《瞑想小説 狩人》

瞑想

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交差

思惑

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娘の崩された貞操を見て男が思う

 『嗚呼…俺もあんな事がしてみたい。同じように動物である事を感じてみたい。此の世の柵(しがらみ)を全て断ち切って亜のステージに上がり、美しい娘の胸を揉みしだきたい。言葉…言葉でなじってみたい』

其の横に怪訝な顔をした瞑想者

 『嗚呼…何といふ美しい睦みあいなのだらう。極めた修行の果てに掲げた「没頭こそが唯一の不安から逃れる術である」といふ私の解脱概念(げだつがいねん)が見事、此処に表現されているではないか。ところで私は亜の娘に蝋燭を垂らして遊んでみたい』

最前列のジャラジャラマダム

 『嗚呼…素敵。私もあんな風に求められてみたいわ。下半身を蚕(かいこ)の様に緊縛されて身動きを封じられたうえで、男性諸氏に激しく求められてみたい。欲望は先細りしていくというけれど…私にもこんな欲望があるのね。ところで私は亜の娘に黒いバイブレーターを挿して「嫌/嫌」と言わせてみたいわね』

東方見聞録を記載し西方真偽録を執筆中の彼

 『嗚呼…世界を股にかけて旅をしてきたのは真実だ。しかし…しかしな。此れほどまでに淫靡で一方的な快楽の享受があっただらうか。「美」を定義するためには…「生」を定義するためには「性」は避けられぬ。何と言っても人間の根幹であるからな。3大欲求よりも更に上位に位置する生存のための交わりが此処にある。ところで私の屹立した剣を彼女の唇に放り込みたいと願っているよ』

美しい詩を紡ぐ吟遊詩人は詠う

 『ゆふぐれつきよ/わすれてひさし/じぶんごと/照るも恥じなり/照らぬもおなじ/我が身夜にふる/蜘蛛の眺めよ/…嗚呼…私は詩を紡ぐよりも彼女の下半身を切り裂き、もう一度あのか細い腰の眺めに酔うてみたいのだ』

巨大な鯨を仕留める漁師の談

 『切ないものだな。だが美しい。特に大きな獲物を狩る事にある種/性的な興奮を覚える俺であるが…人間の半分程度のサイズしかない「妖精」という存在に心を惹かれる。其の美しさは何に例える事もできない。俺は…そうだな。何時も使用しているこの銛(もり)で彼女の背中と胸元と首元を脅し「どうだ/怖いだらう/泣け/喚け/心拍を計測し200を打った時に此の銛を刺すからな。落ち着いていることだ」そう言って遊びたいと願うよ』

彼女を拿捕した主犯格
奴隷市場の王/ハイライト様

 『欲望の迷宮にようこそ。御身を攫うのに俺が流した血液量の分だけ楽しませてもらう。今宵は始まりでありアルファ。次夜は続きでありオメガに至らず。時間と空間を歪ませ、永続的に責め苦を与えてやろう。妖精村が営々と続けてきた我々との対立についてお前は知らないだろうが…今夜は宴だ。今夜は宴だよ。始まりに過ぎない。生と死の狭間の世界を縦横無尽に闊歩するといい』

 『快楽を止めるな。蚕(かいこ)の中はどうなっている。朽ちる前に教えて欲しいものだな。口では「嫌/嫌」と言ってはいても身体反応は嘘はつかないもんだな。人間と一緒。お前たち妖精の生態を暴いてやらう。弱点を描写してやらう』

 『此の様な睦み合いは辛かろう。御散歩は未だ終わらんよ』

 『性欲の虜となって否定され続ける運命を受け入れるんだな。丁度/ひとといふものがマネー主義から逃れられないように。それは…それは…それは…とても惨めな事であると此処に断ずる。アートではないと』

 『いいか/良く聞いておけ』

 『我々の対立がバランスを崩した折に物語のゆくへも変遷していく。論で言えば「多元宇宙論」「泡宇宙論」に近いかもしれんが…其れも凌駕し万事を説明してしまう力学の中に我々は存在している。ところで・ところで』

 『俺は今、2つのものに興味を持っている』

 『ひとつは隣村から到着した長老の子飼いの娘「祈り女」の存在だ。あの娘の周波数はある意味で危険過ぎる。美の周波数。感謝の波動。再生の波動を持つ美の顕現者…故に長老は彼女を甲月/乙月という変遷する暦の中に封じ込めたのさ』

 『もう一つは同じ村からの脱走兵…「狩人」だ。其の村の絶対防御線である内側からも外側からも決して破られることのない周波数帯を突破した者』

 『その者とは一度すれ違っている。お前を攫いゆく往路に一度だけ。いい目をしていたよ。男の目だった。あんな目をされたら…嗚呼/俺は』

 『堪らなくなったな』

 『「次はお前だ」そう心に決めたのさ』

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