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交差
熱射回廊…緊縛列車
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[…嗚呼…]そのまま舌先を彼女に挿入しつつ
[…嗚呼…]不相応なベッドに横たわらせるなら
[…何故?],何故俺が今宵一番の客だったのか
[…何故?],其処が知りたくなった
[…何故?],お前は沢山の客に酌をしていたろ
[…何故?],其の中で俺を選んだ理由を知りたい
彼女は俺の右手第一指を其の口腔に導く
俺は彼女の口腔内の温もりと本気を知覚する
[…お願い],彼女は何も聞いて欲しくない
[…お願い],続きをして欲しいと言っている
[…お願い],所詮我々は動物だと言っている
俺の首後ろに両手を組む仕種は
恋人同士の所作そのもの…印象的だった
彼女の黒いバックはベッドの南西端にあり
止水ジッパーが此の世は窮屈だと言っている
彼女の黒いバックの内容物は本気だった
生きている事を実感したいと言っている
規律性と親和性を無くした音階で響く反響音
隣の部屋に住まう誰かが耳を付けぬか心配だった
大所帯での旅行は症に合わない事を知っている
俺は誰より自分の事を知っている,個人主義だな
舌先は腹直筋側部と腹斜筋を攫いつつ核心部へ
核心部には陰なる核帯(かくたい)が在り彼女の其れは
可憐で極細な腰椎の複数箇所に感帯(かんたい)を延ばし
其の平衡感覚が望楼勤務よりも安泰(あんたい)だといふ
俺は彼女のバッグ内に潜む電気的快楽刺激物
所謂,電動按摩機器を枕元のコンセントに繋ぐ
交流由来の永久機関…起案は即時決裁を終了し
安定した回転を誇示し彼女の単突起に接続される
[…嗚呼…],まだ答えを聴いていないぜ
[…嗚呼…],まだ答えを聴いていないぜ
[…嗚呼…],何故,俺を?お前は今夜も,多分昨夜も
[…葉,葉…],旦那衆にお酌をして四方八方に
[…宇,宇…],其の愛想を振りまいて❤を本文に
[…葉,葉…],越える寸前の吐息の様な❤を付して
誰,彼,構わず危険物質ドーパミンを享受してたろ
[………!………!………!]
彼女は複数分の電気的刺激に弓背界隈を徘徊する
続辺の無い図形が其処彼処(そこかしこ)に広がり
続編の無い荒唐無稽な物語の綴(つづり)
万葉集からの顕現の様な黒髪が乱れる図を描く
[………!……!……嗚呼……]
一度到達した単突起は暫時放置しておくのが上司
直ぐに二度目を狙う気持ちは理解るが若人よ,笑止
感覚に依る夜の償いと全部報奨を得る為の所作
短編[ぺんぎんむらの,おおおとこ]を読む程度には
放置する時間を享受させる大胆且つ繊細な嗜み
只,只,時間を無駄に使用しないのが肝心
只,只,琴線感覚と金銭感覚の支点を崩さぬ法人
只,只,其の黒いバッグの中に麻縄が在る故に俺は
彼女の一度目の[峠越へ]の瞬間に甘んじる事なく
其の縄束を解索し一本線にする手技を披露する
[……!],此れがお前の求めていたものといふ訳だ
[……!],此れが御身の求めていたものといふ訳だ
[……!],此れを実際に出来る者を探していた訳だ
[……!],緊縛列車の一番線,特等席からの眺め
[…嗚呼…],其の景色を見てみたいといふ欲求,希求
[黙ってろ],瞬間の声質に注意を払う魔手
[動くなよ],生命力,集中力,運動神経,没頭回路
所謂,後手縛りから小さな胸の膨らみを強調させ
頸部界隈を貫通した縄を最終的に本結びにし
象徴的なバタフライ/ノットを中間に作成する
[…嗚呼],随分と嫡子が調子を上げてきたやうで
[………],吐息が高調しつつ頬色が紅潮している
[………],縄酔い女性の美しさを再確認する宵
縄の下表の余剰に恒常性といふ意味を付す
余剰は切断せずマウンテニアーズ/コイルで纏め
末端にオーバーハンド/ノットを三重に掛けた時
旅先の踊子は其の渇望の突端に至り淫靡也
伊豆程ではないにしろ踊子としての素養十分
[…何故?],もういい,答えは理解した
[…何故?],只聴いていろ,お前の回答はこうだ
[…何故?],屈する事が重要なんだろう
[…何故?],屈服する事,服従する事
[…何故?],渦巻く欲望を適切にTreatする誰か
[…何故?],有無を言わせぬ知識で支配する誰か
[…………],其れを探し,夜を徘徊する黒い蝶々
其れがお前だ/其れがお前だ/其れがお前だ
指先が辛辣な恥じらいを告げ,夜は更けていく
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