走もしていないと

『宇/宇/宇』彼等はそのように私に告げつつ

『宇/宇/宇』膨張拡大する乳首の味を楽しんだのです


 『耐えなさい。未だ夜は長い。』御主人様の獣目に射抜かれれば身動き取れず。無尽蔵に追加される媚薬の柄元(つかもと)には逆らえず。反逆の狼煙を上げるには力の足りぬ材木が足元(あしもと)に転がっている。同材木の役目は松明となり周囲の酸素濃度を奪うこと。無明を照らし温度を向上させ闇の深さを強調させ凶兆(きょうちょう)を強調する光の敵対者。

『消氣(しょうき)するには早いぞ。令和の妾妃(しょうき)よ。』乳首を摘まれたまま大きく引かれる方向に追従する身体。上下左右の感覚は既に亡くなっている。

 前後の均衡は失われ/奇特重視の靈氣と例規の分別もつかぬ快楽により悦に入る私は悪い娘です。悪い仔(こ)です。悪い狐(こ)です。動物耳を着想して吸ってくださひ。毒素を抜いてくださひ。

『ちゅー』といふ音を金粉に混ぜてくださひ。『どくどく』といふ音を銀粉に混ぜてくださひ。『もう…駄目です』そんな女性(にょしょう)の序章(じょしょう)を綺麗に完結させてくださひ。

 もう逝かせてくださひ。もう逝かせてくださひ。涅槃近くの散歩道。寝板(ねはん)通りの一丁目に建つ高層マンションの一室に朱雀様が守護の為の護符を貼る。

 『あ/あ/ああ…あ』幾つものビジョンが瞼の裏に映るのです。丹光に近い紫の靄の向こう。美を定義する中世貴族の夢を観る。美の条項は幾つも在るやうですね。

 『肉体について』『性的な嗜好について』『乳頭のサイズ感について』『狸目と狐目について』『腰骨の細さについて』『黄金比とダヴィンチ絵画との相関』『量子力学と仏教の交差点』『資本主義との距離感』『唇に塗ってもよいもの』『爪/計20枚に塗ってよいもの』『鎖骨と肩甲骨の滑りかたのバランス』その他もろもろ。

 未だ見ぬ伯爵殿に恋する乙女達は同条項が示されたことに狂喜乱舞しました。美の絶対定義が世に示されたのですから納得も出来ますね。御主人様も邂逅して頷いていらっしゃいます。

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