《瞑想小説 狩人》

交差

玄米混合／ちょっこれいと

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嗚呼…私は此の奴隷市場を仮想現実社会の顕現であると理解してきましたがどうもそうではないようですね。東洋島国の突端に流されたフェイクニュースのお陰様もありまして…随分と野放図に手放された離島があるのです。その領土権を争いながら楽しむのが「ひとといふもの」／その領土権を争いながら楽しむのが「ひとといふもの」。我々…妖精という存在には微塵も価値がないと申すのですね。

嗚呼…蝙蝠様。胸突端が心地良く御座ひます。もう少し力を込められれば私は再度の涅槃領域に達する事となるのでしょうや。万が一に私がこの場所で命／潰（つい）えるならば辞世の句は何とすれば良いのでしょう。生まれを「ひと」とできなかった事への恨みなのか…さざなみの様な美辞麗句が淡々と並ぶだけなのでしょうか。

嗚呼…私の手相を覗かないでくださいませ。随分と悲哀に満ちた哀しみの手指となっている事でありましょう。左右差と撚（よ）れが酷いかと存じます。故に脊柱起立筋と多裂筋を優しく…あくまでも優しく愛撫していただきたいの。小春日和（こはるびより）に転がる鉛筆のように。終末論者を深夜に抱（いだ）くスキニーパンツの官女の膝枕のように。

嗚呼…グロテスクな蛙が第１指に絡みついて言います。『蝙蝠様に嘘をつくなよ。即座におまえさん…俺のようなヒキガエルになってしまうぜ』嘘をつくことは大罪だと蝙蝠様も言っておられました。故に正直になろうと思ふのです。せめて自分の身体くらい確実なものに対しては。

『不／不』蝙蝠の舌先が突起を虜囚とし
『不／不』サディスティックな笑みを浮かべる
『不／不』不満足な身動きは麻縄の虜になり久しい

『不／不』蝙蝠と小娘は淫靡なダンスを踊る
『不／不』迷路は長く入り組んでいるし
『不／不』生命の起源は何よりも不確かだ

『不／不』道路が何時でも混んでいるのも困る
『不／不』期限のない返済専従機関は守られており
『不／不』奇幻城といふマインドクラフトは脳内で
『不／不』秘匿性と一癖で陰を踏み軽やかに笑ふ

『不／不』私は蝙蝠／6本爪の蝙蝠
『不／不』私は蝙蝠／6本爪の蝙蝠

『美味し』私は赤色／ルートチャクラ
『美味し』私は橙色／丹田への密航者
『寄越せ』私は黄色／神経囊は腸内で涙を流す
『早急に』私は緑色／心臓の鼓動と拍動／圧力
『そうだ』私は薄い青／ペイルブルーの表現者
『美味し』私は紺色／第３の視線が貫けば
『美味し』最後に紫／会陰と百会を貫通する蓮華草

道路工事が高次作業である事を知る如月半ば。暇な連中のアイウォンチューを右肩で笑う誰かは掃除を念入りに実施しているだろう。面倒な作業は使役人に全て任せればいいのにそれが出来ないと言う男もいるようだ。ところで筆者は平家一家の悪巧みが文脈を荒らしにかかるもので脳内に嵐が吹き荒れるような気持ちになっておるので御座います。

ベルボトム・ブルースのイントロを奏でる傷を負ったギタリストが泣いている。ファズとディストーションとリヴァーブを当量混ぜたイーシャープメジャーセブンスという既知のコードはゴミだと宣言されて泣いている。GからEmに流れて時折（ときおり）A7にすれば何となく曲になる基本が大事だといふが…そんな安直な作業はつまらないと感じるので…あしからず。

ヒップホップもライムもTwitterも小説も仕事も何も変わらない。生を楽しむには一日のリソースを価値のあるものに配分する必要がある。対極的に言えば不要なものをいかに削ぎ落とすかもコインの表裏として其処に存在している訳だな。

自己満足と他者利益の絶妙なバランスをキープしながら結果から逆延長し現在に没頭するのみ。音の根源的作用は強い。安楽座を楽々と上下反転してみせる誰かが言うのだから間違いはない。ブルースも演歌も砂漠を旅する骸骨旅団のハーモニカもどきも変わらない。融通無碍ならそれでいいのだ。夜が素敵に更けるならそれでいいのだ。

陰の韻／踏む奇特な男
既得権益はあまひくちづけ

心（しん）の印／狂い鳴くのは心と身体
ちょっこれいとはカカオ多めで頼むぜ妻よ

蓮華草／乱れ咲く也／如月の陣
演舞を舞うなら／本気でどうぞ

月見に行こう／まんまる夜空
君にくちづけ／ふけゆく宵には
情熱的な抱擁が似合う

裏声聞こえる／裏声聞こえる
とても綺麗なファルセット
３度を重ね／５度を重ねて
心と身体は秘境に至る

微塵も届かぬ『蜘蛛の糸』
未開を探すココロのときめき
絆（ほだ）されまいぞ／騙されまいぞ
運用資産は内なるもの也

幾つかもらった
ちょっこれいと
１つ桃色／２つ黒色／３つは甘く
玄米混ざりのちょっこれいと
煉獄火炎の甘味／戯れ
時に君のが一番美味い

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