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交差
紫の液体
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『…嗚呼』貞操帯の如く巻き付いたベルトは
『…嗚呼』排泄を許さぬ無法地帯に特化し
『…嗚呼』膨れ腹は淫靡な液に満たされる
『…嗚呼』娘は/彼女は/内圧の交差点におり
『…嗚呼』右に緊縛ショーの閲覧者を見る
『…嗚呼』左に同様の景色と形式が見える
『…嗚呼』前方には他の責め手が腕組みし
『…嗚呼』後方で色服男が画策の絵図を記す
色服男は彼女との掛け合ひを拒絶する
一方通行の問答はソクラテスになれぬ定め
ルール違反の交通誘導に従うならば
正面衝突でバイクの運転者が転ぶ事となる
嗚呼/其れはつい最近の出来事だったか
嗚呼/もう随分と過去の出来事だったか
『…葉/葉』逃れるに得策はなく
『…葉/葉』黒い影を持つ悪魔は直ぐに
『…葉/葉』麻縄をきつく巻き直してしまう
『…葉/葉』周囲には滴下された床問答
『…葉/葉』彼女に残された適解は
『…葉/葉』色服男に許しを乞うことか
『…葉/葉』おいでおいでの仕草が得意な
『…葉/葉』積極的な人間女の物真似をすることか
さらに彼は整備された具材の中から
もう一つの液体シリンダーを愛しむ
屋外では雨が降っているにも関わらず
パラソルを持たぬ者がカタログを眺め
甘党の片棒を担ぎ/生ゴムを噛む
『宇/宇』旧身分への回帰は絶望的であり
『宇/宇』残骸となった躯の形は四辺形
『宇/宇』悲しみが氷河を重くしている
『宇/宇』夜は寒く/長く/孤独
『宇/宇』夜は寒く/長く/孤高
『宇/宇』薔薇の花は幾つか散ってしまった
『宇/宇』完璧な男性陣の性欲のモトメに
『宇/宇』或る花女性が明かりを消す
『宇/宇』霧の物語という気まぐれな随想に
『…もう止めてくだ/さ/い
…今更何を
…もう出ちゃいま/す
…今更何を
…もう出ちゃいま/す
…今更何を
…お腹が/嗚呼/嗚呼』
彼女に注入されてしまった液体どもは
全ての手札を出し切ったといふ
成長を支配するスペードのジャック
高次を支配するダイヤのキング
愛の象徴であるハートのクイーン
全てを含有するクラブのエース
一度だけ色服男と市場の王の間で
秘密会議が実施されたとのことだが
其処での知識の交換は無為に終わるのだ
手札(カード)達は紳士であるが悪党でもある
『では皆様…お待ちかね。此の娘に最後の液体を挿入いたしましょう。此の奴隷市場において最も…いけなひものを』
色服男が指を鳴らす
ぱち/ぱち/ぱち
人差し指と親指の音色
『尻穴栓の最集穴(さいしゅうけつ)に放り込む液は紫色で御座います。紫は繋がりの象徴。第7の車輪の色。周波数は驚異の963ヘルツを記録しております。この液体は全てを含有し/全てと繋がる魔法の液体でしてな。とてもとても…いけなひものです』
拍手が起こる
ぱち/ぱち/ぱち
掌(てのひら)で弾ける期待の音色
『では/参りませう』
暖炉で木材が水分を飛ばす
ぱち/ぱち/ぱち
熱い炎に炙られる運命
『…動くな
…やめて/くだ/さい
…動くな
…これ以上は/ああ
…動くな
…もう這入りませぬ/ああ
…動くなと言った
…駄目/駄目/駄目…』
蓮花の契りは無碍にして淫靡
市場の王は御満悦の表情
冷凍温度以下の四隅を見よ
先の4人衆が酒を準備した
乾杯の音頭は誰かがとらねば
夜会は先に進まないではないか
彼女の眉が綺麗な断末魔を見せる
彼女の上唇が下唇に噛みつき
人間のそれとは一味違ふ血の色を見る
『たら/たらり』一筋の轍はまるで回廊
『たら/たらり』迷い込んだ一匹の灰狼
『たら/たらり』白寄肌の面積を啄む海老
彼女の全身が震えている
彼女の尻穴には栓がされており
残された穴に最後の硝子が充填され
『…嫌』挿入される朧月夜の色は紫
『…嫌』何よりも美しく/淫猥な紫
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