《瞑想小説 狩人》

瞑想

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奴隷市場…チョーカー

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『嫌…嗚呼/嗚呼』
『御勘弁…くださひ』

娘は可憐な肢体の無防備な上半身に
蜘蛛の射出する辛子を塗り込まれ

『嫌…嗚呼/嗚呼』
『御容赦…を』

其れを舐められては塗られ
削ぎ取られては塗られ

『何時まで…嗚呼』
『嗚呼…其処…は』
『嗚呼…嗚呼…ああっ』

塗られ剥がされ/更に塗られ
坪に残るは無知の空瓶
それぞれの蕾は乾いた涙を流す

『嗚呼/嗚呼』
『葉…/葉…』

観葉植物は食人植物に睨まれる
万事休すの信仰心と貧困民は嘔吐し
応答のない王道の王都に反乱を試みる
夢見が丘に絶対の通貨発行権者が居るのも知らず

蜘蛛の糸は下半身をおおひに覆い
身動きの一角目すら刻ませぬよう威嚇する
抑止力を良視力で見たとて
何方が優位で何方が不利か理解るだらう
良くゝ思慮すれば一方的な睦み合いは欲私呂であり
一歩でも踏み外せば断崖から堕ちる欲望の崖

『嗚呼/嗚呼』辛子が随分な効能を発揮する
『ああ/ああ』蜘蛛の界隈では常識なのだが
『あ/あ/あ』食す前にドレッシングが要るだろう
『唖々/唖々』ミドルレンジのパッシングゲームさ
『ああああ/あ』背中を見せな/胸を見せな
『ああああ/あ』傷に塩ならぬ辛子を塗るんだ
『ああああ/あ』痛みを伴うだらう/そうだらう
『ん…ん…ん』其の声を寄越せ/苦悶を差し出せ

彼女の唇は紫色に変色しており
誰の目にもチアノーゼと判断できる様相
其れにアンチテーゼを掲げる/君よ
通貨発行権者に一つの矢を放つ勇気はあるか
自らの命を引換券として闘う勇気はあるか

彼女の肩甲骨に毒が侵入っているのを知りつつ
其れでも彼女を『愛してるぜ/死ぬまで』
其れでも彼女を『死してなお/其れが愛だろ』
勇敢に言い放つことが出来るか/君は

難しくないかい
難しくないかい

梅毒…致死率の高い風邪…津々浦々な恐怖を飲み
迷い/一切無く/其の体液の全て/全てを
飲み食い騒いで彼女を昇天させる勇気はあるか

難しくないかい
難しくないかい

其れを振動数で治癒させる術(すべ)が在るのは
此の執筆がフィクションだからだらうか
此の筆者が見事な嘘つきだからだらうか
ソマトスコープに触れてみればいいのさ
其の時に人生行路は綺麗な螺旋(らせん)になるぜ

『ところでどうだい』

『ところでどうだい』

『最大限度を封入したカルキの味は』

『恐怖列車と共に飲み込んでみろよ』

『水溜まりに顔面を突っ込んで/さ』
 
『癒やした喉がある者よ/手を挙げな』

▲居るもんか/情けない/凍土の生を知りな▲

▼居るもんか/情けない/呆けるのも大概にしろ▼

『此処は奴隷市場/此処は奴隷市場
 お買い得ものが集(つど)った市場
 お値打ちものが集(つど)った市場
 貴重な経験をお求めくださひな
 最前列のマダムの右脛(みぎすね)は
 彼女を欲して震えておるよ』

『恥ずかしい』…だらうな
『止めてください』…だらうな
『私は玩具では』…なんだひ
『ありませぬ/嗚呼』…なんだひ
『糸をお解きください』…なぜだひ
『此のままでは』…なんだひ
『余りにも…嗚呼』…なんだひ
『惨めで御座ひます』…だらうな

チョーカーが娘の動きを封殺する
同様に下半身は白色糸の虜
毒蜘蛛は肩甲骨を複数回/舐め廻し
娘の感度素養を確かめる
其の骨は呪いに近い粘着液を垂らせれ
ベトベトになりヘトヘトになり
第一陣として放たれた辛子と混ざり
大静脈に侵入する計略を深く錬る
娘は肩甲骨からの色圧を感じ
弓のような身体操作で峠を越した
弓のように身体を振って峠を越した

其処は酸素分圧の薄い霧中の峠
其処はCOが充分に蓄えられた檻の中/故
紫顔のチアノーゼは紫陽花に似る

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