《瞑想小説 狩人》

瞑想

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交差

ターキー/ジャーキー

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ターキーにもたくさんの人がいるんだな。
英語がある程度通じるのは俺にとって幸いだった。誰かが路地裏で噂話をしているのが聞こえる。「死」「絶望」と対極にあるのが現在の自分の立ち位置という訳なんだが…背中に書かれた背負い看板のとおりに行動することが好ましい事を俺は知っている/それが「利己利他ともにある」という望ましい状態である事も重々承知している。日記という媒体だろうが小説という媒体だろうが構いはしない。記載しておく必要があると思い筆をとる。あくまでフィクションで構わない/投稿日なんて誰も気にとめる訳がないし必要があれば全てを404の世界に放り込めば済む事だ。カクヨムさんでの執筆で俺は其れを充分に知っている。

平和ボケして久しい祖国を背中にしたのが如月半ば。当国からも緊急的な支援が必要になったという訳だ。政治/外交/折衝/利己的な遺伝子/利己的な国家主義の遣いのうち複数人は多角的な言語を上手く扱れる。言葉を通訳を任せる程、無知な脳筋野郎ならここで帰国すべきだと思う。当番日なる危篤なシステムがあるのが非常にうざったく厄介極まりない。

ターキーにもたくさんの人がいるんだな。新型の例のウイルスについて説明があったがほとんど聞く耳を持たない輩と真剣に聞く医療従事者に別れる。危篤な男は立場は後者であるにもかかわらず態度は明らかに後者だった。…もっと/もっと/もっと恐ろしい敵と対峙しなくてはいけない訳だし/観光目的でもない渡航に些末な心配をしている余裕はない。今・時分は/今・自分は/体力を温存し蓄え…発揮する場所で発揮する準備を整える事しかできない。故にそのような些末なウィルスの根本議論に加わるのを拒否するものである。

ターキーにもたくさんの人がいるんだな。航空機が滑走し離陸し着陸するコンクリートに敷かれた灯(ともしび)が「将棋盤のように見える」と呟いたら隣の男が少し笑った。彼はここ数日、全く眠れていないと言っていた。気持ちは半分理解できたし半分は理解できない。俺はポケットに忍ばせた植物由来かつ適度な効果を持つ「アシュワガンダ」を彼に手渡し『これで少しリラックスするといい』そう言った。

『ありがとう』彼はそう言った
『大丈夫/副作用なんかはないよ』少し眠りたい
『どこでこういうのを購入するんだ』彼は続ける
『インターネットの大手サイトで簡単に購入出来る。関東だろうが関西だろうが違いはないだろう?嗚呼…そうか/君の住む関西方面の電力は俺の住む関東地方では電力のヘルツが違うのか。もし手に入れられないのなら俺に頼んでくれて構わないぜ。これも勿論…何かの縁だと思うんだ。』俺は少し外連味(けれんみ)を込めて低めの声で言う。彼とは帰国後に友達になれそうな気がする。多分。

此の道程でアーユルヴェーダの知識は役に立つ。現実問題として非常に役に立つ。特殊な呼吸法と日々練磨した技術、知識、肉体、運動神経がどこまで通用するか勝負だ。精神状態を高揚しすぎないよう/副交感神経が優位になりすぎないように充分にコントロールし「眠り」と「覚醒」と「半覚醒」と「明晰夢」を全て足し合わせ4で割ったカクテルを脳内に作り/その中に意識を放り込めば集中のプールとリラックスの蛇口が綺麗に交わり脳波をθに留てくれる。または……

同4つの概念を全て掛け算し4で割る。必要な脳波はmid/αからθの中間位。脳内の側坐核(そくざかく)と前頭葉(ぜんとうよう)に氣を巡らすには集中力が必要だ。

俺は仕事を半分/大型のザックに詰め込んだふりをする。やるならば必死にやる/真剣にやる/勝負/勝負だ/此れが男の仕事場といふ訳だ。ザックの余白に詰め込んだものを表現するには此のフォーマットは相応しくない事を知っているし随分と注意を促された。かなりオープンなプラットフォームのDMでこういった仕事内容を少々やりとりした方がいるのだが「マズい事をした」と後悔している自分に気づく。

ターキーにもたくさんの人がいるんだな
アポロキャップの一団が航空機を降りる

もっと冷たいコンクリートが待っている
そこで此の物語は唐突に終わりを告げるのだ

カーマントル/ロープが俺のザックの中と
名の無い大きな貨物室に何本も詰め込めれている

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