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美姫の場合
美姫の場合⑲
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緊縛の螺旋。肉体の寡占。防除の対象たる放物線の心線(しんせん)。初夜の灯りは蝋燭の燭台に委ねられておりました。精神の独占。病原体の感染。突き刺さる視線。沈没和船。羽を握られた蝶のように舞う身体。麦わら帽子を剥ぎ取られた盛夏の特異点。躯体は跳ねる。跳ねる。跳ねるのを止める事はできません。氣功の概念に自発動なるものがあるのは御存知でしょうか。それに近しいのかもしれませんね。
流れ出る涎。その流れは既に腰骨にまで到達しました。同河川はすっかりと開(はだ)けた胸元に悲哀色の湖を造ります。此処にも/其処にも新たな命が生まれるのです。最小単位であることを誇る微生物が『月に行きたいので例の箱を準備して欲しい。この女性の身体を媒介として月の裏側にあれが在る事を再度証明したい。誰にも知られぬようにひっそりと』そんな戯言を言います。これは性感帯を刺激されている事の比喩的表現です。空白/暇(いとま)を大事にするのは最低限の嗜みだと思いますので。ああ。ああ。というわけです。上半身と下半身という二分割法で見分されるのならば上半身は解放済(ネイクト)で焼却炉行(ベイクト)される準備を整えられたと申せましょう。嗚呼。とっても…恥ずか…しい。
夫以外に素肌を晒すのです。それはとても恥辱的で屈辱的なことです。複数の男性が肌艶が断線していないかを見分してくるのです。射抜目(いぬきめ)は二股の槍。上方に鈍く光る銀色は貫通を求める男性的象徴。下方は赤銅色(しゃくどういろ)と蟲の居所の丁度中間の色づき。刑事罰と形而上学で形成された平行四辺形の上辺と下辺。図形は様々な形をとる流動体であるが故に正確な面積を持たないアメーバの様相。これも性感帯を刺激されていることの比喩的表現です。お氣に召しませぬか。質量保存の法則もミクロの世界では無視されるのではないかとも思うのです。嗚呼。そうですね。同時分の私には関係のないことです。申し訳ございません。失礼致しました。
『さて』右胸に或る男性の片手が添えられます。『嗚呼』私は胸の膨らみが小さいことに劣等感を感じています。何時も。他の女性が大きな胸を自慢気に揺らすのを横目で見ていました。劣等(れっとう)列島(れっとう)の血統(けっとう)を感じる私。処女喪失時の瞬間においても理性的に両手を公差して隠してしまうのは文化の矜持と言えるかと。如何思われますか。その気持ちを無視する複数の手指が種つけを求めてきます。粘度の高い粘土の工作年度を私に刻みつけようと襲ってくるのです。
『駄目』『見ないで』『おねが…い』。恥ずかしい。土下座や体育座りという卑屈なアーサナよりもっと/もっと恥ずかしい。隠したい。隠れてしまいたい。穴があったら入りたい。閉じ籠もってしまいたい。救いを求める心とは別に蛇腹の複複線が御座います。心も/身体も/魂も/其れ以上のものも全て飲み込む穴が在る。呑み込まれていく。抽象的過ぎますか。でもそんな気持ちだったの。だからそう書くの。
『では。』『頂くとしよう。』低音の声は震動し燭台に刺さる蝋燭を少し揺らすけれど消すには至らず。胸の膨らみの弾性を確かめた男性は重力とは逆方向に胸を摘み上げました。慣性を支配する管制官が走行可能であるというランプを点灯させたのです。
『は…っ…』漏れいづる声は無視される。『い…や…』懇願言葉も無視される。『駄……目』三段の滝に発射された散弾が恥の心に命中してしまう。辛(しん)の心(しん)に触れないで…駄目。真(しん)の芯(しん)に触れないでくだ…さ…い。
胸を揉みしだかれる。操作は見事でした。私という玩具を何処ゝまでも理解されているかの如く。『動くなよ。』『怖いか。』『それとも…どうだ。』言葉で責めないでください。言葉で責めないでください。分泌腺の分圧が変わってしまいます。逃れる術はないのです。突起は既に唾液交換による恍惚に捕らわれているのですから。
『あ…あ…あ…』諦めと明ら目は同音同義語。取り乱す両突起。余弦(よげん)を居鶴(いづる)のは性授業に付されぬ歪な玩具の操作説明書。淫乱なサーカスの目的(パーパス)。夜空への切符を持たぬ私。逃げる事叶わず苦し紛れの吐息。
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