《瞑想小説 狩人》

瞑想

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耳内旅行

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『……!』

『……!』

『さて。ショータイムだ。』

『綺麗に踊ってくれよ』

『可愛らしい奴隷ちゃん』

耳内旅行は楽しや楽し
歌って踊れば娘は跳ねる
歌って踊れば娘は跳ねる

狭い門戸をこじ開けろ
先端鋭利な触手でもって
少し痛むが/動くなよ
鼓膜に花咲く被虐の色達
洞窟内部に処女が居るのだ

可憐な乙女の艶姿
どうぞ皆様,御覧下さい
耳内旅行へ旅行く我等
蟲に拍手を御願いします

緊縛姿は艶やかに
四肢と詩誌との境目なくし
緑カバーで淫靡な本の
表紙にしませう/そうしませう

『……!』

『……!』

『動くな。痛みが増すぞ』

『ふむ。もう少し量を増やすか』

『そうしやう。そうしやう。』

『……!?』

菖蒲畑で抱きしめて
妖精の森で熱い包容
そんな牧歌を否定する
そんな国家を指定する
そんな足下をじたばたさせても
特化も特科も役立たず
動けぬ其の身が際立つのみぞ
縄目がきつくなるだけなるぞ
君は奴隷だ/涅槃図奴隷だ

卵尾といふのがありまして
乱舞するのが見えるでしょうや
「ひゅん/ひゅん/ひゅん」と音鳴れば
地獄の鬼まで連れてくる

其の尾を突き立て/衝きたてまして
悪趣乃槍に力を込める
柔らか肌の穿孔作業だ
おっと気をつけ/暴れるな/こら

『……!』

『……!』

『どうだ』

『……!』

『動くな。じたばたするな』

『……!!』

『麻酔なしの局所作業だ。痛覚は』

『残しておいてやる』

『何故って。野暮聞くなよ』

『楽しいからだ。決まってるだらう』

『……嗚呼…!』

骸骨様,様,御覧下さい
こうして穴が開くのです
穿孔作業はいと容易き事
潜航準備は整いました
先行しますが宜しいか

閃光持ち蟲/先に行け
暗くて敵わぬ狭き道
狭いものなら抉じ開けろ
魔法を掛けろ/開け胡麻
ゆるり駆けよう耳の中

半霊体(はんれいたい)は
凡例体(はんれいたい)で
歓迎会は開かぬやうだ
管領代(かんれいだい)の
乱痴気騒ぎに感知器が鳴る
嫌,駄目,止めてと大騒ぎ

安全帯は海霧に消える
安定剤を使うか否か
迷いに迷う/どうしやう
こんなに跳ねる娘の身体
こんなに跳ねる娘の身体
少し落ち着け/動くな此れ此れ
脳内麻薬の枢迄,至れば
気持ちも楽だぜ我慢しておれ

見守る骸骨/大騒ぎ
乱痴気騒ぎに酒を飲み
娘の喘ぎにすする「赫」
娘の胸元,綺麗な景色
其れは玲瓏,涅槃絵図

入口,出口の分別つかず
娘と蟲との戯れの陣
其処らの動かぬ人骨が
我も我もと動きだす
酒池は肉林/脳の森林
目指し旅行く我等を
応援ください,どうぞ宜しく

『……!』

『……!』

『……!』

『顔色が』

『変わってきたな』

『這入ったらしい』

曖昧なWi-Fiが見せる
悪意の往復運動の繰り返し
リモコンの電池が切れた
留守電話の設定,忘れた
殆ど切れぬ六弦,切れた
美術館,やってなかった
温過ぎる,水が出た
冷た過ぎる,深夜3時の身体
着火出来ぬ,ライター
便利と言えぬ,コンビニ
賞味期限が切れた,防腐剤
便宜上と拈華微笑
悪いのはどいつだ/一体どいつだ

影(シャドー)に重なる,韻のシャトー
三味(しゃみ)線,弾けぬ津軽の娘
骨折り損を旅する,我等
儲ける話に,釣られる魚
何も探さぬ,探偵団
他人任せの,探偵者
近似四十侍,長く生き過ぎた
蝋燭の灯る,漆黒の闇
焼き鏝で押す,失格の烙印
印を喰う,蟲の群れを見る
実は,単純な混合材
腐食作用と,暴食の報酬
満点の星空を見えぬ夜は,罪
灼熱と不知火を飾る,文学的テーゼ
凍土知らずの彼岸花を,連れ得ぬモーゼ
悪いのはどいつだ/一体どいつだ

じっくり長く/私は楠学問
梅の木学屋とは似て非なるもの

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