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交差
鉄の女/両面マスクの男
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『宇/宇』蝙蝠の触手が延伸する
『宇/宇』無碍な体液交換の求め
『宇/宇』奴隷市場に攫われた娘は哀れ
『宇/宇』其の肢体を全て聴衆に晒し
『宇/宇』テストステロンに捕縛されて久し
『宇/宇』蝙蝠の爪はそれぞれの部位を求め
『宇/宇』更なる交渉を娘に強要することとなる
『…嫌』
電気に近い感覚が襲う/注射器が跳ねる
交流でもなく/直流でもない奇妙な流れ
圧力は高い方から低い方へ向かう…通常は
時空が螺子(ねじ)曲がっているが故に娘は
体液が圧力の低いほうからから高いほうへ
逆流をするのを感じている/その流れの向こうに
優秀に作用する逆止弁が無い事が感覚でわかる
『…もう』
その先は言わずもがな/弓になりたい身体
身体的な刺激は模型(もがた)が最早(もはや)支配しており
前後/左右/奥/手前/突起/入口/奥の院
全ての彼女の感覚機関を捉えて離そうとせず
縦横無尽に闊歩する様は希代の剣豪のようであり
融通無碍な言葉を語る様は優秀な禅僧のようであり
変形回路を走破する電撃の前奏のようでもあった
最前列…鉄のマダムは同日の手記を残す
『嗚呼…初めての経験だったわ。美しい妖精奴隷が嬲られる様をたっぷりと堪能させていただいた。平常運行で生きている者には決して味わえない夜だった』『また行きたいと願うわね。そして満足な勃起もできない旦那衆が彼女の小さく/美しく/か細い指先に随分と興奮していたのを知ったわ。正直、羨ましくもあったわね』『マネーゲームを支配する何人かも会場にいたのを知っているわ。マネー第一主義の世界観で銀行業務を支配して債権と紙幣の概念を破壊し、この世界の風土醸成をした彼らの姿もあったわ。その夜』『鉄と鉄で殴りあう歴史の表舞台に立たない彼らの高尚遊戯を黙認したのだけれど…残念ながら彼らと取引きする弱みを握った訳じゃないことも知ったわ』『何故ならそこに私もいたからよ』『嗚呼…私もあのような惰欲の突端に溺れてみたい。現実世界で力を持つ奴隷市場の王様に』『身体を好き放題に嬲られて』『ゴールデンのシャンパンで乾杯するその一幕の主役になってみたい/これって歪(いびつ)な欲望なのかしら』『可能ならば』『このネックレスとブレスレットとアンクレットを契約書代わりにしてあのように』『あの娘の様に』『世俗柵(せぞくしがらみ)を忘れて欲に溺れる一夜を経験してみたい』
『…御勘弁、を』
右手に挿さる爪から蝙蝠の体液が入り
時系列を分断し啓示的なマントラへ交換する
弓/弓/弓/娘は何度か/何度も/果てしなく
肉体的な絶頂感を味わって淫靡な声をあげる
人外の宴は妖精と蝙蝠を主演女優とし男優とし
少量の人語を交わす出口のない迷宮を紡ぐ
これは美であり山脈であり河川であり
海老名駅近郊の図書館には並ばぬ奇特な執筆
最前列…両面マスクの男は手記を記す
『御散歩タイムは最高だったな。何故ってさ』『あんなに綺麗な妖精様が我々の眼前を練り歩くんだ、首には「SLAVE」と記載された紅生姜よりも紅い首輪を装着させられていた』『犬と同じ扱いを受ける人外のもの。人外のものだからこの様に扱っていいのか…平素の精神状態ならば』『ここに居るもの全員が何らかの罰を受けるべきであると断ずるがな』『あの時空は曲がった鉄パイプのようであったんだ』『つまり』『もともと世界というのはこの様に螺旋状に曲がった状態であるのが平常であり』『健やかに/伸びやかかに/真っ直ぐに』『それこそが本来の自分とかけ離れているんだなと』『あの夜…奴隷市場での夜が教えてくれたよ。そして俺も随分と興奮していた』
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