《瞑想小説 狩人》

交差

奴隷市場…御,散,歩㉕

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本末転倒の深淵に新年を観る心持ち
荒唐無稽且つ無碍な剃毛作業の往復
其の男に降伏する望外な妨害の幸福
同福音は１９３４年の消去された歴史
同歴史は確認できる範囲で規定される亞史
流れないエンドロール,溢れるエントロピー
混沌の中で娘の剃毛作業が継続される也

テーブルに[たぬき縛り]で饗された娘の座間に
銀／色／で狂の意図を持った剃刀が付され
其の往復作業により高まる分圧は畏怖及び恐怖
会陰にはそもそも一本の毛根も見分できない
それなのに実施せずにはいられないといふ
それなのに実施せずにはいれれないといふ
物事には須(すべか)らく理由が在ると思わぬか
発生と収束…そして発生し収束,繰り返し
因果応報と剥奪の歴史は繰り返される,其の悲哀
戦争反対を唱える日々の変遷に知識を添える
大東亜戦争の[A]戦犯は誰かな
真珠湾には向かったのか,向かわされたのか
事実は一つしかない,史実は一つしかない
其の真実を識る為に識る必要が在る
現在時分で１％の者を３５％にするには口伝が必要
暴走する世界市場を[止揚]し使用する立場
其の立場に立てる少数派閥は独自文化を極めるべし

[嗚呼…],一方的に搾取される娘の無毛地帯に這う
[嗚呼…],剃刀の刃は切れ味が鋭く／尖く／賢い
[嗚呼…],一見無意味に見える無毛地帯の痴態に
[嗚呼…],偏見と醸成されたプロパガンダが走る

[嫌……],そうは言われても停車しない暴走列車
[嫌……],迷路の中に陥没した歴史史実は埋葬され
[嫌……],奴隷市場に売国奴達の咆哮が見分できる

市場に捧げられた妖精奴隷のは女王の第三子
長女は村の中枢部かつ枢軸の中央に据えられた
[松ぼっくり]のシャフトの中で夢を見ている
次女は同村の南西端に生る未熟な檸檬を齧る
三女は傷を負った旅人に騙され／捕縛され
担ぎ込まれた先は賽の河原よりも人間らしい
奴隷市場といふ強力な抑止力を持つ非人道舎で
魑魅魍魎及び蟲,ざわめく大会議の前夜に捧げられる

[宇…宇…],惨めな形に整えられた彼女の股座に
[葉…葉…],奇天烈列車の後援会の代表が告げる
[宇…宇…],後援会の講義は見事なものだった
[葉…葉…],連続性と継続性を持つ東果て,摂氏零度

『嗚呼…何故わたくし…がっ／葉…葉…っ
　こんな目に…／嗚呼…あわなくては…宇、宇…
　いけないというの…何故,何故,何故なの』
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『やめて欲しいかね』
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『葉……はい,嗚呼っ,お願い,怖いのです』
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『何が』
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『其の剃刀が私を分断するのでしょう』
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『違うな』
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『嗚呼…此の蝋燭は更に熱さを増すのでしょう』
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『それは正解だ,合っている』
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『此の緊縛を解いてくださいまし』
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『それは出来ない,王の命令でもあるしな』
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『そんな…酷い』
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『此の質問に答えられたら容赦してやらんでも』
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『……？……』
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『熱気球の浮遊せしめる原理,其の祖は何ぞ』
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『……？……』

解らないかね。
解らないかね。
解らないかね。
では蝋燭責めと剃毛作業を継続する事とする。
正解は圧力だ。お前は我々という強烈な圧力に
屈し／屈指し／屈伸できぬ膝を
おおひに,笑われる必要がある。

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