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美姫の場合
美姫の場合㉒
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『あ…あ…あ…あ…』剥かれた桃の果実。果肉に刻み込まれるはっきりとした女の記憶と記録。『ぴくん』『ぴくん』『ぴくん』身体が前後左右に揺れました。女性的絶頂(オーガズム)に至った私は最早,誰のものとも分別できぬ涎を垂らしてしまいます。右胸の突起から全身に行き渡るのは偕楽園に潜む最も醜悪な獣の歯型。そしてその八重歯(やえば)から悦楽の毒素が注入されていきます。止められない。止められない。止まらない。止まらない。止まない。止まない。止(さ)すことなく間断なく。波止場で鴎(かもめ)が肉を刺すのです。指すのです。差すのです。挿すのです。射すのです。
絶頂感は数分に渡り身体を支配しました。後に知ったのですが/私は随分と達し易い体を備えているとのことです。絶頂感を長時間保持できる稀有な体質でもあるとのことです。後日,御主人様から教えて頂きました。人生初の恍惚。乳首責め。甘噛(あまが)み。強噛(つよがみ)み。強突張(ごうつくば)り。業突針(ごうつくばり)。舌先の操作。2名の男性による胸突起荒療治で達しました。今までの経験が稚児(ちご)の稚技(ちぎ)に思えるほどに巧みな操作。痛覚保険と快楽旅行の狭間に私を追い込む身体操作。痛みと快感の中間地点には…大きな車輪が…在る…ようです。見たこともない巨大な車輪。周り出せば転がるのみ。不可逆の絶頂は長く/長く/長く。永く/永く/永く胸の突起に居座ります。
『留まりな。未だ終わりじゃあないぜ。』ダイヤモンドのキング。『この程度で帰れるとでも思っているのか。』スペードのジャック。『全体を100とするならば2といったところだぜ。奥さん。解っているかな。』ハートのクイーン。『気持ちいいか。答えろ』倶楽部のエース。嗚呼/嗚呼/嗚呼。言葉…言葉の雰囲気に酔うのが私。言葉で責めないでください。言葉で責めないでください。また…また…。…、………。………、…………。
渡り鳥が全力で航海するのを見ているだけでは飽き足らぬ男性性(だんせいせい)。魚達を出汁(だし)に出して座視する男性性。両生類ならば自分達の都合の良い方向へ移行させやうといふ意向を持つ男性性。元々人間はそのようにできているので一風変わった一夫多妻制が本来の姿であるのかと存じます。私は蛇腹(じゃばら)模様の玩具。一夜限りの一妻多夫の夜会の供え物。金沢の一夜妻。性の捌け口として選定された悲哀色の奴隷妻。胸の刺激で突端に至る哀れな一人の女。教えてください。性欲に隠された制御不能な欲望の恩名(おんな)を。
『あ…あ…あ…』『だ…め』。掠(かす)れ声。自分のものではない声。自分でもびっくりするような淫乱な声帯の生態を識ります。横隔膜全体から漏れてくる声。『は…は…っ』吐息は震動して御主人様の元へと到達する一足早いクリスマスプレゼント。同時分の節季は不明ですのに。可笑しいですか。淫靡声。辛毘傍(しんびぞえ)。辛味添え。変な声。自分でもおかしくなっているのが理解ります。変な声。絶頂声。峠越え。萌木萌(もえぎもえ)。変な声。輪姦学校に記録されていく震動。『…、、、、、、、…、、、、……、、、』ヨガのクラスで教わった弓のポーズよりも弓に近う舞う蝶々。漏れる声。喘ぎ声。焦燥性(しょうしょうせい)の象徴声(しょうしょうせい)。男性陣は様々な機器を嬉々として操作しています。録音されている。録画されている。パノラマショットにされている。加工されて囲われている。
『達したか。』『……』
『至ったか。』『……』
『越したか。』『……』
『答えろよ。』『……』
顎を強く掴まれた首は縦にも横にも振れずじまい。縦に振ろうものならば次の未知化粧を迎えることになりかねません。そんな予感がしたのです。横に振ろうものならば不義密通の容疑が延々と続くことになりかねません。そんな予感がしたのです。どちらかの意思表示をしておけば良かった。『見(けん)』の位置を選択した私は愚かだった。次の演目で思い知りました。嗚呼。此れは数年前の邂逅です。令和5年8月11日/20時丁度。今だからそう思えるのです。時に皆様/お盆休みは楽しまれてますか。
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