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交差
初春蕾と右手指
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娘は背屈するも対角線に伸びしろがなく
緊縛と呪縛と束縛と皮肉を放置されたまま
研がれた包丁のやうな硝子細工の虜
色服男に屈する愛玩少女/其の姿は虜囚
心は此処に在らず最果ての地にも着かず
妻手指とも離れず確かな肉感で蕾を襲う
議論主は異論酒で乾杯の手を交差させ
爛漫春の収穫は桃色バンジョーの住処
畑肉は右巻き螺旋に収受される哀しみを識り
左向きに捻られた半身は半疑の模倣犯と相成る
後ろ蕾は見頃/咲き頃なりや/裂き頃なりや
悪意の肉芽よ
花をつけたまへ
束縛の縄よ
彼女を導きたまへ
欲望の渦底へと
保護欲の反ベクトルへと
現世の業よ
焼き尽くされてしまへ
緊縛の贄よ
天変地異に驚きたまへ
此れがひとである
渇ききった欲望の三叉路
『…嗚呼』シリンダーに掛かる色服男の右手
『…嗚呼』庭先のプランターが笑っている
『…嗚呼』同じやうに毒蜘蛛も笑っている
『…嗚呼』六本爪の蝙蝠も同じ所作
『…嗚呼』刹那と永遠が手を繋ぐとて
『…嗚呼』愛の守人は何方にも組せず
『…嗚呼』勇敢と夕刊の別を識る男も居ない
冷気と暖気が入り交じる春蕾の恥じらひは
好感度を合戦の武器とする哀れな戦
交感神経と副交感神経が呼吸法で混ざり
覚悟と意欲と入力シフトと戦闘で遊ぶ
うんと好きな玩具を手に入れて弄ぼうぜ
無意味な小説の執筆者などほっとけ
紙切れ程度の物差しで買えるなら買っとけ
堅実に道を歩む常識主義者に無価値を
独歩道を高斜度で歩む者に付加価値を
誰かが付すから心配は要らない/歩め
我:行く先を邪魔しやうとする輩
我:行く先に乗り掛かろうとする輩
どちらさんも時に邪魔になるだらう/だから
振動数が高いものを優先にお迎えしたひ
昨夜の肝試しの瞬間は純粋に楽しかった
男数人の肝試しは復讐劇の一幕/刹那の花火
皿の上に差し出された蠍の胴体と脚
其れを誰が食すのかといふゲームを実施した
殆ど全員が目を逸らす歪な遊びに誘われたのさ
俺は眉ひとつ動かさずに喰った
俺は眉ひとつ動かさずに喰った
俺は眉ひとつ動かさずに喰ったぜ
眉ひとつ動かさずにといふのがポイントだ
何故…誰も喰う勇気がないのか解らん
何故…誰も蠍を喰う勇気がないのだらう
退屈の採掘場よりも光に近いと思ふし
奴隷市場の姫君が輝くのは同じ理由だらう
俳句の待遇に文句をつけるのは邪推だ
俺の夜話はそんなに柔じゃあないんでな
呼吸を止めてやる/玄関に死神が顕れるまで
呼吸を止めてやる/飽和度が80を切るまで
呼吸を止めてやる/高藤殿…此れで宜しいか
嗚呼…生きることは楽しいぜ
嗚呼…呼吸をしているだけでもな
嗚呼…そんなマインドセットで暮らすなら
嗚呼…涅槃図は眼前に広がる広大無辺緑地
::::::::::::::::::
『どうだね』おねがひ申し上げます
『どうだね』おねがひ申し上げます
『どうだね』お止めくださひますよう
『どうだね』お求め致します/是非に
『どうだね』其処は無碍花の駐屯地
『どうだね』其処は処女のはなびらの跡地
『どうだね』その場凌ぎに力を込めますが
『更に』抗う術を求めてみますが
『更に』わたくしは人の半分の背丈
『更に』奴隷市場の供物台は冷たく粗く
『更に』少しずつ腸の壁画を縫って塗って
『更にだ』わたくしの根幹部分を攫ひます
『更に』半端丈のスカートを履かせないで
『更に』図書館のやうな神聖な場所で
『更に』リモートコントロールしないで
『更に』出鱈目な新聞の中に時折でも
『更に』綺麗な文を織り交ぜなひでくださひ
『更に』迷いが生じてしまふのです
『更にだ』迷いが生じてしまふのです
『此処はどうだね』其処は無垢な蕾故
『経験はあるのかね』無論…ありませぬ
『力をぬきたまへ』駄目です…無理です
『挿入れてやらうよ君の腸内に』何を
『花びらを無碍に散らす』嗚呼/嗚呼
『悪魔配合の腸内洗浄液を』駄目/駄目
『嗚呼』冷たい容器を満たす液体は
『嗚呼』わたくしの中を目指すのです
『嗚呼』平素お世話になっております
『嗚呼』三寒四温の暦/如何お過ごしで
『嗚呼』わたくしは奴隷市場の下層にて
『嗚呼』腸内俳句の嫁入り前3日
『嗚呼』町内徘徊の床入り前/2時
『嗚呼』丑の頃が過ぎてもなお
『嗚呼』求められる身体だけが此処に
『嗚呼』其の圧力が蕾に到来しますれば
『嗚呼』何が起こるといふのでしょう
『嗚呼』わたくしが平に付しても
『嗚呼』性状と正常で韻を踏むのでしょう
石器と節季と脱気で冷徹に韻を踏むのでしょう
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