《瞑想小説 狩人》

瞑想

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The Controlled Libido

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娘は消氣している/完全な消氣をしている
朧な意識加減の下限に声が滑り
朧な景色が網膜に刻まれたのち
七色の光が乱舞し染み込むのが解る
幾つかの曼荼羅が其処に焼印を付し
焼印は烙印となり意味のある円を形成する
誰かが其処で極/極/極小さな声で囁くのだ
春の蟲のうち最も小さいものよりも
更に小さな囁き声で(しかしはっきりと)
春の風のうち最も温かい風を運ぶ気圧配置よりも
更に温もりの深い風を吹かせながら

朧月の下に誰かの声がする
『卯月の胎動を聴け。刹那と永遠に違いがない事を理解し,目を醒ましたなら全ての嘘と全ての本当を理解する明晰な頭脳と軽快な腸を手に入れる事ができるだらう。卯月の胎動を聴け。正気の沙汰が何を傘に着ているのか識るがいい。迷路は深く入り組んでいるのを識るがいい。ラビリンスと安直に訳しても構わない/其れは翻訳者の自由であるが…正直な俺の感想を言わせて貰うなら其処に美を殆ど感じないのだが…君はどうなんだい』

河原で恋人が抱き合っているのを見る
背中と手背部で器用に奏でたワンナイトは
有形なものに真の価値がないとはっきりと
自信と確信と尊厳を持って語るもの也

核反応といふ身近でかつ割と簡単な数式
其れを初めて世間に知らせた婦人が居る
其の物語は世界で広く/広く読まれた
きっと君も知っている物語だらう
きっと君も知っている物語だらう
其れが如何に危険な物語に続くものか知るまい
其の被験者になった者が多く存在し
焼かれ不自然になった皮膚の恨み節を
誰にぶつけていいのか理解らぬ哀しみたるや深し

朧月の中に誰かの声がする

『面前で仕上げる事に拘るなぞ二流又は三流のする事ぞ。時に裏側の世界を覗き込む事が肝要であるぞ。先に述べた悲しみの反応核についても然り。利己的な遺伝子は見事に利己的である事を先に世間は知るべきだった。属国に帰属し所属するものには同回路の使用権限すら与えられなくなるだらう。但し』

『其の裏側に在る根本的に問題のある一冊の書物/及び其の複製物全般を反旗の素材とし…憎しみを持って全て焼き払う勇気と団結力が在るのならば別であるがな』

卯月は胎動し別暦と口論しているやうだ
御隠居扱いされていた13番目の暦が居るやうだ
其れは誰よりも逞しい漢であったし
其れは誰よりも美しい淑女でもあった

所謂サモナーは現実課題に直面し
木造家屋の上がり框をA面とし全方位を見分する
同家屋内に禄な韻を踏めぬ勉強不足がおり
同居人に対し恥じの肉芽を植え付けるものだから
日々が軽視されているように感じるのだな

朧月の下弦に誰かの声がする

随分と低い振動は知性を感じさせ
同時に寒気と嫌悪感を感じさせる声質
其れは記憶の卍回路に端を発するのは間違いない
消氣した娘を攫った本人の言葉であるからだ

『此の時間を有効に使おうではないか』

『消氣している時間を有効に使おうではないか』

『皆/先ずは上昇した先天氣を下ろしたまへよ』

『上丹田と下丹田を繋ぐ脈動を確認したまへよ』

『皆/次に同回路のみを使用し呼吸をしたまへよ』

『吸気を身体全般に満たした後/止息したまへよ』

『皆/呼気とともに汚血を吐き出したまへよ』

『細く長く…細く長く…細く長く…もっと』

『ムーラバンダと飛翔のバンダで固定したまへよ』

複数人は同操作で脳内星の光量に絶えられずにいた
複数人は仙骨に潜む蛇に注入されたプラーナを感じ
肉体責任者の微細な存在を識る事となる
奴隷市場で実施される仙道は真実の末端なのか
肋間筋まで鍛え上げた男の肉体操作は迷路を抜け
万全な体調と集中力と劣化せぬ烈火の炎を産み
其の炎は紅蓮の蛇となって虚空を駆ける
其の姿は過去には龍と称されたものでもあり
其の姿はかつて双頭の蛇と称されたものであり
其の姿はソマトスコープで確認できる
本世界線での最小生命体の連なりでもあり/更に
現実世界観で同上とするものに同乗する
勇者を求めてやまない涅槃を求める魂でもある

娘は消氣している/完全な消氣をしている
朧(おぼろ)な意識の底面で地響きが起こり
朧(おぼろ)な網膜景色に冗談は通じない
七色の光の乱舞は確固として其処に在り
幾つかの曼荼羅が強引な焼印を付し
焼印は烙印となり深淵の真円を成す
誰かが其処で極/極/極小さな声で囁くのだ
春の蟲のうち最も小さいものよりも
更に小さな囁き声で(しかしはっきりと)
春の風のうち最も温かい風を運ぶ気圧配置よりも
更に温もりの深い風を吹かせながら
そして誰かの一日を良くゝ眺めてみるがいい

『嗚呼。冷水をそんなに浴びては御身体に触るかと存じます。早朝から随分と熱心に何かをお書きになっているのは何故なのです』

『思考を手放さねば本当に意味のある執筆など出来ぬなどど…理解が及びませぬ』

『朝食も採らず/昼食も採らず/一日一食の生活で何故その身体つきが保たれているのかも理解できませぬ』

『鍛錬場に赴くのが習慣なのですね。随分と危篤な事を女性に熱心にお話なさっている反面で、無意味に肩を叩く別の女性への視線は侮蔑/軽蔑/軽視そのもの』

『「無知な者に教え与える行為の意味を逆に教えてくれないか」妙に納得のいく理論ではありますが』

『手を強く弾かれた女性は泣いておりました』

『手を強く弾かれた女性は泣いておりました』

『貴方様の仰る事も理解できるのですが極端過ぎるかも知れません。プラーナヤーマとバンダを駆使して瞑想の世界で深いプールに潜り込んだ後』

『別のプールに横滑りするやうに移動する事で無限の集中力を得ることができるといふのですね。なんとなく理解できるような/理解できぬような』

卯月の胎動を聴け/卯月の胎動を聴け
失神世界を揺蕩うのは随分と心地いいだらう
筆者は同世界を何度も何度も/しかも意図的に
探訪し無限図書館の主と手を繋ぐ者也
『経験に勝るものなし』童貞野郎に言っておくが
ポルノでドーパミンを享受するのもいい加減に/な

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