《瞑想小説 狩人》

瞑想

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交差

氷の沈黙

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『嗚/呼』恒常性は失われつつあり
『嗚/呼』涅槃は直ぐそこにある
『嗚/呼』蝙蝠の体液が混ざるので
『嗚/呼』娘はとても気持ちが良いとさ
『嗚/呼』何度も何度も何度でも
『嗚/呼』弓になって喜び/そして
『嗚/呼』そんな自分を哀しんだ

哀れな庭/羞恥心の庭に見事な赤貝の花が咲いているのを見る。どんな文豪も其の突起が肥大し/感度を増し/ミリメートルがセンチメートルになる様を表現することはできまい。

人外の宴。蝙蝠と妖精奴隷の睦み合いは続く。睦み合いとはいっても一方的な搾取であり、形而上のバランス作業であり、男/女/男を並べた「嬲る」といふ文字が含む淫の陰の韻を奏でているに過ぎない。

戦力差は火を見るより明らかであり、陽を見るに此の地下牢の様な部屋は時間の概念を失い過ぎている。4時44分は進みもせず…戻りもせず…只、其処に凝縮された状態である。密度が増し/蜜の甘さが増し/3つの弩級は今も引き絞られる機会を伺っている。

センシティブでナイーブな肉体をモチーフとし、綺麗な絵画となる曼荼羅は彼女の中に巣を作り未来永劫の栄華を約束し、怠惰なものどもをおおひに笑うとともに蜘蛛の巣の様な『待機』を主軸とした血栓を脳内に作成してやろうと画策する。

『葉/葉』消氣するんじゃあないぜ
『葉/葉』皆様が見ていらっしゃるだろ
『葉/葉』お前は俺に組み敷かれていればいい
『葉/葉』支配者と被支配者の枠組みで語ろう
『葉/葉』救いの無い回廊の終着点を探そう
『葉/葉』お前の事をもっと知りたいのさ
『葉/葉』お前達の事をもっと知りたいのさ
『葉/葉』奴隷市場の元締めに敬意を払ひたまへ
『葉/葉』私は蝙蝠/6本爪の蝙蝠

『宇/宇』幾つか質問をしてやらう
『宇/宇』幾つか質問をしてやらう
『宇/宇』答えにつまづけば…このまま
『宇/宇』至極の体液交換を継続するぞ
『宇/宇』正答するなら少し態度を違(たが)えよう
『宇/宇』陰と陽のバランスをいぢくってやる
『宇/宇』とはいっても残念な事にな
『宇/宇』知恵のある者が上位者であるといふ
『宇/宇』此の序列が変わる事はないがな
『宇/宇』私は蝙蝠/6本爪の蝙蝠

さて/娘よ/質問だ

『背骨を貫通するスシュムナー管がある。左右に太陽と月の性質を持つピンガラ管とイダー管がある。氣が走行する同経路。その中には生まれながらブロックがあり開放されぬように蓋をされている。呼吸が肝心要(かんじんかなめ)であること位は知っているだろう。意識と無意識を繋ぐブリッジの事だな。その橋は随意筋と不随意筋の繋ぎ目であり、陰と陽の対比でもある。陰は極まり谷底を抜けた後、陽となる。陽は極まり突端を抜けた後、陰となる』私は蝙蝠/6本爪の蝙蝠。

『爆発的な集中力を作成し、先に述べた時間の感覚を圧縮するにあたり禅の理解、瞑想の理解、呼吸の理解、概念の理解、歴史の理解が必要になる。お前は何処まで知っている?妖精村では世界最小単位の2つをぶつけ合い、爆発的なエネルギーにする技術を売りものにしていただろう。それを引き合いに出す事で他からの搾取を免れ、ありえない位置まで石を転がし、天文学/薬草学/肉体学と同等の難しさの建築物を構築してきたのを私は知っている』私は蝙蝠/6本爪の蝙蝠。

『スシュムナー管のブロック、奇経八脈のブロックを外すためには何が必要だ?』私は蝙蝠/6本爪の蝙蝠。

『答えろ』
私は蝙蝠/6本爪の蝙蝠
どうせ答えられない事を知っているのさ
暫しその苦悶の表情を楽しみたいだけさ
嘘をつくなら氷より冷たい沈黙が美しい

『答えろ』
答えるな/そのままでいい/先へ進むとしよう/私がそのブロックを外してやる/仙骨に添えた羽根先に力を込める/意識状態の変容を感じるがいい/強引な蛇の覚醒と開放/禅病には充分注意するんだぜ/クンダリニー症候群とも言われるな/他者のシヴァ神とシャクティ女神を覚醒させる技法/失われた禁断の技法/その身で喰らい、味わうがいい/私は蝙蝠/6本爪の蝙蝠。

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