《瞑想小説 狩人》

瞑想

文字の大きさ
上 下
335 / 571
交差

熱射回廊…緊縛列車

しおりを挟む

:::::::::::::::::::::

[…嗚呼…]そのまま舌先を彼女に挿入しつつ
[…嗚呼…]不相応なベッドに横たわらせるなら
[…何故?],何故俺が今宵一番の客だったのか
[…何故?],其処が知りたくなった
[…何故?],お前は沢山の客に酌をしていたろ
[…何故?],其の中で俺を選んだ理由を知りたい
彼女は俺の右手第一指を其の口腔に導く
俺は彼女の口腔内の温もりと本気を知覚する
[…お願い],彼女は何も聞いて欲しくない
[…お願い],続きをして欲しいと言っている
[…お願い],所詮我々は動物だと言っている
俺の首後ろに両手を組む仕種は
恋人同士の所作そのもの…印象的だった
彼女の黒いバックはベッドの南西端にあり
止水ジッパーが此の世は窮屈だと言っている
彼女の黒いバックの内容物は本気だった
生きている事を実感したいと言っている

規律性と親和性を無くした音階で響く反響音
隣の部屋に住まう誰かが耳を付けぬか心配だった
大所帯での旅行は症に合わない事を知っている
俺は誰より自分の事を知っている,個人主義だな

舌先は腹直筋側部と腹斜筋を攫いつつ核心部へ
核心部には陰なる核帯(かくたい)が在り彼女の其れは
可憐で極細な腰椎の複数箇所に感帯(かんたい)を延ばし
其の平衡感覚が望楼勤務よりも安泰(あんたい)だといふ
俺は彼女のバッグ内に潜む電気的快楽刺激物
所謂,電動按摩機器を枕元のコンセントに繋ぐ
交流由来の永久機関…起案は即時決裁を終了し
安定した回転を誇示し彼女の単突起に接続される

[…嗚呼…],まだ答えを聴いていないぜ
[…嗚呼…],まだ答えを聴いていないぜ
[…嗚呼…],何故,俺を?お前は今夜も,多分昨夜も
[…葉,葉…],旦那衆にお酌をして四方八方に
[…宇,宇…],其の愛想を振りまいて❤を本文に
[…葉,葉…],越える寸前の吐息の様な❤を付して
誰,彼,構わず危険物質ドーパミンを享受してたろ
[………!………!………!]

彼女は複数分の電気的刺激に弓背界隈を徘徊する
続辺の無い図形が其処彼処(そこかしこ)に広がり
続編の無い荒唐無稽な物語の綴(つづり)
万葉集からの顕現の様な黒髪が乱れる図を描く
[………!……!……嗚呼……]

一度到達した単突起は暫時放置しておくのが上司
直ぐに二度目を狙う気持ちは理解るが若人よ,笑止
感覚に依る夜の償いと全部報奨を得る為の所作
短編[ぺんぎんむらの,おおおとこ]を読む程度には
放置する時間を享受させる大胆且つ繊細な嗜み

只,只,時間を無駄に使用しないのが肝心
只,只,琴線感覚と金銭感覚の支点を崩さぬ法人
只,只,其の黒いバッグの中に麻縄が在る故に俺は
彼女の一度目の[峠越へ]の瞬間に甘んじる事なく
其の縄束を解索し一本線にする手技を披露する

[……!],此れがお前の求めていたものといふ訳だ
[……!],此れが御身の求めていたものといふ訳だ
[……!],此れを実際に出来る者を探していた訳だ
[……!],緊縛列車の一番線,特等席からの眺め
[…嗚呼…],其の景色を見てみたいといふ欲求,希求

[黙ってろ],瞬間の声質に注意を払う魔手
[動くなよ],生命力,集中力,運動神経,没頭回路
所謂,後手縛りから小さな胸の膨らみを強調させ
頸部界隈を貫通した縄を最終的に本結びにし
象徴的なバタフライ/ノットを中間に作成する

[…嗚呼],随分と嫡子が調子を上げてきたやうで
[………],吐息が高調しつつ頬色が紅潮している
[………],縄酔い女性の美しさを再確認する宵
縄の下表の余剰に恒常性といふ意味を付す
余剰は切断せずマウンテニアーズ/コイルで纏め
末端にオーバーハンド/ノットを三重に掛けた時
旅先の踊子は其の渇望の突端に至り淫靡也
伊豆程ではないにしろ踊子としての素養十分

[…何故?],もういい,答えは理解した
[…何故?],只聴いていろ,お前の回答はこうだ
[…何故?],屈する事が重要なんだろう
[…何故?],屈服する事,服従する事
[…何故?],渦巻く欲望を適切にTreatする誰か
[…何故?],有無を言わせぬ知識で支配する誰か
[…………],其れを探し,夜を徘徊する黒い蝶々
其れがお前だ/其れがお前だ/其れがお前だ
指先が辛辣な恥じらいを告げ,夜は更けていく

::::::::::::::::::::::
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

ちょっと大人な体験談はこちらです

神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な体験談です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

BL団地妻-恥じらい新妻、絶頂淫具の罠-

おととななな
BL
タイトル通りです。 楽しんでいただけたら幸いです。

淫らに、咲き乱れる

あるまん
恋愛
軽蔑してた、筈なのに。

小さなことから〜露出〜えみ〜

サイコロ
恋愛
私の露出… 毎日更新していこうと思います よろしくおねがいします 感想等お待ちしております 取り入れて欲しい内容なども 書いてくださいね よりみなさんにお近く 考えやすく

職場のパートのおばさん

Rollman
恋愛
職場のパートのおばさんと…

秘事

詩織
恋愛
妻が何か隠し事をしている感じがし、調べるようになった。 そしてその結果は...

処理中です...