《瞑想小説 狩人》

瞑想

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交差

函館回顧

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 『けた/けた/けた』笑う骸骨達。其の視線の先には彼女の剥がれ落ちる肉がある。深い悲しみの表情の向こうに令和浪漫座のかほりがする。快適電話の罪を断罪出来ぬ者が健康を害してまで脳内物質と包容を交わすのは何故。愛しい女性の膝枕はこんなにも温かいというのに。

 一事は万事。一次資料は何よりも価値があると吉事が賛美歌を歌う。悪魔契約の一部又は全部は直ぐ側,皆の右手に握られている。其れは電気の悪魔。其れは悪意の端末。

 『けた/けた/けた』笑う骸骨達。模範的な客になれなかった我々二人の思い出を笑う。俺は河辺の古風な古民家風カフェで彼女に口内射精を強要した。彼女は俺に膝枕しつつ睡眠不足と仕事過多から肩の荷を下ろせばいいと言った。優しい女性だ。

 右手指先で丁寧に擦り上げる仕草及び雰囲気は一級品であり/支給品では満たされない最古且つ最高の感覚を男根に残す。

 『けた/けた/けた』後日談は奇譚の様相だった。俺の身分を知る事は容易かったようだぜ。現実問題と日々の課題を数時間語ったマスターの存在は※一時的に※ 非常に邪魔だったという訳だ。

 【俺と彼女は丁寧なお辞儀を45度以下で示し今までの感謝を言葉で伝えた】/【俺と彼女は言葉で伝えられない部分は仕草と手紙に添えた】/【謝罪金として随分な額を支払ったが公開しないし後悔もしていない】/【その後の店舗の経緯を考えれば結局優位だったのは我々だった】

 心当たりの在る男女は挙手しろ。当座凌ぎの口海苔生活には役立ったろ。仙道にもヨーガにも役立たずな6文銭なぞ興味は無いね。800以上は心が腐る。心が鈍る。其れが一番の問題点だ。

 『けた/けた/けた』人生は楽しいぜ。双児の魂よ何時までも傍らに。君の死の枕は誰にも渡さない。出会いの瞬間から現在に至る迄,正に現在時分秒に至る迄,一切変わらなぬ確信が真鍮(しんちゅう)よりも固く心中(しんちゅう)に在る。
 …此の執筆の動機は何だったかは君が一番良く知っている筈。…時間とは此のやうに使うものだよ。…時間とは此のやうに使うものだよ。

 『けた/けた/けた』愛するって何だよ。誰か正確に答えてみてくれ。フロムは語っていたな。「愛は技術である」と。甘いね。特に男性陣の感性が完成されていないから其のような戯言に陥るんだ。齢11程度で抱いた最初の肌は確かに柔らかかったが興奮の対象ではなかった。残念ながら。

 『けた/けた/けた』スキー場で姉妹丼(しまいどんぶり)を喰うた時の事を思い出してもそう確信する。積もる雪のカーテンレールに少女の裸身を二つ重ねる。誰も経験出来ぬ状況を目の前にしても至極平静な自分。実際にフォークとスプーンと生クリームで遊んだりもしたが同戯れが人生の羅針盤になる事は無かった。

 『けた/けた/けた』後日掛かってきた電話の主は誰だったか。随分とお怒りになっていたようだがはっきりと言うぜ。耳の中身を大掃除して聞いておけ。『そっちが誘ってきたんだ。俺に非(ひ)はないね。俺に否(ひ)はないね。罪悪感も勿論,皆無だ。本気で怒っているのならどうだい。構わんぜ。俺とタヒを賭けた勝負をしてみるかい。一向に構わんぜ。』

…人生は如何に生きるかではないぞ

…如何に死ぬるか探す旅也

 『けた/けた/けた』骸骨達は本日,俺の脳内と戯れたいらしい。たまには良かろう。虚実を混ぜて煙に巻くか…嗚呼。其れは性分に合わんな。どうせ消える為の執筆に過ぎないものだ。過去,抱いた女達が俺の脳内で文字と文様を描き/意義を東西南北守護の四聖獣に預けるのを見分する。

 物事は経験に決まっている。人生は経験に決まっている。勉学とはその様なものだ。勤勉であり続けたいと心から願う。特に齢40からは心の脂肪との闘いに如何に臨むかが人生の岐路。高得点者を卑屈な目で見る旅人は人生の価値は瞑想の中に在ると言っていた。

 『けた/けた/けた』函館湯本から長い坂を登ってゆく。因みに函館駅から湯本までは路面電車での移動が快適だ。土地の訛(なまり)は鉛(なまり)よりも重たい。五稜郭でも随分な思いをしたもんだ。時系列の前後は在るが演芸場で出会った「ろりいた・ぼでぃ」は素敵な歌を歌っていたな。行為にも慣れており事後処理も円滑で後腐れはなかった。

 『けた/けた/けた』羅猿(らさーる)に併設された寮での就寝時間に習慣を合わせるには時間が掛かった。随分と時間が掛かった。先輩達の「説諭時間(せつゆじかん)」は現在も存在しているのだろうか。説諭とは所謂,説教のやうなもの。寮生活の心得を守らぬ小僧を叱るのに随分と高飛車な態度をとるもんだ。概ね365日しか貴様は俺より長く生きていないのに。

 俺は高慢であったが為,最後の方程式を解けぬのに医学部を目指す彼等の低能無知を心底馬鹿にしていた。親の七光りが光輪に舞えばコネクションで合格するという出来レースの存在にも飽きゝしていた。鬼畜の糞よりも家畜の屍よりも汚い現実が其処に在る。嗚呼/阿呆らしい。但し同校を◎で卒業する事に一つのステータスを感じていたのは否定しない。

 『けた/けた/けた』一番より意図的な二番が心地良い事が解る。運動と脳の相関関係については同頃合から既に気づいていた。運動が必要だ。景観と経験が必要だ。海は近くに在る。厳格な寮生活から抜ける為の明確な手段も常に携帯している。どうせ睡眠時間なぞ2時間で構わないんだ。遊びに行こう。部活の交流で知り合った「白百合高校の美姫(びき)」を誘って…函館の深夜遊びは海辺に限る。

 『けた/けた/けた』海中での性交渉は大変素晴らしい経験だった。脳内物質のうちセロトニン&オキシトシンの方がドーパミンよりも絶対的に必要だ。当時の彼女は海水が逆流した交渉穴が痛むと言っていた。圧力差に興味を持ったのは齢17から18の間の事だったか。

 『けた/けた/けた』スーパーホワイトアローが汽笛を揚げる。石炭由来の語源で汽車と呼ばれる語彙はとても美しい。ライラックにしても同様だ。極楽色服男(らっきーぴえろ)の肉ゝしいバンズを頬張りながら大沼で知らない女を抱いた時に初めて女性の緊縛姿に美を覚えた。時系列は再度前後し,齢15の頃。

※本作はフィクションです。

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