《瞑想小説 狩人》

瞑想

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消氣

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石楠花の花が爛漫に恥じらい
桜との対比に頬を紅色に染める
卯月は胎動し周囲は随分慌ただしい
四月弍日に君に会えたのは良かった
俺の提案について考慮しておいてくれよ

車中で「後ろ」を包括的に舐め回す唇
相変わらず君の同部分は無味無臭だ
何時も思う事なのだが此れは奇跡だよ
『…嗚呼』吐息を漏らす彼女に対し
『………』俺は随分と屹立していた

ショートストーリーの「16時」は
彼のプラットフォームに残っているのか
まぁ…埋もれているくらいが丁度いい
俺はそんなに自惚れてはいない
只/己の能力の向上と改善に務めるのみ

帰り車中の桜と桜見人を見分しつつ
放浪者の如く迷子を宣言する子供
其の子の手を引き母親を探す君は綺麗だ
綺麗だ…本当に 綺麗だ…本当に
11年前と何も変わっていない

だから考えておいて欲しい
俺は本気だぜ、君の後ろ蕾に
所謂アナルビーズを挿入したい
その説得力を増幅させる為の
歴史に根付いたトークは緩慢じゃないだろ
小姓と呼称される少年のストーリー
小聖は少々気がかりな事が在るらしく
明日の準備が必要だと大きめの声で言う

何/心配は要らない
未経験者じゃないからさ
帰りの車中でも話したと思ふが
所謂『後方部分に係る睦み合ひ作法』
何度か/何度も/経験済みなのでな
考えておいて欲しい…答えは何時でも構わない
などといふ現世問題は日記みたいなもので
卯月の胎動とともに奴隷市場に戻るとしやう
あの娘の喘ぎと吐息と苦悶が溢れる魑魅の市場に

:::::::::::::::::::

市場の雲行きは怪しく蜘蛛の動向は麗しく
娘は地肌に張り付いた下半身繭の中に汗をかく
紳士は陰核を執拗に責める球体の音頭をとり
レバーは何時の間にか『強』になっている

剥き出しの桃色は球体との忍び逢いに歓喜する
球と球の接点に回転ペダルがあり
強烈な大腿四頭筋と同三頭筋を持つ傀儡は
其の接点がもっと熱を帯びるよう
其の接点がもっと熱を帯びるよう
必死になってペダルを漕ぎポエムを詠む

ねつにうなされ
しょうじょ/はてゆく
ひとにあらざる
妖精むすめ

ねつにさらわれ
むすめ/いきつく
其処は涅槃か
又は地獄か

ねつのゆくへは
紳士の手の中
みたまへ
みたまへ
淫靡なすがた

ねつもち球体
ももいろ球体
接点/流るる
電気の色が

夜空いろどり
時間あやつり
六本足もつ
人形に唾を吐く

…吐かれた唾の音
 其の着地音を聴け
 着地した液体が跳(は)ね
 再度着地したのち
 各プリエを順序良く
 踊るのを見るといい

『嗚呼/嗚呼/嗚呼』
振動球体は勢いを増し彼女を喰った

『嗚呼/嗚呼/嗚呼』
蜘蛛は其れを笑いながら眺めていた

『嗚呼/嗚呼/嗚呼』
桃色突起の振動は痛みと快楽を

『嗚呼/嗚呼/嗚呼』
必要の3乗以上で彼女に喰らわせた

『嗚呼/……/嗚呼』
荒くなる吐息は悶絶に近くなる

『嗚呼/……/嗚呼』
聴衆は全員立ち上がり世紀の瞬間を目撃せんと
中央屹立も構わずに立ち上がり拍手を送る

『駄目/駄目/駄目』
しっかりと瞑られた両瞼は紅潮しており
緊縛蜘蛛はその下半身の固定に力を入れる

『駄目です/駄目/駄目/嗚呼/嗚呼』
網膜に浮かぶのは過去なのか
豹が眼前で大きな口を開けるのが見える
籠城の捧げものになっている着物の女性が見える
多年草の中で最も性格の悪い一団が見える
其の原っぱに放り出された娘の運命は哀しい

『……………!!……!』
今宵一番、角度のついた胸椎と頸椎と腰椎
胸鎖乳突筋は悲鳴を挙げ何本かが轢断される
今宵一番、淫らな苦悶顔は紫酸欠を呈しており
血中酸素飽和度が非常に非常に低下していく
一方で心臓の鼓動は激しく成り/鳴り
奴隷市場にシャーマニックドラムのやうに響く

『…………!!……!』
レバーのレンジが軽く引かれ最も強くなった時
娘は其の場に突っ伏して消氣し虚空へ消えた

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